2008年12月17日

殺しのはらわた

篠崎誠監督作品(2006年。30分)。吉祥寺バウスシアターにて。絶対的な悪を地上から抹殺するための暗殺集団に暗殺が依頼された最後の標的は、その組織のボスだった。という話を軸に、殺し屋と殺し屋がお互いに殺しまくるという映画。

これを書いてしまっても映画の興を殺がないと思うが、登場人物は全員死ぬ。もう、冒頭の5分くらい(体感)の長回しで、正の字で数えてたら20人くらいが死んでた(画面に映ってない人も含む)。(確か)死にはしていないが、手や足をバッサリ切られたり、吹き矢が刺さったりなどもある。

それから12年後、件の依頼があって暗殺組織のアジトが吹っ飛んだのを合図に、殺し屋と殺し屋でない人々が次々に―なんというか、スピード感溢れる死に方で―死んで行き、最後の勝負の××爆弾の××と××の吹っ飛び具合で爆笑した(この辺伏せ字)。クライマックスで疾走する嶋田久作が、ほんとカッコよい。

が、暗い映画館で観ていると、そのうち自分の頭が吹っ飛ばされそうな気がして来てくらくらする作品であった(映画を観ている最中、意味もなく周囲を窺ったり頭を低くしたくなる)。

殺し屋対殺し屋という話の軸を、道草を食わずだーっとストレートに辿って行くという点で、低脂肪・低カロリーの「殺しの烙印」というのが途中までの印象だったが、結局その分、頭をがつんと殴られたような衝撃はかなりのもので、長く残った。

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本日併映は、すべて篠崎誠監督の短編作品で、まず「留守番ビデオ」のリメイク(2004年)とオリジナル(1989年)。多分セキュリティの強化という意味合いがあるのだろう、留守中に訪れた人の姿とメッセージを録画する留守番ビデオという装置が、実は実にいやな恐怖を与えてしまう装置であった、という。ああいやだ。同じ話を違う役者と違う絵で二回続けて観た所為もあり、家に帰ってからドアの鍵を開けるのがものすごい嫌になった。中に入ってから、風呂場やお手洗いも含め、すべての部屋の電気をすぐにつけて見回ったのはいうまでもない。

#蛇足だが、途中に出て来る新興宗教の男(赤坂君)の場面が、何年か前に不詳私めが脚本・主演でうっかり(割と正規なルートで)流出させてしまった「すべての女の子はジュリエットという名前である」(もちろん某巨匠のパクリ)という短編の一部分と、偶然にも似てたので笑った。

あとは、青木富夫が素晴らしい「突貫ジジイ 第5話 ある実験」(2003年。5分)、篠崎監督がインタビューするイラン映画の巨匠(モフセン・マフマルバフ)がまさかあんなことを!の「映画とはなにか?」(1997年。2分)に爆笑。

「子供の時間」(2006年。15分)も、観ている途中は複雑な気持ちだったが、画面に登場する母と子ふたり(子供ふたりが雪遊びをしているが、母親が長男を雪の野っ原に置き去りにする。長男はどこまで行っても柵に阻まれて抜け出せない)が篠崎監督のご家族だと最後に知り、それはそれで爆笑した(この作品でも、冒頭とラストの青木富夫―表情のアップ―が素晴らしい)。

いや、爆笑してばかりでいいんでしょうか。とにかく、いい作品群でした。切符買ってたのを、今朝思い出してよかった。

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「殺しのはらわた」は、あと二日しか公開されないが、できれば見逃したくない作品である。

詳細は↓にて。「留守番ビデオ」のリメイクは毎日上映。その他は日替わり(19日はゲスト:山根貞男のトークショー)。
http://www.boid-s.com/
posted by aokiosamublog at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画
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