12月11日(火) 朝10時起床、白湯、栗の蜂蜜→終日ギター練習。菊氏が風邪引いたとのことで、譜面のすり合わせが進まないのがつらい。というか明日来るかわからないからギターで弾けるようにしておきたい曲数がずんと増えたが、しかし全部対応は無理だなあ→夜ラショウさん来る。少しお茶をご一緒してからまたギター練習→午前3時過ぎ就寝。
12月12日(水) 朝8時起床、白湯、栗の蜂蜜→風呂→譜面と台本印刷→午前11時半下北沢の劇団S.W.A.T!稽古場着。まずは歌の部の練習。全曲ギターを弾かなければならなくなりそうなので、曲順に沿って演奏したが、最終的にはコードを鳴らすだけのような感じになった。菊ちゃんの参加が危ぶまれているが、なんとか来てほしい。午後は浄瑠璃の稽古で、こちらは不安なし→ラショウさん除く三人で、遅い昼飯がてらa亭で一杯→早めに東新宿に移動し会場のアコースティックアートに着いたらもう入れたので、さっそく準備し、歌関連を中心にリハーサル。と、菊ちゃんやってきてひと安心。歌の部のギターはほぼお任せすることにする→店の席数は20強くらいだが、暖かいイタチョコファンで満員となり、イタチョコグッズの持参もかなり充実。ファンイベントとしてはいい感じだった。浄瑠璃は本番では私はけっこう間違えたが、大きな破綻はなく終了。歌の部は段取り違いが多数あり、演奏としては反省は多かった。時間の都合で即興の演奏と踊りはないかなと安心していたら決行することになり、しかしこれは自分としてはやり切った満足感は得られた。とはいっても、演奏内容については今まですぐ目の前で聴いて来た様々な即興演奏から盗んだものの劣化版ではあるが→アコースティックアートは年内でいったん店じまいだが、店主の萩原さんに再会を誓いおいとま。呑者家銅鑼で軽く打ち上がってからタクシーで帰宅。即就寝。
12月13日(木) 昼頃起床。朝食準備→朝食やお茶などを振舞いつつラショウさんと将棋の話や賭け事の話などいろいろ歓談→夕方ラショウさん去る→風呂→『男はつらいよ ぼくの叔父さん』(原作・監督:山田洋次。渥美清、イッセー尾形、じん弘、吉岡秀隆、前田吟、倍賞千恵子、後藤久美子、佐藤蛾次郎、三崎千恵子、下絛正巳、北山雅康、太宰久雄、マキノ佐代子、戸川純、夏木マリ、笹野高史、関敬六、笠智衆、今福将雄、檀ふみ、尾藤イサオ。1989、松竹)。本作から主役が吉岡秀隆に代わったという印象(実際、渥美清の年齢や体調を考慮して“満男シリーズ”にシフトしていったとのこと)。これはこれで、思春期男子の成長譚として面白く観させられる。戸川純のうまさとか、後藤久美子はうまくはないが持って生まれたものが拙い技術を凌駕しているとか、そんな見所もあると感じた。後藤久美子の叔父である尾藤イサオの頑なさが宙に放り投げられたまま解決させようとされないところが少しすっきりしなかったかな→夜9時頃就寝。
12月14日(金) 午前2時頃起床→『東京家族』(山田洋次。柴田龍一郎、夏川結衣、丸山歩夢、中嶋朋子、妻夫木聡、西村雅彦、橋爪功、吉行和子、林家正蔵、茅島成美、小林稔侍、蒼井優、風吹ジュン、荒川ちか。2012、松竹)→橋爪功と吉行和子が老夫婦というには微妙な感じというか、表面的な演技技術以上に老いがにおってこないというのが第一印象。階段を効果的に使って日常や家族の中の分断を描いているのかないうところが印象的ではあったが(ただしそういう意図かどうかの確証はない)、そもそも今の時代に無理に『東京物語』を作り直さなくてもいいのではないかとも思った。テーマは普遍的だが、それだけに小津の作った物語をなぞるのではなく新しい物語を作ったほうがよかったのではないかと思ったが(人物が平行に並ぶ構図も真似なくてよいと思った)、五六十年くらいでは人の本質はそんなに変わらないということかもしれない。でも現代人はもう少しうまく計画するのではないかと思うし、その上でなおうまく行かないという物語を描かないとせっかくの普遍的なテーマが生きてこないのではなかろうか→いったん就寝し、昼頃起床→『とむらい師たち』(原作:野坂昭如、監督:三隅研次。勝新太郎、藤村有弘、遠藤辰雄、財津一郎、多賀勝、斎藤信也、若井はんじ、若井けんじ、島田洋介、西岡慶子、伊藤雄之助、今喜多代、山本一郎、若宮忠三郎、藤岡琢也、木村玄、酒井修、春本泰男、田武謙三。1968、大映)。昭和ナンセンスの感じの原作も含め出来がいいとは思わなかったし(オチのやけくそな感じはよかった)、当時の人気?芸人がちょい役で出てるのも私にとってはありがたみ味はないが、伊藤雄之助と藤村有弘の歌藝が楽しめるのはよかった。葬儀博覧会は、実際に見てみたい(劇中でも結局は行われなかったが)→『駿河遊侠伝 度胸がらす』(原作:子母沢寛、監督:森一生。里井茂、小池朝雄、五味龍太郎、藤由紀子、勝新太郎、水原弘、大辻伺郎、林寛、小沢昭一、細谷新吾、玉置一恵、桑野みゆき、高橋正夫、旭輝子、中村是好。1965、大映)。放屁癖のある石松の小沢昭一と、次郎長(勝新)に迫る桑野みゆきが印象に残る。あと小池朝雄の性根の腐った小物悪役感はいつのながら見事。あとはなにか特別な感じはなかったかな。繰り返し観ないとわからないが、微妙なところ。シリーズ三作まとめて見返してみるか→『ど根性物語 銭の踊り』(市川崑。勝新太郎、星ひかる、江利チエミ、ロイ・ジェームス、船越英二、浜村純、スマイリー小原、潮万太郎、マイク・ダニン、伊藤素道。1964、大映)。冒頭二三十分からさすが市川崑という印象で、『ど根性一代』や『ど根性物語 図太い奴』とはまったく別の映画ではあった。音楽に宮川泰と並んでハナ肇がクレジットされている。仕事の度に使用拳銃を破壊するというのは、この作品独自なのか引用元があるのか。スマイリー小原が警部補というのが可笑しいが、勝新のほか江利チエミ、ロイ・ジェームス、船越英二、浜村純といった中心人物がそれぞれいい味わい→晩は賄い当番。食べて飲んで、夜11時頃就寝。
12月15日(土) 朝6時半起床、白湯、栗の蜂蜜→風呂→8時半頃出発→ちんとんしゃんご常連と女将、時間通りに新宿にて集合。しかしチャーリー氏が間違えて東京駅に行ってしまい、最初から爆笑かつスピーディに出来上がった珍道中になった→浜松駅前で鰻を堪能。あと喫茶どんぐりに驚く→さらに移動して原駅すぐ近くの高嶋酒造の酒蔵を見学。ただの飲み助にとって勉強になるという内容ではないが(学んだところで活かす術がないという意味で)、うまい酒を醸すのにどれだけ気を遣われているのかはよくわかった。有意義な見学であった。晩はどこかで飲むということになっていたが、イタチョコでの疲れもあり、明日も早いので、酒の購入だけして一足早くお暇→切符買い間違えたので、品川でいったん山手線に乗り換えて東京駅回りで帰宅→夢亀ラーメンにて豚足で一杯→帰宅後即就寝→夜中に起きて『新選組始末記』(原作:子母沢寛、監督;三隅研次。藤村志保、市川雷蔵、田崎潤、近藤美恵子、城健三朗、天知茂、丹羽又三郎、小林勝彦、須賀不二男、伊達三郎、堂本寛、高見国一、松本錦四郎、勝原礼子、南条新太郎、香川良介、寺島雄作、島田竜三。1963、大映)。これは、物語の主旨がどこにあるにせよ、映画としては藤村志保に尽きるな→朝方就寝。
12月16日(日) 朝10時半起床、珈琲→昼過ぎ高円寺に出て、次郎吉にて新宿三丁目セカンドラインゆかりの方々が出演するゴトー祭りなる催しを見物。音楽をちゃんと好きでい続けるというのは尊いことだと思った。いい刺激になった→本日はライブだけで打ち上げは失敬し、高円寺の藪そばでちょいと一杯だけやって帰途につき、千歳船橋で肉と野菜を買い込んで家で豚しゃぶで飲んで終了。
12月17日(月) なんだかくたびれて終日横臥→夕方頃起き出して映画観ながら飲んで、結局朝まで。まずは『カサンドラ・クロス』(原題『The Cassandra Crossing』、監督;ジョルジュ・パン・コスマトス。ステファノ・パトリッィ、ルー・キャッスル、ジョン・フィリップ・ルー、バート・ランカスター、イングリッド・チューリン、リー・ストラスベルク、レイ・ラヴロック、アリダ・ヴァリ、エヴァ・ガードナー、マーティン・シーン、O.J.シンプソン、リチャード・ハリス、ソフィア・ローレン、ライオネル・スタンダール。1976、英伊20th Century Fox)。主要人物が正体を知らされないまま次々と集まってきて、徐々に正体と劇中の役割が明らかになっていくなど途中の面白いところも多々あるものの、割と早々に事件が解決したかに見え一時間くらいのところでやや飽きてきたが、最後の橋が崩壊する場面でああ最後まで観た甲斐があった、という映画→『世界中がアイ・ラブ・ユー』(原題『Everyone Says I Love You』、監督:ウディ・アレン。エドワード・ノートン、ドリュー・バリモア、ナターシャ・リオン、アラン・アルダ、ゴールディ・ホーン、ルーカス・ハース、ギャビー・ホフマン、ナタリー・ポートマン、ウディ・アレン、ジュリア・ロバーツ、ティム・ロス、デイヴィッド・オグデン・スティアーズ。1996、米Miramax)。軽く楽しめる作品のようでいて、実はものすごく知力を動かすことを要求されているような映画だった。それでいて飲み喰いしながら横目で観てても十分面白い。ただし時代的に今となっては夢中になって観るのが恥ずかしいような感じもある→『カフェ・ソサエティ』(原題『CAFÉ SOCIETY』、監督:ウディ・アレン。スティーヴ・カレル、シェリル・リー、ジーニー・バーリン、ジェシー・アイゼンバーグ、ケン・ストット、サリ・レニック、スティーブン・カンケン、コレイ・グリッグス、アンナ・キャンプ、クリステン・スチュワート、アンソニー・ビンクレイ、パーカー・ポジー、ポール・シュナイダー、テイラー・カー、ブレイク・ライブリー、ブレンダン・バーク。2016、米Lionsgate)。会話の構成というのかな、何も知らない当事者が道化役のように事情を知っている当事者に話を伝えたり、大事な話を大事な話をすべきではない場所でしていて何度も途切れたり、といった組み立て方が面白かった。主演女優ふたりが魅力的なのは言うまでもないが、ちょい役のクラブ歌手の女性がとても気になった(キャット・エドモンソンという人のようだ)→『昼下がりの情事』の途中で脱落。朝5時頃。
12月18日(火) 本日も昼過ぎ起床→『昼下がりの情事』(原題『Love in the Afternoon』、原作:クロード・アネ、監督:ビリー・ワイルダー。モーリス・シュヴァリエ、リーゼ・ボウルディン、ゲイリー・クーパー、オードリー・ヘップバーン、ジョン・マクギバー、オルガ・ヴァレリーとザ・ジプシーズ、ヴァン・ドード。1957、米MGM)。魅力はいろいろあるが、今回は「君は何もかも完璧だよ」「やせすぎ 耳がとび出して 歯並び不良 首も長すぎるわ」「だが まとまるとすてきだ」という辺りにしびれた。ヘップバーンが録音した“男性遍歴”を繰り返し繰り返し聞くゲーリー・クーパーの変態性とか(この場面は楽隊とクーパーの酒とグラスのやり取りも面白い)。クーパーとシュヴァリエの会話も改めて味わい深い。あと隣室の夫人が結構動物虐待→『Day Tripper』の特許用アレンジ完了→風呂→O形出かけたのでひとりで家にあるものでなにかこさえて飲む。煮干の出汁殼は、ごま油で炒めて焼酎で煮込んでから味付けすると、揚げるよりも手間かからなくてよいようだ→『お熱いのがお好き』(原題『Some Like It Hot』、原作:R・ソーレン、監督:ビリー・ワイルダー。パット・オブライエン、ジョージ・E・ストーン、ジョージ・ラフト、トニー・カーティス、ジャック・レモン、バーナード・ドリュー、ジョアン・ショーリー、デイヴ・バリー、マリリン・モンロー、ジョー・E・ブラウン、ジョージ・E・ストーン。1959、米MGM)。毎回設定に無理があるなと思うのだが、最終的には感動させられてしまう。久し振りに観るとマリリン・モンローの魅力に驚くが、新発見は特になし→『晴小袖』(原作:川口松太郎、監督:安田公義。根上淳、吉川満子、長谷川一夫、志村喬、花柳喜章、香川良介、荒木忍、月丘夢路、鳳八千代、阿井美千子、山路義人、伊達三郎、堀北幸夫。1961、大映)。地味ながらいろいろな世代や立場の人たちの様々な葛藤が重層的に描かれていて、なかなかの名画だった。表面的には鳳八千代のツンデレっぷりと志村喬の真人間になろうとも周囲が許してくれないところがよかったな→午前1時頃就寝。
12月19日(水) 朝8時起床、白湯、栗の蜂蜜→老父と昼食および買い物付き添い(深水庵、サミット、クリエイト、図書館、郵便局)。帰途灯油購入→『大菩薩峠 完結篇』(原作:中里介山、監督:森一生。市川雷蔵、中村玉緒、本郷功次郎、近藤美恵子、見明凡太朗、南里金春、小林勝彦、阿井美千子、矢島ひろ子、島田竜三、大丸智太郎、荒木忍、三田村元、真塩洋一。1961、大映)。乗り切れなかったり入り切れない部分のほうが多かったが、机竜之介という人が死ぬべきなのにどうしても生きて行ってしまう存在というのがよくわかる映画ではあった、気がする→晩飯後早々に就寝→深夜起床し一時間ほどギター練習→『徳川女刑罰史』(石井輝男。橘ますみ、吉田輝雄、沢彰謙、芦屋雁之助、上田吉二郎、渡辺文雄/賀川雪絵、白石奈緒美、林真一郎、尾花ミキ/沢たまき、小池朝雄、南風夕子、由利徹、三笠礼子。1969、東映)。(以下責めの正式名称はわからないが)冒頭に吊るし首切り、火炙り、又裂き、第一話が水礫(みずはりつけ)、第二話が泥鰌責めと逆さ釣りザリガニ?責め(この辺で主旨が変わってないかな?)と磔(槍刺し)、第三話がキリスト教女宣教師への石抱き、三角木馬、首輪調教、水車責めなど。エロよりも残虐刑罰カタログとして面白かったが(思い切りがいい撮り方もよかった)、第二話の尼レズや男女僧の密会はちょいとよかったな。そして最後に渡辺文雄の変態ぶりが明らかになり、それに彫師の小池朝雄が感応して爆発するのもよい→朝方就寝。
12月20日(木) 昼頃起床、白湯、栗の蜂蜜→『残酷異常虐待物語 元禄女系図』(石井輝男。土方巽、吉田輝雄、橘ますみ、木山佳、山本豊三、上田吉二郎、カルーセル麻紀/葵三津子、若狭伸、石浜朗、沢彰謙、ジム・M・ヒューズ/小池朝雄、賀川雪絵、阿井美千子、田中美智、尾花ミキ。1969、東映)。第一話の、回し部屋の撮り方が面白い。カルーセル麻紀が橘ますみに身体勝負を挑むのもの味わい深い。第二話は冒頭の小人とのSとMの逆転が鮮やかと言えばそう言えるか。その他は一年前に観たときの感想「『おちせの巻』の変態性欲描写は好む範囲だし、『おみつの巻』の小池朝雄と音楽には爆笑させられるが、全体にエログロ描写は今となっては特に感想なし。あまり驚きも興奮も笑いもしないな」とあまり変わりはなかった。あと、三話ともに出てくる医者玄達(吉田輝雄)が誰も救えないのはなんだか可笑しい→ギター練習→夕方三軒茶屋へ→今回はサックスも参加しての練習。新アレンジの『Come Together』も『Day Tripper』も数回の試行錯誤で通しでできるまでにはなった。あと何回繰り返せるかだなー。それとボサノバ残り三曲は未知数→いつもの沖縄料理屋で一杯やって帰宅。深夜バスの運賃がわからなかったのでギターかついで歩いで帰る→深夜豚ロースの粕漬けなどつまんで一杯。朝方就寝。
2018年12月20日
12月まとめ(11〜20日)
posted by aokiosamublog at 23:00| 小ネタ/思考/日記