浅草演芸ホールにて。中日の翌日の、ちょうど折り返しを見物。入場したらちょうど魔女軍団4人が舞台上にいたので、その華やかさにちょっと喜ぶ。
で、席を探すが場内は満席で、しかし立ち見はそんなにぎちぎちではないので、下手側通路に腰を下ろして見物。
米丸は、この日がちょうど85歳のお誕生日だそうだが、益々お達者。お歳を召したならではのボケ味が、鮮やかというのも変だが鮮やかだった。
同じ味わいは、米助の「猫金」にも感じた。ほかの演者で何度も聴いている噺なのに、米助独特のバカバカしい感じに、ついつり込まれて、脱力しながら結構笑う。
小遊三は普通に(というのも乱暴な評だが)面白かったし、東京ボーイズやボンボンブラザースの芸の、自分たちの笑いに必要以外のものを削ぎ落としたシャープさも相変わらず(ボンボンブラザースはいつもより長めだったように思う)だった。堪能した。東京ボーイズは、相変わらずチューニングが悪いけど。
という中で聴く圓楽は、残念ながら六代目云々は別にして、いかにも弱い。元々五代目圓楽の芸は嫌いだったし、あの(まあ私にとっては)変な特徴を継がなくてよいとは思うが、名前以前に噺家として、ぐっときたり引っ掛かったりするところがないんだよなあ。TVで見せる腹黒いキャラクターは、高座ではあまり見せないようだが(以前にもそう感じたな)、もちろんそれにこだわる必要はないけれど、なにかこちらを引っ掛ける要素が欲しいと思う。
現在のところ、やはり噺と聴き手の間になにか隔たりがあるように感じる。それを取り払う「何か」があれば、それが「圓楽」という名前のイメージにそぐわなくても、いいのではないかと思う。私個人の好みではあるが、「圓楽」のイメージを追うよりは(まあ現在も追っているようには見えないが)、一噺家として自分なりのその「何か」を見せてくれることに期待したい、と思った。
以下、この日の演目
北見伸&ステファニー・奇術
桂米丸・・・・・・・・空き缶の由来
(仲入り)
(上手から)桂米助、三遊亭小遊三、三笑亭夢之助、六代目三遊亭圓楽、三遊亭圓橘、桂米丸
・・・・・・・・・・・口上
東京ボーイズ・・・・・歌謡漫談
桂米助・・・・・・・・猫と金魚
三遊亭小遊三・・・・・寄合酒
ボンボンブラザース・・曲芸
三遊亭圓楽・・・・・・舟徳
2010年04月06日
楽太郎改メ六代目三遊亭圓楽襲名披露興行
posted by aokiosamublog at 23:00| 落語/演芸