2014年08月18日

柳家さん生独演会

高円寺ちんとんしゃんにて。8月18日、柳家さん生独演会(高円寺ちんとんしゃん)にて、『落語版・笑の大学』(三谷幸喜原作)を聴く機会を得た。

初演が1999年だというのに、恥ずかしながら初体験。会場のご厚意でたまたま事前に今日の会の演目を知ることができ、やっとチャンス到来と出かけた次第。

ごく短いマクラからすっと噺の舞台である検閲取調室に入るところ、検閲官と喜劇作家の丁々発止のやり取りが笑いの渦を巻いていくところ(そしてその中にふっと力の抜けた笑いも差し挟まれるところ)、そこから検閲官の宣告によって一気にその場が凍り付いたかと思いきや、しかしその直後にふたりの暖かい心の交流が生まれるところなどなどの鮮やかさ、起伏の激しさに気持ちをもみくちゃにされた。

噺の流れの中に検閲官と作家の人物が、説明は多くないのにそれぞれの来し方も含めて鮮やかに浮かび上がってくる様(脚本自体のよさを活かしたと思われる演出)も見事。舞台劇の脚本をもとにした落語ながら、ごくごく落語らしい、そして素晴らしい人情噺として、とても深い感銘を受けた。

なお本日の開口一番、台所鬼〆『たがや』も、東京の主な花火大会は終わってしまったもののなお毎日暑い中、実に夏を感じさせる小気味のよい『たがや』だった。ああ、よい会だった。

高円寺ちんとんしゃんの落語会は、まず店自体が落語ととても馴染む空気なのがよいし、一番遠い席でも高座から2〜3m、寄席ならせいぜい二列めの真ん中10席くらいまでなので(高座がカウンターの高さなので、実際にはそこまでは遠くも感じない)、寄席やホールでは味わえない演者の表情や手の先の震えまで目の当たりにできるのも魅力だ。演者が身近にいてくれる(距離だけでなく打ち解け方も含めて)打ち上げも楽しかったな。またお邪魔したい。
posted by aokiosamublog at 23:00| 落語/演芸