2008年07月21日

THE GHOST STORY 〜 影が、ゆく 〜

下北沢ザ・スズナリにて。作・演出:大西一郎。大西一郎が主宰するネオゼネレイター・プロジェクトのプロデュース作品。

http://www.neogene-pro.org/先日観劇した劇団S.W.A.T!「Last Sceneはさりげなく」に引き続き、イタチョコ浄瑠璃の看板女優高村圭が出演するので見物に行った。

ミステリー作家が、次作の執筆のために山の森の中の屋敷を借りる。そこには幽霊が出るという話があり、作家もそれを知りながら借りたわけだが、案の定幽霊が出る。

幽霊が語るその家と集落にまつわる(80年前の)物語に、作家が執筆中のミステリー小説の物語と、現在のその家に集う人々(編集者、不動産屋、宅配ピザの配達員、警官、霊能力者)が交差して行く。最後には、80年前にあった事件にひとつの決着が着いて、幕。

ミニマムな大道具の中で、ちょっとした照明や小道具の工夫や、役者の出入りの仕掛けだけで各場面の背景を切り替え、そして3つの異なる物語を交差させる演出が、澱みなく効果的だったのが印象に残る。

あと、高村圭の演じていた「80年前」と「小説の物語」の一人二役が、話の進行に伴いひとつの像に重なって行くところも面白かった。その焦点が合って行く緊張感が、観客をこの芝居へ集中させる大きな力になっていたと思う。

物語や(ラストシーンの屋台崩しも含む)演出的・大道具的な仕掛け、そして役者それぞれの力もあって、2時間半近い長尺の芝居ながら、最後まで集中力が途切れるということはなく、楽しめた。

元々3時間半から4時間くらいあった台本を刈り込んだということだが、物語や演出、役者の力を信じて、もっと笑いの部分やサブ・ストーリーを整理して殺ぎ落として、もっと上演時間を短くしてもよかったかもしれない。そうして、3つの物語の関連性や結末に向けた道筋をわかりやすくしたほうが、決着部分の感動が大きかったように思う。一観客としては、2時間半の幽霊譚かつラブ・ストーリーを観たならではの重たい疲労感が、もう少し欲しかったかなー。

役者陣では、高村圭のほか、小説の作中人物(探偵)として宝塚の男役のようなキャラクターが面白かった白樺真澄と、不動産屋の女役の笹野鈴々音がとりわけ印象的だった。

なお、次回作は10/1〜5、下北沢「劇」小劇場にて「DESERT MOON〜砂の海であなたと〜」。「90分一本勝負のハードSFホラー」との由。
posted by aokiosamublog at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌舞伎/演劇
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