2006年04月15日

寝ずの番

マキノ雅彦監督。新宿スカラ3にて。粋な人たちの野暮な粋さ、と、日本人的な葬送の妙な明るさについての映画と思った。

粋を知り尽くした人たちの春歌下ネタの下らなさ過ぎるが故の面白さはすごい面白くカラッと爽やかだ。一回りして肛門期に戻ったかのような下ネタの全編に亘る応酬はめちゃくちゃ楽しい(ちなみに私がここ数年の間に思いついて言わなかった下ネタは、「欲情するならタネをくれー!」と、「世界にひとつだけの魔羅/ひとりひとり違うカリを持つ」)。さらにちなみに、蛭子能収演じるただの素人の親戚の役は、粋人たちの下世話な粋さを際立たせるための薬味のような役割と思った。

大事な人が死んだすぐあとはなんだかわけがわからなくて悲しく混乱するのに、いつの間にか酒を過ごして陽気に笑っているという感覚には、すごく共感できた。今までに同じ年代の友人を四人、年上の友人を一人、肉親を二人亡くしているが、通夜の席や葬儀のあとの会食の席はだいたい妙に明るい。

そういった感じをさらっと、娯楽映画として成立させるために現実よりもちょっとだけ過剰に描いた手腕は、マキノ姓を継いだことを納得させる出来映えと思った。役者陣も皆素晴らしいが、木村佳乃と高岡早紀が最高。
posted by aokiosamublog at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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