朝一番、10時ちょっと過ぎに相国寺に着いたが、すでに入場70分待ち。一瞬帰ろうかと思ったが、我慢強く並ぶ。偉いなあ俺(当たり前か)。場内も自分のペースでは決して鑑賞できない混み具合だったが、その分、全部の作品を一定のゆったりしたペースで観ることができたのはよかった。
で、第一展示室ー
・「厖児戯帚図」「竹虎図」の毛の描写
・「牡丹百合図」に描き込まれた虫(虻?、蝸牛、蜘蛛と蜘蛛の巣)
・「鯉図」の墨だけで表現する魚体の生々しさ
・「松鶴図襖絵」の鶴のドロップシャドウ風の輪郭の描き方
・「動植綵絵」以外にも見られる穴
第二展示室の「釈迦三尊像」と「動植綵絵」―
・生々しさと幻想の混ざり合い具合
・ちょっとした笑いの要素の塩梅
・老松は四作品(「老松白凰図」「老松孔雀図」「老松鸚鵡図」「老松白鶏図」)とも描き方が同じ(パターン化している)
・二作品(「老松白凰図」「老松白鶏図」)だけ太陽が描き込まれていて、いずれも右上端に1/4だけ描かれている
・蛸と(鯛)のなんだかよくわからない白いやつ(魚、貝、虫の全種類が記載された資料でも無視されている)以外の魚は、タツノオトシゴまで、みんな左向き
・雄鶏はみんな羽が抜けている。また白凰も
・「梅花群鶴図」の一番左の鶴の目、鶴ってあんな目するの?
・釈迦の右側の侍者のサンダルがかっこいい
というような、どうでもいいことをたくさん考えた。面白かった。無理してもう一度観に来てよかった。
「竹虎図」と「立鶴図」の手ぬぐい買う。
−−−
新京極までぶらぶら歩いて戻って(途中三月書房で、なぜか「フランク・ザッパ自伝」とか諸星大二郎の「私家版鳥類図譜」「私家版魚類図譜」など、一抱え本を買った)、スタンドで休憩したのち、京阪電車で深草。石峰寺(写真左)を訪ねる。
五百羅漢は、倒されたのは元通りの位置に戻されたそうだが、割られたものは修復待ちでそのまま。痛々しい。あとでお墓の草むしりをしているご婦人に話を伺ったところ、犯人は皆目わからないが、筍の季節など裏の山側から子供が侵入することもあるそうなので、斜面に立つ石像をうっかり倒したらドミノ倒し式に・・・という可能性もあるかも、とのことだった。しかし、夜中でも誰でもどこからでも入れる寺なので、真相は多分わからないだろうと。
で、500体の石仏は、「釈迦誕生」から「托鉢修行」「説法場」「涅槃」「賽の河原」(写真右)などテーマごとに何体かずつまとめられていて、それが寺の裏山に一大パノラマを築いている。写真では見ていたが、これは実際に訪れないと、この妙な空間はわからない。石仏にはなぜかあまり興味を持たないのだが、この五百羅漢は山全体として深く印象に残る物件だった。
−−−
前回の京都に引き続き、「蛸長」で呑む。常連のお客と話してたら、「ここの大将は結構変なもの作る」と教えてもらい、アボガドやフランス産ソバージュアスパラのおでんを出してもらう。アボガドが意外にうまい。不思議だ。
その後もう一件くらい呑もうと思って先斗町ぶらぶらしてたら、「Hello Dolly」というジャズクラブでライブが始まるところだったので入ってみる。ピアノトリオ+トランペットのコンボでスタンダード中心のステージだったが、ドラムのプレイがすごく好みでよかった。木辻ヤスヲという人で、普段は建築の仕事をされているそうだ。
なんだか感極まって、休憩のときにドラムの人を抱きしめたりして、その後加茂川沿いをふらふら歩いているところでフェードアウト。河原でちょっと寝てしまったらしいが、帽子なくしたくらいで無事ホテル着。命をなくさなくてよかった。この日の朝、木屋町通りでチンピラ同士?の流血沙汰を目撃したので、笑い事ではないな。
2007年06月01日
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