2009年02月27日

TANAKANDA

関内Jazz Isにて。田中信正(p)と神田佳子(per)。田中は自らのリーダートリオKARTELLのほか森山威男カルテットや(この前日に観た)酒井俊ユニットで活躍する気鋭のジャズピアニスト。神田は一柳彗や高橋悠治などの作品の初演などでも知られる現代音楽畑の打楽器奏者で、作曲家としても国内外で知られる存在との由。

で、音楽的幼馴染みであり、聞くところによると、共に4歳から習い始めたエレクトーンの先生が同じ人で、それ以来の縁だという(これは会場での立ち話が耳に入った情報で、直接聞いたわけではない)。

パーカッションの楽器編成は、01/05/07/09/11がコンガ、ボンゴ、ジャンベ中心、02が大小の木魚を使用、06がバスタムの上に置いたスリットドラム(中空の木箱にスリットが入ってちょっと音の高低が出せる打楽器)、そして03/04/10がマリンバ。ほかに、大小の金属製の壷を逆さに吊るしたような楽器(楽器名不明)や、足に巻き付ける鈴などの様々な小物も使用。(多分)8"、10"、14"、20"チャイナのシンバル群がとても美しい音色だったのだが、あとで伺ったところによると「いや、普通のジルジャン」とのことだった。なんだろう、マレットの選択がよかったのか、それとも鳴らし方になにか秘密があるのか。

そうしたパーカッション群とピアノのアンサンブル、と、一言で言えばそういう次第だが、聴き馴染みのある曲もオリジナルも、まず第一印象はめまぐるしい変拍子と超絶技巧で、ヴィルトゥオーゾ、という言葉が結構ぴったり来るが、徒に技巧のみに向かい走っているという疑念は感じない。2ndアルバムにも入っている02、05、07、09(そしてアンコールの11)といった馴染みやすい楽曲が多いことも示す通り、いい気分で身体が動いてくるような音楽的な「なにか」を出来る限り残した上で、演奏家としての腕前を思う存分発揮しているという感じだろうか。

ちょっと自信のない見解だが、田中が広げたいだけ風呂敷を広げる一方で、神田が一緒に暴れながらしかし折り目をきちんと付けて行くような、飛躍と着地のバランスがとてもスリリングで興奮させられる。あるいは一見無秩序なポリリズムから、ピアノとマリンバが地の底からユニゾンで這い上がって来るようなアンサンブル(たとえばハチャトリアンを彷彿とさせる10)にも、強い快感を感じさせられた。

ポリリズムといえば、04の曲名は「音がずれる」ということだそうだが、複雑に絡み合うポリリズムの中、ときどきピアノとマリンバが同じ音程で触れ合うところなども、計算され尽くした結果かどうかは知らないが、とても印象に残っている。

09、11など、まずファンキーなリズムを基調としてその上で技巧や展開・構成の妙が発揮されるアプローチも、ライブ全体の色彩の豊かさにつながっていたと思う。

そのほうが却ってわかりやすいかもしれないので、心なくうまくまとめると、卓越した技巧による音楽的ジェットコースターの快感と、ジャズやクラシックが培った音楽的豊穣の両方を存分に味わえる、というような言い方になるか。その上で、音楽が本当に好きな人たち(実はプロの中にも少ないのではないかと、思うこともないではない)がそんなことを実に若々しい魅力を振りまきながらやっている、と思ってもらうと、この二人の演奏を聴く楽しさが伝わるかもしれない(かな?)。

仕事もそこそこに、関内まで出掛けてよかった。

4月には、荻窪でタンゴのヴァイオリニストを加えたライブがあるとの由。これも今のところ、聴きにいく予定↓
http://yozakura.shop-pro.jp/?pid=11859057


#TANAKANDA
http://www.bon-kan.com/bkmw0101.htm
http://www.bon-kan.com/bkmw0103.htm

01 VAMP
02 ライムライト
03 PとMのボレロ
04 おとずれ
05 アイ・ガット・リズム
(休憩)
06 Woody Voice
07 スカボロ・フェア
08 ひつじのおどり
09 サニー
10 クロちゃん?
enc
11 Take the "A" Train
posted by aokiosamublog at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(ライブ)
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