橋本治。ちくま文庫。書名どおり、大江戸歌舞伎(江戸時代に、江戸で上演されていた歌舞伎)のことを説明した本。つまり「今となっては誰も見たことのない歌舞伎」について延々語っているわけだ。
多少は現在の歌舞伎の鑑賞が楽しくなるのにつながるとは思うが、とはいっても、大江戸歌舞伎の定式という、今となってはあまり役に立たない知識を語った本である。知ったからといって、11月の顔見世に始まって延々曽我狂言がかかる大江戸歌舞伎を鑑賞する機会はもうないのである(個別の演目に触れる機会はあったとしても)。
なのになんかすいすい読めて楽しいのは何故だ。目から鱗が落ちたような気分にもなるのが不思議だ。
作者が何故大江戸歌舞伎に惚れたのかを語ったあとがきまで面白かった(というか、必読のあとがきといってよいだろう)。今のでもいいから、歌舞伎が観たくなったなあ。
2006年02月23日
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