2007年01月19日

新宿末広亭正月二之席

今日(1月19日)の高座では、なんといっても圓丈の「手紙無筆U.S.A」が印象に残った。「手紙無筆」は(ご存知の通り)字の読めない八五郎が兄貴に手紙を読んでもらうが、兄貴も実は字が読めないので読めるふりをしてめちゃくちゃな会話が展開される・・・というものだが、それを「英語が読めない」という設定に置き換えたもの。兄貴の「俺の英語はマシンガンイングリッシュだぞ。アメリカの山奥でビッグフットと三年間付き合って覚えたんだ」とか、手紙に「ニューヨークは今、ねぶた祭りの真っ最中です、と書いてある」、といったくだりが、めちゃくちゃくだらなくて可笑しい。よかった。

あとは馬風の漫談(他の落語家の悪口。「春風亭昇太はだめだありゃおかまだから」とか小朝のかみさんの泰葉の横顔が「歌丸に似ている」といった話が、何度か聴いているが、可笑しい)、近藤志げるの泣かせのアコーディオン漫談(野口雨情をネタに、客にも唄わせ、たっぷり泣かせる)、そのあとに出て来た川柳が「ガーコン」の途中で「近藤さんは暗い歌が好きだからねえ」と馬鹿にしながら野口雨情の歌を交えたのなどが印象に残った。

金馬の「紙入れ」も、名人芸といいたくなるほど重くはなく、なんというか落語らしい落語が聴けてよい。反対に小三治の「うどん屋」は、もともと「小さい声で喋る」というネタではあるが間の取り方も無音部分が緊張するほど多く、客に高度な集中力を要求する名人芸(といってよいでしょうか)。ようございました。

馬櫻の、題名不詳だが(三遊亭丈二作?)、東京に出て来たやくざが若い者を見つけることができず組事務所にアルバイトを雇う、という噺の、面接に来た女子高生と大阪やくざの会話(「じゃあ約束ね、指切りげんまん」「切れるかい」とか)も可笑しかったな。

こないだから題名不詳だった、居酒屋での客と大将の会話は、桂三枝作の「ぼやき酒屋」であることが判明。今日は柳家はん治が演ったのだが、今まで聴いた種平、小朝と感じが違ってまた面白かったし、題名わかってよかったー。

それと、つい最近も見物したばかりだが、うたじゆめじ(四十雀の巣、というやつ)や遊平かほり(亭主を罵倒し続ける)の漫才も好きである。小円歌姐さんの踊り(今年ゃなんだか)を観るのも今年二度めだが、やはり小股切れ上がっててよいなー。「見世物小屋」が聴けたのもうれしい。女芸人では、予定になかった柳貴家小雪が観られたのもラッキーでした。ピンクの番傘が鮮やか(そういや関係ないが、高田文夫が傘屋を泣かせて番傘をピンクに染めさせて、なにかのお祝いに林家ペーに贈った、という話を思い出した)。

志ん駒はいつも通りでやはり古典は聴けず(面白いけど。もう古典演らないのかな? 自分の任ではない、みたいなことも、いっていたような気がするが、まだちょっと期待したい)、花緑が疲れているみたいで、適当な漫談だったし、あまり面白くなかったのが心残りか。

なおちなみに、末広亭は、昼から大入り満員だった。客層もお年寄りがお多いのはもちろんだが若い人や勤め人風もちらほらいて、みんな暇なんだなー。日本は大丈夫か。

以下、演目まとめ

−昼の部(途中から)
古今亭円菊・・・・・(多分)宮戸川(最後だけ聴いた)
鈴々舎馬風・・・・・漫談
(中入り)
柳家権太楼・・・・・代書屋
入船亭扇橋・・・・・つる
大瀬うたじゆめじ・・漫才
五街道雲助・・・・・勘定板
柳家花緑・・・・・・漫談
三遊亭小円歌・・・・三味線漫談と踊り
三遊亭圓歌・・・・・中沢家の人々

−夜の部
柳亭市朗・・・・・・傘の断り
柳家ろべえ・・・・・鋳掛屋
林家正楽・・・・・・紙切り
入船亭扇遊・・・・・漫談(小咄)
古今亭志ん五・・・・真田小僧
三遊亭圓丈・・・・・手紙無筆U.S.A
大空遊平かほり・・・漫才
柳家はん治・・・・・ぼやき酒屋
鈴々舎馬桜・・・・・新作。題名不詳(「やくざのバイト」?)
三遊亭金馬・・・・・紙入れ
近藤志げる・・・・・アコーディオン漫談
桂南喬・・・・・・・漫談
川柳川柳・・・・・・ガーコン
(中入り)
壽獅子
春風亭一朝・・・・・七段目
古今亭志ん橋・・・・無精床
古今亭志ん駒・・・・漫談
柳貴家小雪・・・・・大神楽
柳家小三治・・・・・うどん屋
posted by aokiosamublog at 23:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 落語/演芸
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