2012年02月04日

MIZTI、吉本裕美子+山下衛デュオ、ほか

阿佐ヶ谷Yellow Visionにて。

MIZTI:こたにまゆみ(voice)、國仲勝男(6弦)
吉本裕美子(g)、山下衛(dr)
中尾果(キルギスのコムズ)のほか、鍵盤奏者、ギター奏者が飛び入り最初は吉本裕美子+山下衛デュオ。最初のうち、渦が巻きそうで巻かない、爆発しそうで爆発しない、ちょっともどかしい感じを感じた。出方を探り探りだったり、ドラムの煽りにギターが呼応しないように思えたり。山下衛のドラムが、饒舌で多彩な音々でもって会話を仕掛けることで渦を生じさせようとする印象があったのに対し、吉本裕美子の演奏には真正面からそれに応えることより受け流したり敢えて聴こえないふりをしたり、という感じの印象が強かった。

もっともそういう、最初のうちは出方を探り探りでなかなかガチっとはまらないような感じは、完全即興ならあって不思議ではないことで、聴き手としてはさてどうなって行くのかな、という期待を楽しんだ(どうなって行くのかな、という期待、が生じない即興演奏もないではない)。

1セッションめの後半と、2セッションめには、渦の萌芽を感じ、少し身体が動いた。ただし、最後の飛び入りも交えた全員セッションの際の演奏を考えると、ギターの吉本裕美子は自ら渦を作り出したり共演者と火花を散らすタイプではなく、渦の中に少し離れた場所から別の色や光を混ぜて行くタイプの演奏者かもしれない、とも思った。飛び入り交えてからの2セッションめ(國仲勝男+吉本裕美子+中尾果+ギター奏者+山下衛)での逆回転エフェクト?を使った切り込み方はとても面白かった。

MIZTIは、沖縄民謡やロックとジャズのスタンダード中心の構成で、ベーシストとして名高い國仲勝男の、ベースとギターが混ざったような楽器と演奏が印象的だった。が、最初のうちはポイントがよくわからなかった。4曲目だったか5曲めだったか辺りで、國仲勝男が山下衛を舞台に呼び上げ(その場で突然の申し出だったらしい)、山下衛のドラムが國仲勝男に火を着けたところから、MIZTIの音楽に対してぐっと視界が開けたような気がした(ただし、こたにまゆみの歌については、帰宅後ときどき考えたりもしたが、未だにわかっていない)。

國仲勝男という人の演奏を間近に聴いたのは始めてだが、相当に自由な場を創ろうということに尽くされる人とお見受けした。MIZTIのあと、これもその場で「第3部をやる」と宣言して共演者と客席にいた音楽家を舞台に上げ、國仲勝男+吉本裕美子+鍵盤奏者+山下衛という編成で自由即興を繰り広げたのだが、他の演奏者の出す音々をときにベーシスト的な立場でまとめながら、遊んだり壊したりしつつ、ひとつの音楽に創り上げていく。もちろん他の共演者が出鱈目を演っていたというわけではないが、その瞬間瞬間に必要な音を國仲勝男が的確に(しかしさりげなく)紡いでいくことで、結果的にひとつの“自由を感じさせる音楽”としてまとまったという印象は、一晩経った今も強くある。

ちなみに「相当に自由な場を創ろうということに尽くされる人とお見受けした」というのは、誰にでも共演の門戸を開こうという姿勢と、その結果の演奏を“自由を感じさせる音楽”にまとめようという姿勢を、筆者が感じたということを指す。

で、その後やはり客席にいたギター奏者とコムズの中尾果が飛び入りし(鍵盤奏者は不参加)、せっかくだからと中尾果のコムズのソロがあり、最後に國仲勝男と中尾果のデュオで〆。

何が起こってどう進むかわからない、奇妙だがとても楽しい夜だった。

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せっかく中央線沿いに出たので、高円寺のバー鳥渡に寄って、終電を逃し、ひら石でラーメン啜ってから帰宅。
posted by aokiosamublog at 23:00| 音楽(ライブ)