2013年04月04日

浅草演芸ホール四月上席前半昼

(Facebook「落語総見」グループと同内容 https://www.facebook.com/groups/rakugo99/

浅草演芸ホール四月上席前半昼午後1時過ぎ、柳好『都々逸親子』のマクラが終わって本編に入るくらいに入場。場内満員で、二階席も開いていた。

で、席を探したり通路側の人に道を開けてもらったりと、慌ただしく聴き始めたが(隣の人にもすみません)、金坊が「おっかさんに教わった」とひねる「俺とおまえは玉子の中身俺が白身で黄身(君)を抱く」の辺りですぐに耳にスイッチが入った。その後の頓珍漢な都々逸の応酬も、どかんどかんと爆笑が起きる感じではなかったが、気持ちよく笑う。

続くマジックジェミーの客いじりもうまく、ちょうど客席がいい具合に温まった頃に入場したようだ。それはそれでついているけれど、前座から聴いてたらもっとこの温まって行く感じを楽しめたなあ、と、寝坊したこともあり、少し後悔(ちなみにマジックジェミーの高座の終わり近くにちょっと長い地震が起き、客席がどよめいた)。

それはまああれとして、この日のお目当てはトリの昇太だったが、トリに至る過程で高座にかかった柳之助『転失気』、鯉昇『長屋の花見』、小柳枝『時そば』などお馴染みの古典が、普段寄席で耳にしているようなものよりも少うしゆったりと、丁寧に演じられていたのが嬉しかった。柳之助『転失気』などは、話の筋は聴き慣れたものと同じなのに、新鮮味すら感じた。

鯉昇『長屋の花見』は、折り詰めの中身がかまぼこ/卵焼き、ではなく、刺身(目刺)/松茸ご飯(松の木で炊いたご飯)/ニコフ(麩をふたつ串に刺して焼いたもの)、という変わり種?で、“台所にあったものを適当にブレンドして作った”ウィスキーをネタにしたサゲ。『長屋の花見』にはいくつかこうしたヴァリエーションがあると思うが、その系譜のようなものは不勉強にして知らず。ご存知の方がいらしたら、ご教示いただければ幸いです。

トリの昇太『花筏』は、最近お馴染みのマクラの加山雄三『ゆうゆう散歩』ネタが何度聴いても爆笑もので、本編も提灯屋の情けないキャラクターが実に鮮やかで死ぬほど笑った。気になるトリのときは、少なくとも今回のように前半だけという場合なら毎日通えるくらいな身分になりたいなあと思った。

その他、印象に残った点としては−

・ナイツの漫才は主にお馴染みの野球ネタで、「あんなに多額の年俸が入るんだったら、そろそろダルビッシュ(株)にしたほうが……」というのに笑う。あと松井の説明をしようとして、周囲の情報ばかり掘り下げていくパターンとか、土屋伸之の「自分が雑学に強い」と話を変えたのを受けて出題されるクイズの回答の選択肢が結局巨人の打順になっているとか。しかしナイツのときだけ異様に客の数が増えるのは、なにやら不気味な感じがしないでもない。

・仲入り後、食い付きの宮治『棒鱈』、ざわつく客席をねじ伏せるかのような力技が見事。

・東京ボーイズは、菅六郎が『また君に恋している』を普通に1コーラス歌ったのが、なんか可笑しかった。

・ボンボンブラザース、この日は鏡味繁二郎がひとつも失敗を見せずパーフェクト(!)。それはそれで、大変格好よかった。

以下、この日の演目。

春風亭柳好・・・・・都々逸親子
マジックジェミー・・奇術
春風亭柳之助・・・・転失気
瀧川鯉昇・・・・・・長屋の花見
ナイツ・・・・・・・漫才
桂米丸・・・・・・・漫談
(仲入り)
桂宮治・・・・・・・棒鱈
東京ボーイズ・・・・ボーイズ
三遊亭遊雀・・・・・悋気の独楽
春風亭小柳枝・・・・時そば
ボンボンブラザース・太神楽
春風亭昇太・・・・・花筏

なお春風亭昇太が昼のトリの上席前半は残念ながら今日で終わりで、後半は昼が春風亭小柳枝、夜が桂伸治がトリ、番組としても個人的には大変興味のある顔ぶれ。
posted by aokiosamublog at 23:00| 落語/演芸