2006年02月04日

片岡千恵蔵

ユーロスペースにて、片岡千恵蔵主演の「鴛鴦歌合戦」を観る。冒頭ディック・ミネ(峰沢丹波守)が「ぼぉくぅはわかあいとのさま〜」と歌い踊りながら登場し、骨董好きの傘貼り浪人志村喬(志村狂斎)も歌いまくる、日本最初のオペレッタと称される呑気な映画である(マキノ正博監督。1939年公開)。

7日間で撮ったものらしいが、素晴らしい。ちなみに1939年(昭和14年)には、邦画551作品が公開されているようだ。一日一本ずつ観ても観切れない数だ。

狂斎の娘市川春代(お春)が、狂斎が長年麦焦がしに使っていた実は一万両の値打のある壷を、千恵蔵(浪人浅井礼三郎)との愛の成就のために叩き割るところなど涙が出る。礼三は、お春をお側勤めにと画策した峰沢丹波守の家来と立ち回りを演じてお春を助けたすぐあと、狂斎の壷が一万両の値打があるとわかった途端、お春に向かって「金持ちは嫌いだ。特に成り上がりは大嫌いだ」と見栄を切るのである。

最後まであまり出て来ない千恵蔵が、大立ち回りで映画の印象をさっとかっさらって行くところがなんともいえずカッコよい。大立ち回りの途中、下から千恵蔵を舐めるアングルが何回か出てくるのだが、そこでストップボタンを押して印刷したくなるほど、一枚絵として素敵である。

あと、市川春代の台詞回しが最高。これは後年の「ニッポン無責任時代」の中島そのみの台詞回しに通じるなあと思ったが、どうだろうか。

それと、ユーロスペースが百軒店の裏(On Airの近く)に移転していてびっくりした。

−−−
以下昔話だが、「鴛鴦歌合戦」をはじめて観たのは、今は亡き大井武蔵野館の、日本のミュージカル特集のときだったと思う。高島忠夫がタクラマカン砂漠に馳せる思いを歌う「君も出世ができる」(須川栄三監督。知らなかったが今調べたら音楽が黛敏郎、作詞が谷川俊太郎だった)とか観たなあ。
posted by aokiosamublog at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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