観ている途中、話の端折り方がどうかと思ったが、最終的には、映画のパッケージへの話のまとめ方が非常にうまいと思った。映画オリジナルのエピソードもあるし、原作を端折った部分ももちろんたくさんある。が、たとえばラストシーンの、眩暈坂で関口と京極堂妻、関口妻が出会うところの物語の中での意味、重みなども、原作と同じバランス感だったし、そういうポイントは見事に外していない。
まあ、そうはいっても、原作を読む体験のほうが格段に面白いわけだが、それは元々が議論小説、情報小説(といういい方はあまりないか)の趣が濃い作品だから、しかたがないだろう。
そういう部分を(尺という制約のために)捨てた分、映画ならではの時間的、視覚的、パフォーマンス的なダイナミズムを盛り込めたかどうかという点については、個人的には残念な点も多々あった(たとえば原田知世に大竹忍の演技力があったら、とは何度か思った)。スポットライトの多用といった舞台的な演出や、奇妙なカメラアングルも含めた絵作りなども、面白いとは思うが、予想通りとも思う。難しい。京極/水木ファンくすぐりサービスはちょっと虚を突かれて楽しかった。
まあでも、上述したような話のポイントポイントでは心動かされたし、最終的には満足して映画館をあとにした。星ふたつ、くらいかなあ。
エンドクレジットに加藤礼次郎の名前があってびっくり。どこに出てたんだろう。あと同じくエンドクレジットに名前のあった新井学とは、わたしの知っている新井君(同姓同名)だろうか。
2005年08月04日
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