2006年04月08日

プロデューサーズ/ククーシュカ ラップランドの妖精

「プロデューサーズ」(スーザン・ストローマン監督)は、日本でリメイクするなら西田敏行と阿部サダヲという感じか(あとは藤井隆や小堺一機も出そうだ)。思ったより下世話で過剰だったのだが、まあそれはそれで演出の内、という感じであった。見始めはちょっと辟易するが、途中から納得が行く。でもプログラムを読むと、監督は「『雨に唄えば』みたいにしたい」と言ってたらしいが、それは違うと思うぞ。

ちなみにエンドロールの終わりの終わりまでサービスたっぷり、なので、なるべく最後まで粘ることをお勧めするが、その辺もたい焼きのしっぽにアンコが入っているのが嫌いな向きにはゲップが出るかも、と思った。面白いけど。

しかしユマ・サーマンはすごい。かなりすごかった。ハイヒールを履いて190cmである。監督いわく「その身長がどうしても必要だった」とのことだが、これについては諸手を挙げて賛成である。

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ロシア人、フィンランド人、そしてフィンランド北部のラップランドに住むサーミ人*という言葉の通じない三者のコミュニケーション/ディスコミュニケーションを描いた「ククーシュカ ラップランドの妖精」(アレクサンドル・ロゴシュキン監督)の可笑しさは、うまく説明できそうにないけど、みんな勝手なことをしゃべって勝手に解釈しているのに、ときどき通じ合って(生死の境でさえも!)、だんだんわかり合って行く様子がかなり面白い。身近な映画では「ダウン・バイ・ロウ」などがちょっと近いかな、と思ったが自信はない。大勢の人に観てもらいたい作品ではある。

絵造りの特徴として、かなり彩度が低いのはどうしてだろう、と思いながら観ていたが、解説によると「特定の部族のカラーが突出しすぎないように(中略)コダックのフィルムに特殊な低温処理を施して色彩の派手さを押さえ」たそうだ。

*ちなみに厳密にいうと、ラップランドはフィンランドという一国家だけに属するものではなく(フィンランドにラップランド州という州はあるが)、スカンジナヴィア半島からロシアのコラ半島にかけて広がるノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアをまたいだ地域で、サーミ人という民族も元々は現在のような国境にこだわらずその広大な地域をテリトリーとして生活を営んでいた民族だそうだ。現在はそれぞれの国に籍を置く形になっているし、都市部に移り住んだりもしているという。
posted by aokiosamublog at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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