2015年05月10日

5月まとめ(1〜10日)

5月1日(金) 朝9時半起床→北千住にて金継研究会。急須と茶碗を継ぐ。急須はかなり困難だった→研究会会場であるなかだ楼で昼を馳走になる→H瀬さんと大黒湯→お先に失敬して天七で湯上がりの一杯。TVの取材が入ったので早々に退散。落ち着いて考えれば、1)客の少ない開店直後を選び、店内の客ひとりひとりにスタッフが挨拶し、店内で取材・撮影を行う許可を求めていた、2)客のいない店の奥の隅で取材・撮影していた、3)照明がちらちら気になる程度で、タレントの声もそんなに大きくなくうるさくなかった、と、TVの人たちは相当気を遣っていたと思うが、落ち着かないものは落ち着かない→千代田線で熟睡→下北沢に着いてもまだ酔いが残っていたので、カトリック世田谷教会の裏庭で一休みさせてもらう→夜はザ・スズナリにて酒井俊『花巻農学校精神歌』発売記念ライブを拝聴。酔いが残ってた所為と、あとどうも類家心平のトランペットがどういうわけが苦手なので(とてもよい音楽家だし卓越した演奏だと思うが、どこかつい拒んでしまうところがある)、前半少しウトウトしてしまったが、全体的には深く堪能した。ザ・スズナリは天井高いし音が回ると思ったが、意外に音響もよい→各位にご挨拶し、おとなしく帰宅。一日出歩いたのでくたびれて、気が付いたら就寝。
5月2日(土) 終日在宅→『夢のハワイで盆踊り』(鷹森立一。舟木一夫、本間千代子、堺正章、高橋元太郎、浜田たえ子、加藤治子、笠智衆、高見理紗、桂伸治、山本緑、コロムビア・ローズ。1964、東映)。前から見たかったが、これは可笑しい。笠智衆がちゃんとハワイ移民のお爺さんらしい役作りなのがよかった→『お熱いのがお好き(吹き替え版)』(原題『Some Like It Hot』、監督:ビリー・ワイルダー。マリリン・モンロー、ジャック・レモン、トニー・カーティス、ジョージ・ラフト、ジョー・E・ブラウン。向井真理子、愛川欽也、広川太一郎、大木民夫、坊屋三郎。1959、米United Artists)。愛川欽也追悼ということで吹き替え版を見る。絵面から伝わるジャック・レモンの口調の強弱や間を見事に日本語で表現しているのだなあという印象。改めて見てよかった→何時に寝たか失念。
5月3日(日) 昼間は家でぶらぶら→夕方綾瀬に出て、まずはときわ食堂で一杯。いい気持ちで呑んだが、町屋のときわ食堂と比べると味は落ちるかなー。イカの刺身はうまかったが、トンカツは油が古く、ひじき煮と酢の物は味が強過ぎ、マグロの皮焼きはすこしべとっとしていた。まあ好みか→コンポステラにて酒井俊×関島岳郎×高岡大祐を拝聴。すーっと心に染み入る名演。恐らく関島岳郎によるものと思うが、編曲された部分の演奏がまた素晴らしかった。次は二年後かな→終演後各位にご挨拶しておとなしく帰宅→経堂でラーメンでも、と思ったが、二店ともにふられ、家でカップラーメン。ちょっとまずいのを買ってしまい憮然。
5月4日(月) 昼、昨夜のカップラーメン不発のためか、光陽楼で爆食。でもここも好きではあるが、いろいろ食べると味が強いのが気になってくる。トンカツは化学調味料が多過ぎる気がし、ソース焼きそばは甘かった。餃子や炒飯はうまい。この辺は体調によるか→晩の買物して帰宅後シャワー、午睡→『カルテット!人生のオペラハウス』(原題『QUARTET』、監督:ダスティン・ホフマン。マギー・スミス、トム・コートネイ、ビリー・コノリー、ポーリン・コリンズ、マイケル・ガンボン。2012、英Momentum Pictures)
5月5日(火) 朝9時過ぎ起床→『ウルトラヴァイオレット』(原題『Ultraviolet』、監督:カート・ウィマー。ミラ・ジョヴォヴィッチ、キャメロン・ブライト、ニック・チンランド。2006、米Screen Gems)。ミラ・ジョヴォヴィッチが意外に華奢なところが、この手の映画としては残念。むしろ人情ものとして面白かったかもしれぬ→『トラック野郎 御意見無用』(鈴木則文。菅原文太、愛川欽也、湯原昌幸、中島ゆたか。1975、東映)。中島ゆたかが元々なにかを企んでいそうな顔というところに、少し混乱したが、シリーズとしての繰り返しに耐える構造や諸要素が第一作でほぼ完成されている点と、肛門期的笑いの応酬が記憶以上に豊富だった点に感心した→『やくざ刑事 恐怖の毒ガス』(鷹森立一。千葉真一、内田良平、安部徹、集三枝子、南利明。1971、東映)。特にないが、内田良平はいいな→『極悪坊主 飲む・打つ・買う』(斎藤武市。若山富三郎、志村喬、石山律、北林早苗、八代万智子、安部徹、渡辺文雄、遠藤辰雄、待田京介、志村喬、菅原文太。1971、東映)。素直に謝る若山冨三郎を許して認める志村喬がカッコよい。あと若山冨三郎の体技は、派手ではない気もするがものすごい切れ味がよい。というのは今更言うことでもないか→『トラック野郎 爆走一番星』(鈴木則文。菅原文太、愛川欽也、春川ますみ、あべ静江、加茂さくら、ラビット関根、なべおさみ、夏八木勲、織本順吉。1975、東映)。安定の完成度。公開当時のファンの気持ちになって考えると、この第二作めはかなりの喜びを感じたのではなかろうか。あと、一見主役は菅原文太だが、実は愛川欽也の映画という点にも改めて気付いた→『聖獣学園』(鈴木則文。多岐川裕美、山内えみ子、渡辺やよい、森秋子、三原葉子、衣麻遼子、山本緑、谷隼人、太古八郎、谷隼人、渡辺文雄。1974、東映)。これでいいのか?! 宗教描写として。まあキリスト教徒としては笑うしかないか。若き多岐川裕美のエロさケバさにはちょっと驚いた。
5月6日(水) 朝8時起床→風呂→『忍術児雷也』(萩原遼、加藤泰。大谷友右衛門、田崎潤、大河内伝次郎、若山富三郎、瑳峨三智子、新倉美子、利根はる恵。1955、新東宝)。も一度ちゃんと見ないと、誰が誰やらよくわからない。若山冨三郎の映画デビュー作とは知らなかった→午後渋谷。ドレス経由で接待バンド。ドラムは気持ちよく叩けた→いつもの焼き鳥屋でバカ話して解散。平和に電車で帰宅。
5月7日(木) 朝9時起床→『旗本退屈男 謎の蛇姫屋敷』(鈴木兵吾、佐々木康。市川右太衛門、堺駿二、山東昭子、北大路欣也、花柳小菊、岩井半四郎、大川恵子、勝浦千浪、山形勲、尾上鯉之助。1957、東映)。このシリーズは割とどれもそうのような気がするが、タイトルの「蛇姫屋敷」は微妙に、というかだいぶ違う。が、面白いことに変わりはない。市川右太衛門の笑い方は習得してみたいな→『トラック野郎 望郷一番星』(鈴木則文。菅原文太、愛川欽也、島田陽子、梅宮辰夫、吉川団十郎、春川ますみ、都はるみ。1978、東映)。宮城県の登場と死が唐突で唖然。都はるみを出すためのきっかけとはいえ、かなり乱暴と思ったが、果たして。ライバル役としては、次の『天下御免』まででは梅宮辰夫のカムチャッカが最強だな→『エロ将軍と二十一人の愛妾』(鈴木則文。林真一郎、渡辺やよい、池玲子、安部徹、中村錦司、女屋実和子、丘ナオミ、衣麻遼子、三原葉子、杉本美樹、大泉滉、由利徹、岡八郎、田中小実昌。1972、東映)。見終えると見始めに思ったより硬くて重い感触。ニセ将軍が権力に溺れ権力に押しつぶされてしまうところとか。池玲子がエロいのはもちろん、林真一郎の、特に乳首のいじり方が本格的にエロかったのはよかった→『トラック野郎 天下御免』(鈴木則文。菅原文太、愛川欽也、由美かおる、マッハ文朱、杉浦直樹、松原智恵子、誠直也、沢竜二、鳳啓助、京唄子、春川ますみ。1976、東映)。冒頭の菅原文太とマッハ文朱のいきなりのキスシーンがよい(終盤の伏線にもなっている)。酔っていた所為もあり、家出した春川ますみと子供たちが愛川欽也と再開する場面で泣く。この作品ではふたりマドンナが導入されていたが、それだけで新鮮に感じるのも面白いといえば面白い→『ブロークン・フラワーズ』(ジム・ジャームッシュ。ビル・マーレイ、ジェフリー・ライト、ジュリー・デルピー、シャロン・ストーン、フランセス・コンロイ、ジェシカ・ラング、ティルダ・スウィントン、マーク・ウェバー、ホーマー・マーレイ。2005、米Focus Features)。笑うところがないのに、哀しくてやがて可笑しい。綿密な計画を立てたところで誰ひとり救われない、というところも可笑しい→夜0時頃就寝。
5月8日(金) 朝6時起床→シャワー→午前中スカパラ青木と父君の墓参。花の取り替えや掃除も多少→多磨駅周辺をぶらぶらしてみるが、昼は中華屋二軒と蕎麦屋一軒くらいしか開いてないようだ(もつ焼き屋など呑み屋も数軒あったが昼はやってない模様)。今回は見送る→吉祥寺に出て駅前のおおむらでラーメン→丸井前でO形と待ち合わせ、いったん老父宅に立ち寄り荷物を置いたのち、生協にて買物→O形作のロールキャベツなどで飲酒。老父に喜んでもらえたようでよかった。O形に感謝→かなり酔った気がするが、平和に電車で帰宅。
5月9日(土) 朝9時頃起床。若干宿酔い→『ドカベン』(原作:水島新司、監督:鈴木則文。橋本三智弘、高品正弘、永島敏行、川谷拓三、マッハ文朱、山本由香利、渡辺麻由美、無双大介。1977、東映)。これはひどい。珍品ではあるので、見といてよかった。ドカベン=橋本三智弘がただのバカ丁寧なデブで、殿間=川谷拓三は高校生に見えず、花子=マッハ文朱はコントメイクだし、永島敏行は台詞棒読み(岩鬼役の高品正弘はまあがんばっていたか)。物語も中学編(柔道)と高校編(野球)がごちゃ混ぜになっている上に野球に関してはチームを組んだところで映画が終わってしまうのでドカベンらが加入後の試合もなし。徳川家康監督役の原作者水島新司は活き活きしていたが、鈴木則文はあまりやる気がなかったのではないか。いやよくわからないが→『トラック野郎 度胸一番星』(鈴木則文。菅原文太、愛川欽也、片平なぎさ、夏樹陽子、八代亜紀、千葉真一。1977、東映)。シリーズの一作として楽しく見たが、この作品独自の感想はないかな。二日経ったら思い出せない→新宿に出てヨドバシカメラで買物ののち、夜はO形とO形甥っ子とお嫁さんとで高円寺ちんとんしゃんおよび鳥渡。楽しく呑んだがあまり食べなかったのでけっこう酔った。タクシーで帰宅。
5月10日(日) 日中宿酔いで横臥→午後遅く起き出して、まず『女番長ブルース 牝蜂の逆襲』(鈴木則文。池玲子、杉本美樹、賀川雪絵、渡辺やよい、流健二郎、一ノ瀬謙、山城新伍、安部徹、天知茂、小松方正。1971、東映)。感想は特にないかな。「もうカーセックスの時代じゃない。これからはバイクセックスだ!」には笑った→『日本女侠伝 侠客芸者』(山下耕作。藤純子、桜町弘子、正司花江、藤山寛美、金子信雄、遠藤辰雄、高倉健、若山富三郎。1969、東映)。金子信雄に五合は優に入る盃で酒を呑まされたあと、千鳥足で座敷を出たと思ったらいきなり『田原坂』を踊る藤純子が、ものすごくきれいで艶っぽくて、感動で泣く。終盤の、高倉健の出入りと藤純子の連獅子(赤頭のひとり獅子)を交互に映す演出は意図が不明だったが(間の取り方などもなにを考えてそうしているのかまったくわからなかった)、全体に藤純子の魅力が炸裂していた。このシリーズは全然見たことがなかったので、二作目以降も楽しみだな→『藤純子引退記念映画 関東緋桜一家』(マキノ雅弘。藤純子、水島道太郎、藤山寛美、遠藤辰雄、高倉健、鶴田浩二、若山富三郎、菅原文太、嵐寛寿郎、名和宏、片岡千恵蔵、金子信雄、木暮実千代、南田洋子。1972、東映)。こちらはスターが出過ぎでいささか未整理の感あり。ただし、最後に藤純子が物語の中の役柄と“引退”とをかけたように「それではみなさん、お世話になりました」と挨拶するところにはしびれた→『ニューヨーク 一攫千金』(原題『Harry and Walter Go to New York』、監督:マーク・ライデル。ジェームズ・カーン、エリオット・グールド、マイケル・ケイン、ダイアン・キートン、チャールズ・ダーニング、ヴァル・エイヴァリー、デニス・デューガン、レスリー・アン・ウォーレン。1976、米Columbia Pictures)。ジェームズ・カーンとエリオット・グールドの間抜けな芸人っぷりが可笑しい。あとダイアン・キートンの、自分の言葉にどんどん興奮していくという人物設定が可愛らしくやはり可笑しくてよい。ハッピーエンドになるはずがないのにハッピーエンドに説得力があるようなところもよかった→『SOSタイタニック/忘れえぬ夜』(原題『A Night to Remember』、監督:ロイ・ウォード・ベイカー。ケネス・モア、ローレンス・ナイスミス、ロナルド・アレン。1958、英The Rank Organisation)。大型客船が流氷に衝突し沈没する、という単純な話の中に、人間の反応や行動や心の持ち様の様々な形を鮮やかに描き出しているなと思った。船が沈む中淡々と演奏を続ける楽団員の描写に、自分たちの役割を果たそうとする人間の微笑ましい悲壮さを感じた→朝方5時過ぎ就寝。
posted by aokiosamublog at 23:00| 小ネタ/思考/日記