2009年07月11日

うめ吉上洛

7/11、京都北山MOJO WESTにて。せっかくの京都公演なので、うめ吉フリークの岸和田の西桐画伯を誘ったら、水戸は大工町のS枝姐さんまで粋な着物姿でいらしてびっくり。

で、まず昼の部は、桂雀五郎(米朝→枝雀→雀三郎の弟子)の落語とジョイント。

といっても、なにかを一緒に演るというわけではなく、雀五郎が「柳陰」を演ってからうめ吉登場、という構成。

梅雨が明けたかのようなからりと晴れたこの日に「柳陰」は耳の毒だったなー。なので、昼の部が終わった後、夜の部までの間に(柳陰を出す店などもちろん近場にないので、日本酒を)少しきこしめる。雀五郎の噺には、それくらいの影響力はあった。もちろん江戸前の「青菜」として何度も聴いているわけだが、上方落語で聴くとまた味わいが違って面白かったな。「あんけらそ」とか。

さて雀五郎30分ののち、昼の部のうめ吉は、寄席の拡大版のようなステージで、踊りと俗曲など。

登場してまずは「奴さん」をひと舞い。うーん、可愛い。というか、うめ吉の微妙な小ささも影響して、ちょっとこの世のものでないような美しささえ感じる。いや、この時点でもういい心持ちになっているので、少し割り引いて読んでもらっても構わないが。

続いて三味線抱えて「品川甚句」「裏の背戸屋」。それから落語芸術協会に所属しているが、渡米のビザ取得の際歌丸(落語芸術協会会長)の一筆がなんの役にも立たなかった、というお馴染みのエピソードから出囃子シリーズで「大漁節」(歌丸)、「金比羅舟舟」(米丸)。続いてお馴染み「大工さん」と、三階節のあんこ入りの都々逸に字余り都々逸。

最後にこれも可愛い(唄自体も可愛い)「なすとかぼちゃ」を踊って幕。

どこにいるのかを忘れていればいつもの寄席風景だが、ふと我に返れば京都の洛北の真っ昼間という不思議な感じもあり、しかも(これは偶然だが)水戸のきれい所のお酌付き。奇妙な面白さを味わえた午後であった。

さて夜の部は、ジャズ・トロンボーンニストのTommy(主に関西圏で活動)とのデュオで昭和歌謡。カラオケをバックに、三味線抱えたうめ吉が唄い、Tommyがオブリガードやソロを乗せる、というスタイル。これだったら、もちろんうめ吉ひとりでも持つだろうし、どうせジャズの人が入るのだったらもう少しなにか工夫があってもとは思ったが、難しいことを考えなければただただ楽しいステージではあった。

ちなみにお客の何割かは東京から来ているようで、客席はまあまあ埋まっていたが、それでは企画としてちょっとしょうがない気もした。が、(多分)地元の方らしいご老人四人組が実にいい顔をして聴いていたし、多少の種を撒いたことにはなったのかもしれない。そうだったのならよいなと思う。せっかくの初上洛とのことだしね。

夜の部の曲目は、下記のとおり。

01 トンコ節
02 芸者ワルツ
03 野球拳
04 お富さん
05 お座敷ロック
06 山中節
(休憩)
07 蘇州夜曲(Tommyのソロ)
08 三味線ブギウギ
09 買物ブギ
10 夏の思い出
11 アイドルを探せ(フランス語!)
12 お祭りマンボ
13 東京音頭
enc
14 ソーラン節

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ちなみにこの日は、北山に向かう途中、京都国際マンガミュージアムで「妖怪天国ニッポン −絵巻からマンガまで−」を見物。これもなかなかだったのだが(「件の剥製」と「人魚のミイラ」も展示!)、これについて詳しくはまたのちほど。

京都国際マンガミュージアムは、いろいろ考えられてて、かなりよい。この特別展をやっている間など、京都以外の地方から訪れて丸一日遊んでも損はしないだろう。

1800億(だっけ)など使ってどうこうしようと考える前に、ここを視察して運営内容を一日でも勉強すればよいと思うが、もちろん誰かしらがそうした上での1800億なんだろうなあ。実にバカだと思った。
posted by aokiosamublog at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(ライブ)
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