7/26、西荻窪アケタの店にて。青木タイセイ(tb, b, fl, 鍵盤ハーモニカ, loop, p)、鈴木徹大(ガットギター=gg, フルアコ=fa)。01 愛の歌(fl / gg)
02 ジゴロのバラード(fl / gg)
03 Let's Cool One(tb, b, loop / fa)
04 Só Danço Samba(fl, p / gg)
05 Favela(fl, b / gg)
06 Monk's Mood(tb / fa)
07 Rythm-A-Ning(b, loop, tb / fa)
08 Travessia(tb / gg)
(休憩)
09 海賊ジョニー(tb / fa)
10 Little Rootie Tootie(tb, b / fa)
11 224TAMA(鍵盤ハーモニカ / fa)
12 Monk's Dream(tb / fa)
13 Moritat(b / gg)
14 One Note Samba(tb, b / fa)
enc
15 Indigo May(tb / fa)
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一言でいえば、上記の編成、また青木タイセイの多楽器演奏で、モンク、クルト・ワイル、ジョビンの曲、および青木タイセイのオリジナルを演る、というユニットとの由。
先日、青木タイセイ・ソロを聴いたときは、その多楽器使いの妙技に驚いたのだが、この日の演奏は、ギターとのデュオということもあってか、バランスとしては、トロンボーン、フルート、ベースなどの青木タイセイ独特の音色や語り口を楽しんで味わいつつ、割と耳に馴染みのあるようなジャズのセッションを聴いた、という後味の演奏が多かったと思う。
と思ったのは、主にモンクの曲でだが、そういうセッションでの鈴木徹大のギターの、若々しいが程よく枯れた音色で、無駄に饒舌でなく、というかなんというか、とにかく確実にいい感じにコードを置きつつスイングする演奏に感じ入った。
と思いきや、10ではちょっと面白いディレイ?の使い方で驚かせられ、またジャズをプリミティブにしたようなR&BやR&Rを弾いても面白い人かもと思わせられ、これはこの曲としては多分初めて聴くロック!な14のギターで、ついにファンになる。
楽曲的に、とりわけ印象に残ったのは今述べた14と、コード展開が面白かった13。13の「Moritat」は、大体の場合メジャーキーのIから始まるが、今日のこれは(テンションの詳細は記録できなかったが)Am - D - Bb - F / Am - G - Bb - F、という感じで、すごく切ない味わいの「Moritat」であった(あとで伺ったが、4月の「三文オペラ」公演での内橋和久によるコードアレンジとの由)。
11、15の2曲は、いずれも青木タイセイオリジナルで、特に11は「primero」所収の楽曲を想起させる響きと旋律が楽しめた。よかった。15はスタンダードだといわれても納得するような、切なくて音楽的滋味に溢れた佳曲。これも素晴らしい。
この日初めて譜面を渡したという曲がほとんだったようで、聴いている側としては、曲ごとに「各々が、その曲に触れたり親しんできた時間の厚みの違い」のようなものを感じはした。その辺でちょっと、スリリングな場面もあった。
それはそれでセッション的な面白さを楽しめるのだけれども、そういったところがもう少し均されてきて、さらにオリジナルの割合がもう少し増えて、せっかくなのでループ使いがもっとこのデュオの中で熟成されてくると、個人的には嬉しいかな。
あ、あと、04でのとつぜんのピアノ(ギターソロにベースラインを付けたのをきっかけに、続いて主旋律も少し弾いた)がいい感じだったので、これも正式な要素として加わると嬉しい。しばらくこのデュオを続けるということなので、また次の機会を楽しみに待ちたい。
2009年07月26日
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