2006年02月17日

ろくろ首の首はなぜ伸びるのか

武村政春著。新潮新書。副題に「遊ぶ生物学への招待」。書名からも想像がつくように、妖怪やUMA、物語に登場する想像上の生物を生物学的な知識や分析ノウハウとアプローチで考察してみよう、という一冊である。

たとえば飛頭蛮を解剖学で、カオナシを免疫学で、目目連を細胞生物学で解き明かす−ふりをしてみようという試みは非常に面白いし、書名から非常に期待したわけだが、確かに読んでていろいろ感心しはしたが、まえがきで「現在明らかになっている生物の様々な構造や機能について取り上げ、そのメカニズムをうまく利用して、想像上の生物たちをとことんまで説明してやろうではないかという一種の「遊び」である」と書きながら、「皿かぞえの口腔内の粘膜組織中に「ヌフプラ島Neufplat island」と呼ばれる細胞の塊があり、(中略)フランスの科学者ピエール・ヌフプラ教授が(後略)」のような嘘−といって悪ければ創作−を挟むのはどうだろうか。なんだか、これから冗談をいいますよ、宣言された冗談を聞かされているような興醒め感を覚える。洒落のつもりで書いた本と思うが、洒落になっていない。

#ちなみにNeufplatとはNeuf plats(フランス語で「9枚の皿」)のもじりだろうが、こういう外国語駄洒落は言葉がわからないとどうしようもないので、手に負えない。平易な英語や日本語になった外来語ならまだしも。

「秘密の動物誌」の手法を踏襲するか、現実の生物学知識だけで論を展開したほうが面白かったと思う。星ひとつ半かな?
posted by aokiosamublog at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍/読書
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