2018年03月10日

3月まとめ(1〜10日)

3月1日(木) 朝10時起床。ちんとん女将の電話で目覚めて冊子の相談に乗る。起きてすぐにお茶と甘みと朝食→微妙に話が噛み合わない連絡をいくつか→O形サイト更新(絵日記)→賄い当番。ポークビンダルーをと思ったが時間なくなってしまったのでやめて、ポークロースト。あと切り干し大根にスパイス使ってみたりなど→風呂→夕食後、夜0時頃就寝。
3月2日(金) 昼頃起床、即朝食→味噌作りが二週間後になったので、麹を長期保存するために塩を混ぜる。麹を1kgずつにわけ、片方はあらじお、片方は播州赤穂のにがり塩を500gずつ混ぜた。結局、二週間常温放置、二週間塩を混ぜて保管となったわけだが、味噌が出来上がったときの結果やいかに→取得したが何年も使っていなかったドメインを廃止→晩飯製作。本日は自分の分だけ軽めにと思い粥。ついでに大根のおつけも→『アニー・ホール』(原題『Annie Hall』、監督:ウディ・アレン。ウディ・アレン、ジョナサン・ムンク、ジョアン・ニューマン、トニー・ロバーツ、ダイアン・キートン、ラッセル・ホートン、マーシャル・マクルーハン、キャロル・ケイン、コリーン・デューハースト、ヘレン・ラドラム、ドナルド・シミントン、クリストファー・ウォーケン、モルデカイ・ロウナー、ルース・ヴォルナー、マーティン・ローゼンビアット、シェリー・デュヴァル、ハイ・アンゼル、レイシェル・ナヴィコフ、ポール・サイモン、ローリー・バード。1977、米MGM)。1977年にこの映画を撮ったというのは、ものすごいことだなあと改めて思った。色褪せないとはこのことだな→午前1時就寝。
3月3日(土) 朝8時半起床、白湯→『カポーティ』(原題『Capote』、原作:ジェラルド・クラーク、監督:ベネット・ミラー。ローラ・キニー、フィリップ・シーモア・ホフマン、キャサリン・キーナー、クリス・クーパー、キャルタン・ヒューイット、ブルース・グリーンウッド、エイミー・ライアン、クリフトン・コリンズ・ジュニア、マーク・ペレグリノ、ボブ・バラバン、アダム・キメル、ジェレミー・ダンガフィールド。2005、米MGM)。トゥルーマン・カポーティの人となりはもちろん知らないが、ああこういう人だったのかと納得してしまうようなフィリップ・シーモア・ホフマンの芝居に感心した(本人の写真を見る限りでは、もう少し痩せているように思われるが、『冷血』前の写真か?)。カポーティの衣装も注目に値するのではないかな。犯人のひとりペリー・スミスを演じるクリフトン・コリンズ・ジュニアの底知れない闇の表現にもぞわぞわさせられた→昼、経堂駅前に出て202で昼。白葡萄酒二杯→本町通りを進んで滝坂道の分かれ目から北上し、杓子稲荷の裏の(太いほうの)道から梅ヶ丘に入り、さらに北上して北沢税務署。時間外投函口にてO形確定申告提出→例年通り羽根木公園の梅まつりをぶらぶら。今日はちょうど見頃だったかもしれない。ひと周りしてカップ酒一杯→公園の北端から出て適当に歩いてたら、世田谷線のはるか手前で赤堤通りに出たので(ほんとうは松原駅の辺りまで出るつもりだった)、そのまま赤堤通りを歩き、赤堤交番のところを左折して南下、朝日屋、成勝寺、ユリの木公園を横目で見ながら小田急線をくぐって一力で買い物(こんにゃく、油揚、おから)。続いて81ベーカリーとピーコックで買い物し、後藤醸造でビール一杯呑んで帰宅。後藤醸造で醸した経堂エールはなかなかうまかった。今日は都合三時間くらいの散歩→帰宅後午睡→風呂→晩に蒟蒻ピリ辛作ろうと思い、スパイスを張り込んだら帰って失敗。胡麻も入れたが風味をまったく活かせなかった→『シミキンのオオ!市民諸君』→『ユーリー・ノルシュテイン 話の話』→『笑う洋楽展』の、安西肇のあの髪型はないな→午前1時過ぎ就寝。
3月4日(日) 朝7時起床、朝食→花き市場掃除のアルバイトにつき、朝8時出発→40分ほど早く西葛西到着。やしまで月見そば→仕事は午前中に掃除とキーボードのLEDチェックまで完了(一時間半)、一時間昼休憩ののち一時間待機となり、買いのチェックを30分やって終了。だんだん効率よくなっていくなあ→14:59のバスで西葛西駅に戻り解散。隣駅の葛西の風呂屋仲の湯まで20分歩いてひと風呂浴びる。昔ながらのがらんと広い、よい銭湯→また20分歩いて西葛西に戻り、ドトールで休憩したのちTMVS FOODSで買い物。残念ながらシナモンは扱っていないということで(ただ切れてただけかもしれない)、豆三種(トゥール、チャナ、ムング)を購入→開店時間までまだ間があるので場所の確認だけ、と思い、本日のお目当インドレストラン&バー ムナルの前まで行ってみたらもう開いていたので(日曜は休憩しないのかもしれない)初訪問。まずはビールということでつまみにナッツマサラを頼んでみたら、クッチュンバーみたいな感じに野菜(ニンジン、トマトなど)も入っておりなかなか。あとはモモをつまみにもう一本と、ダルにジラライス。ものすごく特別ななにかを感じることはできなかったが、安心して食べに行けると思った。店の人の対応も押し付けがましくなく親切→平和に電車で(うとうとしながら)帰宅→帰宅後二時間ほど午睡→おからコロッケが出来ていたので、それ肴に一杯→『男はつらいよ 旅と女と寅次郎』(原作・監督:山田洋次。渥美清、倍賞千恵子、太宰久雄、前田吟、佐藤蛾次郎、下絛正巳、三崎千恵子、吉岡秀隆、関敬六、石井富子、細川たかし、中北千枝子、内藤安彦、木ノ葉のこ、ベンガル、藤岡琢也、桜井センリ、都はるみ、山谷初男、北林谷栄、人見明、笠智衆、マキノ佐代子、佐山俊二。1983、松竹)。満男(吉岡秀隆)の成長振りと、都はるみの可愛らしさが印象に残る。いい話と見事な振られっぷり。終幕の佐山俊二がピリッと効いている→『座頭市の歌が聞える』(原作:子母沢寛、監督:田中徳三。天知茂、木村玄、勝新太郎、浜村純、町田政則、吉川満子、伊達三郎、小川真由美、東三千、小村雪子、水原浩一、藤川準、谷口和子、佐藤慶。1966、大映)。いつもカッコいい天知茂と、カッコいいだけじゃない佐藤慶を堪能。座頭市の“目”を雷太鼓でふさぐ、という作戦があっさり破られていて、なんで効果がなかったのかが描かれていない(描かれているのかどうかわからなかった)ところに一瞬違和感を覚えたが、見終えてみればそういう整合性があまり気にならないのが不思議だ→午前4時頃就寝。
3月5日(月) 午前11時頃起床、白湯→『べらんめぇ藝者』(小石栄一。美空ひばり、志村喬、花澤徳衛、十朱久雄、小野透、吉川満子、白河道子、江原真二郎、殿山泰司、増田順司、八代万智子、岡村文子、清川虹子、佐々木孝丸、沢彰謙、。1959、東映)。美空ひばり22歳から26歳に撮られたシリーズ。ふり袖捕物帖やひばり捕物帖などと三人娘シリーズの間に当るのかな。映画の美空ひばりとしては一番よいような気がする(22歳にしては貫禄あり過ぎるが)。見ていると、小野透(かとう哲也)も一番輝いているのではないかな、という気もしてくる。大学のアイスホッケー部のパーティで、美空ひばりが歌うとなるとバンドにとつぜん三味線が入るのが可笑しいが、よく見ると同伴の芸者ふたりが舞台に上がった設定になっている(それにしても三味線持ってきたのか?)。それでも歌が『車屋さん』というのやバンドがちゃんと演奏できるというのがやはり可笑しい→『続べらんめぇ藝者』(小石栄一。美空ひばり、沢彰謙、柳谷寛、桜京美、吉川満子、清川虹子、浪花千栄子、高倉健、中原ひとみ、丸山明宏、山村聡、北龍二、雪代敬子、今井俊二、神田隆、加藤嘉、柳永二郎。1960、東映)。主題歌を録り直したのかな、とか、前作がヒットして配役にもより一層気が配られたのかな、などの第一印象。高倉健が出てくるこの作品からこのシリーズが好きになったからそう思うのかもしれない。高倉健が美空ひばりと中原ひとみの間で右往左往するところと、美空ひばりが山村聡に甘えるところは、意外な映画的名場面ではないかな。浪花千栄子と清川虹子の対決場面や、美空ひばりが挑む『八百屋お七』の人形振りも(その階上ロビーで陰謀の打ち合わせが交わされているのを偶然美空ひばりが聞くというご都合主義には笑うが)。そしてカラーテレビの試験受信で、ブラウン管の中で美空ひばりの中が歌うという終幕は秀逸→風呂→B電子から高柳CD関連の原稿依頼いただいたので、下準備。間章の解説は、前半何を言っているのかさっぱりわからなかった。というのは大げさだが、同じようなことを言葉を変えて繰り返しているなあと思った。あと割とくっきりした誤字(誤植かな)が目についた→『ラスト・ショー』(原題『The Last Picture Show』、原作:ラリー・マクマートリー。監督:ピーター・ボグダノヴィッチ。ティモシー・ボトムズ、サム・ボトムス、ベン・ジョンソン、ジェフ・ブリッジス、アイリーン・ブレナン、シャロン・ユリック、シビル・シェパード、バーク・ボイル、ビル・サーマン、エレン・バーステイン、クロリス・リーチマン、グローヴァー・ルイス。1971、米Columbia Pictures)。青春の光と影の、どちらかというと光のほう(というか影ではないほう)を多く描いていると思うのだが、それでもなんだか暗さや哀しさや苦さが漂う映画。映画館の場面の、冒頭の『花嫁の父』と終幕の『赤い河』はどちらもよく知らないので映画全体を飲み込めたわけではないが、なんだかとても滋味に富んだ作品と思う。多分主な部分ではないが、ダイナーの女主人(アイリーン・ブレナン)がとてもカッコいい→『ダウンタウン物語』(原題『Bugsy Malone』、監督:アラン・パーカー。ジョン・ウィリアムズ、マーティン・レブ、スコット・バイオ、ジョン・カッシージ、ハンプティ・アルビン・ジェンキンス、フロリー・ダガー、シェリダン・アール・ラッセル、ジョディ・フォスター、ポール・マーフィ、デイヴィッドソン・ナイト、デクスチャー・フレッチャー。1976、英)。全員子供が演じる、というアイデア一発の映画のようでいて、そのアイデアを活かすための工夫の細かさに感心させられる。それにしても足漕ぎ自動車も可笑しければ、いちいちエンジン音がするのも可笑しい。そして音楽がいいな→以上金宮お湯割呑みながら、ついでに『前略おふくろ様2』も見て就寝。午前2時過ぎ。
3月6日(火) 朝9時起床、白湯→アナログでハンバーガー食べてから買い物と散歩、と思ったが定休日だったので、まことやにすることにして肉骨茶ラーメンとビール。それから和泉屋で米を注文(平地で獲れる米はうまくない、と強く主張しつつ何も買わずに去った男がいて、あとで米屋の若女将と笑った)。オダキューOXで細々と買い物してからアダンさんで明日の供花をお願いしようと思ったら休みだったのでその先の花屋でトルコキキョウを中心に作ってもらい、梅田青果で野菜買っていったん解散。私は手ぶらになってまず桜上水方面に北上、途中で左に折れて将軍池公園(ガチョウがいたのでびっくり。あと将軍池の由来はなんだろうと思っていたが、松沢病院に入院していた葦原将軍から名前を採ったそうだ)、そのまま松沢病院を反時計回りにぐるっと回り、鳥金のことを思い出したので坂本そば店の角を右に入って訪ねてみたら店が変わっていて憮然。ちょうどすぐ近くの酒屋みどりやのおばあさんが店の前を掃いていたので尋ねてみると、四、五年前に店主がとつぜん亡くなり、その後ラーメン屋に変わったとの由。もうずいぶん訪れてなかったものな。残念→明大八幡山グラウンドの裏から八幡山郵便局のほうに抜けて、西経堂団地の裏手から帰宅。昼食時間を抜かした、買い物の時間も含めた歩行時間は、二時間半ほどか→『続々べらんめぇ藝者』(小石榮一。美空ひばり、中原ひとみ、紫ひづる、小宮光江、星美智子、雪代敬子、高倉健、永井柳太郎、柳谷寛、友野博司、浪花千栄子、深見泰三、利根はる恵、殿山泰司、山本麟一、沢彰謙、久保一、清村耕次、小桜京子、清川虹子、木川哲也、坂本武、花岡菊子、佐伯秀男、進藤英太郎。1960、東映)。美空ひばりの人形振りから映画は開始。この頃得意の技だったのか? 冒頭でいきなり海に落ちて(落とされて)熱を出す高倉健、殿山泰司と美空ひばりの喧嘩にパトカーのサイレンの口まねをして加勢に出てくる高倉健が可笑しい→『べらんめぇ藝者罷り通る』(小石榮一。美空ひばり、星美智子、小宮光江、春丘典子、光岡早苗、高倉健、殿山泰司、浪花千栄子、永田靖、ハロルド・S・コンウェイ、ベロナード・A・ジョーセフス、柳谷寛、曽根秀介、岩城力、山村聡、堀雄二、田川恒夫、中原ひとみ、沢彰謙。1961、東映)。本作も高倉健のどこかほーんと抜けた魅力がうれしい。というか、前二作よりもその魅力は増しているのではないかな。「マリリン・モンロー!」の場面などとても面白い→風呂→なんとなく静かな腹痛→午前0時頃就寝。
3月7日(水) 朝7時起床、白湯→ミラベルで手土産のケーキを買い川口へ→Mよも集合し、まずはそごうの中のよし田で昼→G氏宅訪問し、先月亡くなった古い女の飲み友達に供花と線香焼香。酒席で口論になったまま十何年か会わなかったから気が重かったが、ご主人であるG氏といろいろ話ができて、やはり訪ねてよかった。今後も先方がそう望むなど機会があれば、話し相手くらいにはなりたいと思う→帰途は新宿回りで信濃町に出て、外苑東通りを四谷三丁目まで北上して錦松梅本店で買い物とB電子奥方へのお返しを発送。さすが本店、錦松梅にお湯を注いだ簡易吸い物を出してくれた。今日は寒かったので有難い→新記で適当に飲み食いして帰ろうと思ったが、四谷三丁目店は休憩があったので、四谷のほうまでぶらぶら歩いてからふと思いついて旧鮫河橋貧民窟だった辺りを散策。四谷側から入って信濃町方面に歩くと、今更ながら創価学会の施設の多さに驚く(とある路地の入り口に警備員風の男が立っていたのもなにやら禍々しいものを感じた)。創価学会エリアから千日谷方面へ歩いたがそろそろ新記が開きそうな時間になったので中央線の向こうには行かず、ガードの手前から北上して新宿通りに出る→新記では少し食べ過ぎたか。四谷三丁目店は初めてだったが、三宿と遜色はなかった→腹ごなしに新宿まで歩く。散歩は都合一時間半ほど→平和に電車で帰宅→風呂→ビール飲みながら『ひばり民謡の旅 べらんめえ芸者佐渡へ行く』 (渡辺邦男。美空ひばり、高倉健、星美智子、春丘典子、滝千江子、柳永二郎、野々浩介、今井俊二、木村功、須藤健、桜京美、杉義一、若杉英二、中原ひとみ、石黒達也、大東良、岩上瑛。1961、ニュー東映)。途中で一瞬回転性めまいが発生し、残り30分のところで断念。午前2時半頃就寝。
3月8日(木) 朝10時起床、白湯→『ひばり民謡の旅 べらんめえ芸者佐渡へ行く』の続き。映画としてはこのシリーズの他作品と比べて演出がややコミカルに過ぎて現実味が薄いが、美空ひばり単体としては本作が一番可愛いかな。桜京美は小桜京子が名前を変えた同一人物かと思ったが違っていた(じっさいそういう勘違いが過去にあったようで、桜京美が亡くなったあと小桜京子に献花が届いたことがあったらしい)。あとちなみに、本作から「ひばり民謡の旅」シリーズが枝分かれし、『べらんめぇ中乗りさん』『桜島 おてもやん』『秋田おばこ』が制作されている。それにしても終盤で小春(美空ひばり)のキスマークを持って船のデッキに突っ立っている高倉健は間抜けで可笑しい→B電子より依頼の高柳昌行『A JAZZY PROFILE OF JOJO』のWebページ用紹介原稿書く→だいたいまとまったところでI崎より電話。本日経堂で会う約束はしていたが、駅からタクシーで家に向かったというので慌てて部屋を片付ける→ビール呑みながら歓談。だいぶ元気になったようでなにより(しかしまだ投薬しながら様子を見ているので油断できないそう)。闘病の話と、あとはみんなで会う段取りの話と詩集制作の話→タクシー呼ぶのに手間取ったが無事一台捕まえることができ、夕方4時過ぎI崎去る→午睡→『A JAZZY PROFILE OF JOJO』原稿仕上げて送付→『べらんめえ芸者と大阪娘』(渡辺邦男。小野透、美空ひばり、星美智子、滝千江子、坂本武、沢村貞子、阿久津克子、木暮実千代、高倉健、水原弘、関山耕司、大東良、伊志井寛、石黒達也。1962、ニュー東映)。渡辺邦男という監督は、小石榮一に比べて大雑把な感じを覚える持ち味があるのかな、と本作を再見して思った(もちろんそれはぱっと見の印象で、特に本作は割と細やかに作っているとあとでわかるが)。それはそうと高倉健のお腹が痛い芝居はこの映画だけではなかろうか。あと関山耕司がひとりふた役の美空ひばりに挟まれる場面は可笑しい。美空ひばりの中盤のラテン歌謡の歌唱は、このシリーズ中随一の出来映えではなかろうか。美空ひばりのライバル役がいなくてひとりふた役になったのは企画上のことなのかその他の事情なのか知らないが、そういえば『ふたりのロッテ』ってどんな話だったかなと思い出した→『深夜の市長』(川島雄三。日守新一、黒市兄、神田隆、安部徹、三津田健、三井秀男、村田知英子、大坂志郎、新田地作、月形龍之介、山内明、坂本武、空あけみ、磯野秋雄、。1947、松竹)。月形龍之介の現代劇は初めて見たかもしれない。やくざというかギャングというか、悪者がなんだかみんな品がいい。悪役のひとりが安部徹を殴る場面のカメラアングルが二段仕立てではっきりと顔面を殴っているのが印象に残った。悪役でしか見たことがない安部徹が正義の主人公なのも新鮮といえば新鮮だが、川島雄三ならではという点は一度見た限りではよくわからなかった→夜ビール一本呑んだが、今日は回転性めまい出なかった。午前2時頃就寝。
3月9日(金) 朝9時半起床。昨日書いたB電子原稿に情報不足があったことに気づき、慌てて第二稿を書いて送る→白湯→『ちょっと出ました 三角野郎』(原作:小川正、監督:佐々木恒次郎。坂本武、酒井啓之輔、大国一郎、渡辺篤、関時男、若林広雄、小倉繁、花岡菊子。1930、松竹キネマ)。闖入者と村人との俵をかぶったままの闘争追跡劇とか、茹で蟹の中に生きた蟹が混ざってて食べようとすると顔を挟まれる(オチが猿蟹合戦めいている)とか、生卵を割るとことごとく鶏が飛び出してくるとかのギャグが可笑しい(村の長老のラッパ型補聴器なども笑わせる)。で、そのあと恋の鞘当てへと問題が発展するのだが、渡邊篤の人物造形が面白いので、今から90年近く前に作られた無声映画だとは思えない魅力を感じた。しかし無声映画にして音楽映画というのが面白い→B電子と少しやり取りののち、任務完了→『べらんめぇ藝者と丁稚社長』(渡辺邦男。美空ひばり、星美智子、光岡早苗、滝千江子、富士あけみ、宮園純子、悠玄亭玉介、進藤英太郎、梅宮辰夫、小塚十紀雄、佐々木孝丸、須藤健、柳沢真一、浪花千栄子、ピェール・瀬川、上津原鮎子、大東良、柳永二郎、瞳麗子、沢彰謙、。1963、東映)。今回のお相手役は梅宮辰夫。高倉健に比べると、どうしても物足りなさを感じるが、それはこのシリーズへの出演本数からもしょうがないことだろう。若々しい魅力は悪くはない。浪花千栄子がすねるとすぐに押し入れから布団を出して寝てしまうのが可笑しいが、敵と思ってる相手と邂逅した時の怒り方との芝居の差の付け方は見事。それにしてもこのシリーズの中での美空ひばりの微妙だがそれとわかる(経年変化という意味での)変わり様は面白い。怒りのあまりわけがわからなくなった浪花千栄子の前で安来節を踊る進藤英太郎、そして雪解けという場面も、可笑しくも涙を誘う秀逸な演出と芝居→豆のスープでも作ろうと思ったが、結局カレーになった。トマトが一個しかないのでそちらはサラダに使うことにして、トマトケチャップ、ウスターソース、タマリンドで酸味と甘味を代用。その分塩を少なめ(半分)にして、ガラムマサラと白葡萄酒とカスリメティで調味。まあなかなか→風呂→サラダとレンコンピリ辛製作→明日の句会で投句する句を決める。今回はあまり出てこなくて、12句から3句。しかし12句のうち3句は夏の季語だった→『新兵隊やくざ 火線』(原作:有馬頼義、監督:増村保造。勝新太郎、田村高廣、宍戸錠、大瀬康一、坂本香、大滝秀治、安田道代、。1972、東宝)。シリーズ最終作で日本に戻ったはずが、4年後に撮られた番外編とも言える本作ではまだ中国の戦線。人間関係の描き方(主にコントラストの点で)が60年代から70年代でどう変わったか、というよい例になる映画と思った。60年代終盤でいったん終わったシリーズものを70年代に入っても一度映画化したというのがその主な所以と思う。終幕の河内音頭もどきの勝新の唄がカッコよく、その場面の田村高廣とのBLぷりったらないな。全編オルガンを起用した音楽も面白かった→『悪名太鼓』(原作:今東光、監督:森一生。田宮二郎、勝新太郎、若松和子、芦屋雁之助、芦屋小雁、朝丘雪路、浜田ゆう子、寺島雄作、見明凡太朗、伊達三郎、島田竜三、杉田康、田端義夫、嵐三右衛門。1964、大映)。勝新腰タオル巻きでの乱闘、タオルが落ちるのではないかと期待させられたのが面白い(落ちなかったが)。田端義夫の起用は、本作の筋などへの必然性よりも当時人気があったからだと思うが、とってつけたような登場ではあるものの、なんだか悪くない(オッスの挨拶もちゃんとやっていた)。五億円を巡る勝新と田宮二郎の会話が面白かった。といったような、まとまらない感想のいくつかを思い付いただけであった。悪者たちの捕まり方があっけなかったからかな→午前4時頃就寝。
3月10日(土) 朝10時起床、白湯→亀屋で手土産買って、ちんとん句会へ。今回の兼題は「朧」と「輪(の字)」で、詠んだのは下記の通り。

・朧
扉開きぬ朧の向かうは待ち人か※
心地よき月も豆腐も朧かな
嬉しさにぼろぼろ泣きて朧月

・輪(という一字を入れ込んだ春の句を一句)
輪廻をば信じぬ春の独り言
花見帰り輪禍に桜の花と散る
浮かれ出で輪禍に桜の花と散る※
花粉舞ふ様子を綴る輪転機

・他一句
妄想か土筆を摘んだ幼き日
おさな妻土筆をば早や見慣れつつ(日活ロマンポルノ制作終了三十周年に寄せて)※

※が提出したもの。なぜか「おさな妻」が特選をふたついただいた。でも日活ロマンポルノ制作終了30周年だとか、森鴎外『舞姫』の書き出しを真似て文芸ポルノ臭を演出したなどはわかってもらえなかったが、まあ俳句というのはそういう文芸ではないということだろう。金子兜太を出すのは卑怯だなと思ったが、この感想は半分悔し紛れ。敢えて出したのは意識的な“戦略”(と言えば大げさだが)だろうと思う。それも含めて、俳句の楽しさがだんだんわかってきた。この会が楽しいというのもある→夕方までだらだら呑ませてもらって、平和に電車で帰宅→小腹がすいたので、経堂に着いてから夢亀ラーメンで一杯→帰宅後即就寝。
posted by aokiosamublog at 23:00| 小ネタ/思考/日記