渋谷・公園通りクラシックスにて。メンバーは田中信正(p)、水谷浩章(b)、芳垣安洋(ds)、そして酒井俊が歌。なんだか神懸かったような田中信正のピアノ。それに組んず解れつする水谷浩章と芳垣安洋は、ベースとドラムだからといって“リズム隊”というような演奏ではなく(そういう場面ももちろんあるが)、ピアノと同じように唄っていて、この三人の演奏はなんだか次元のひとつ違う凄まじい遊戯のようだった。
そのピアノトリオの遊戯に、酒井俊の歌が乗る。それはいわゆる“歌と伴奏”ではなくて、楽器も歌も渾然一体となって、歌という音楽ジャンルの可能性を探し求めているように思った。
曲目は前回観たMANDA-LA2でのライブとかなり同じながら、編成が違う(前回はドラム/サックス等、ギター/バンジョー、チューバ、バイオリン)という以上に異なるアプローチで、同じ楽曲をばらして再構築している(それも徹底的に)ようなところにも、そういう姿勢を感じる。
それにしても、私などの耳の分解能?では一体なにを演っているのかわからない場面も多いのに、じっと眺めて聴いていると泣きそうになってくるのは(特に03、06、07、11、曲名はわからぬがカリプソ風の13、および15がそうだった)、やはりその演奏が“歌”だからだろうか。間違った理解かもしれないが、今日のところはそう考えて納得しておきたい。
こういう音楽/歌が、身近なところで演奏されているというのは、実に幸福だと思う。
以下セットリスト。
01 Shenandoah
02 My Wild Irish Rose
03 Yes! We Have No Bananas
04 四丁目の犬
05 ヨイトマケの唄
06 黒の舟唄
07 Alabama Song
08 I Shall Be Released
(休憩)
09 Just Like a Woman
10 I Am You
11 Kaukurenbo-No Sora
12 My Coloring Book
13 Takes Two to Tango
14 At Last, I'm Free
15 Amazing Grace
16 Hallelujah
enc
17 満月の夕べ
2009年02月26日
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