2007年08月09日

ど根性ガエル

東北旅行からの帰りに休憩した那須高原サービスエリアで、カエルが踏みつぶされるのを目撃してしまった。休憩所の椅子に座って珈琲を飲んでいたら視界の端でなにかがピョコリと動き、それが体長1cm程度の、鮮やかな緑色をした小さいカエルだとわかったときに、嫌な予感はしたのである。カエルは、休憩所の入り口のほうから飲み物の自動販売機の前までピョコリピョコリとやって来ると、とつぜんピクリとも動かなくなってしまったのだ。

そこにサンダル履きの少年が勢いよく歩いて来て、声をかける間もなく、カエルは踏んづけられてしまった。いや、正直にいおう、少年に「カエルがいるよ」と注意するタイミングは、ぎりぎりあったかもしれない。が、なんといっても野生のカエルだ、すんでのところで危険を察知してサンダルの底が空から降って来るのをピョコリと避けることは可能だろう、いや避けるところをぜひ見てみたいと一瞬考えたのは、偽らざる事実である。

しかし私のその一瞬の躊躇のために、カエルは真っ平らになってしまった。私は後悔するべきだろうか、するべきとすればそれはどんな後悔だろうか、それともなにかの予兆と捉えるべきだろうか。

といったような逡巡をしてみようかと思った矢先、真っ平らのカエルはとつぜんプクンと膨らんだ。魔法を見ているようだった。そしてカエルは、身体の各部に異常がないかどうか確かめるようにその場で二三度ピョコリと飛び、そのまままた休憩所の入り口のほうに去って行った。現場の床には、なんの痕跡も残されはしなかった。
posted by aokiosamublog at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 小ネタ/思考/日記
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