12月21日(月) 朝8時起床。蕎麦湯→昼過ぎまでに「JINYA DISCとは」「高柳とは」を書き終えたので送付→午後昼酒。お供は『極楽坊主』(監督:武田一成。藤岡重慶、由利徹、宍戸錠、戸部夕子、相川圭子、大谷淳、岡崎二朗、藤江リカ、芦屋雁之助、榎木兵衛、隅田和世、真山知子、山本修平、真山知子、深江章喜、安倍徹。1971、日活)。これは珍品。スカッと明るいエロ映画なのだが、宍戸錠が主演(怪演)することで、そのスカッと明るい要素がさらにバカ映画として際立ったと思う。他の役者もうまいというわけではないが役にぴったりハマっていて、こういう映画を作るんだという演出の覚悟も強く感じられ、観ていて大変気持ちよい。これは掘り出し物だった→〆に昨夜の汁で蕎麦手繰ってから午睡→『極楽坊主』再見しながら揚げ物(鶏、海老)で一杯→午前2時頃就寝。
12月22日(火) 朝8時半起床。蕎麦湯、マヌカハニー→老父買い物付き添いと昼(サミット、クリエイト、深水庵)。昼はなめこそば→帰途灯油購入。ガソリンスタンドはものすごい混んでいた→風呂→一杯やりながら『飛びっちょ勘太郎』(原作:長谷川伸、監督:久松静児。森繁久彌、山茶花究、淡路恵子、藤山寛美、島倉千代子、春川ますみ、峯京子、立原博、曽我廼家明蝶、石田茂樹、二木てるみ、頭師孝雄、丹波哲郎。1959、東宝)。長谷川伸原作、森繁久彌主演で淡路恵子と藤山寛美が脇を固めて、面白くないわけはないのだが、何故かピンと来なかった。起承転結がもやもやした感じなのと、あと森繁は意外にひとりで主役を張ってももたないのではないかと思ったが、果たして(周囲に芸達者が複数いて主役集団の中の頭目、という感じだと映えるが、ひとりだと意外に花がない、という感じが、この作品ではした)→午睡→起きてモノマネ番組見ながらおでん。酒は酎ハイ一杯のみ→夜0時就寝。
12月23日(水) 朝7時半起床。白湯、マヌカハニー、メイプルシロップ→昼過ぎ散髪へ。経堂駅までの途中、Y田さんにばったり。お元気そうでなにより→今年最後の散髪でさっぱり。TVなどでの白髪自慢がいやったらしい女とか、居酒屋を食い物にしている面倒男などの悪口に花が咲いて面白かった→いい気分で青山墓地経由(お手洗いを借りついでに先祖の墓参)で元赤坂の洋食屋〈わか〉を訪ね、カキフライとインディアン(カレー風味のナポリタン)で一杯。三十年前に出前をよく頼んでた頃以来だが、店を訪ねるのは初めてかもしれない。出前の印象よりもずっと落ち着いたよい見せだった。また来よう→そのまま歩いて四谷。四谷から平和に電車で帰宅→歩き疲れて午睡。今月ほとんど歩いていなかった→おでんでビール中瓶×2→夜11時過ぎ就寝。
12月24日(木) 朝8時半起床。白湯、マヌカハニー、メイプルシロップ→JINYA関連の原稿を修正。だいだいできたかな。あとで見直して、今晩送付の予定→風呂→JINYA関連原稿送付→夕方高円寺へ→ちんとんしゃんにて暮のご挨拶がてら一杯。ご常連の土手連(というには本格的)の先輩から穴子寿司をいただく。その後O金さん、(多分)K井さんもいらして、ちょいと一杯のつもりがけっこう飲んでしまった。夜10時頃おいとま→平和に電車で帰宅→カップヌードルすすって就寝。午前0時頃。
12月25日(金) 宿酔いと疲れで終日横臥→午後起き出して食事→JINYA関連のやり取りして、最終的な修正の方向性など見えてくる→風呂→おでんの残りとソーセージ炒め、ピーマン炒めでビール一本だけ。あとは豚汁とご飯(納豆、海苔)→人力舎の芸人を特集した番組で笑う。その後は『クイズ!脳ベルSHOW』。すっかり毎日見るのが定着したな→『からくり事件帖』の「番外、桜田門」見ながら金宮お湯割。『タモリ倶楽部』も今日から休みだし、これで平常見ている番組はすべて年末年始のお休みか→午前2時頃就寝。
12月26日(土) 朝8時半起床。白湯、マヌカハニー、メイプルシロップ→昼前中江クリニック。薬を軽くしたら起床時血圧が上がったので院長先生に相談したかったのだが、土曜日お休みなのを忘れていた。まあ案の定、降圧剤は以前に戻った→千歳船橋駅前でO形と待ち合わせ、秀、オオゼキで正月用の買い物→代一元で昼(焼売、青椒肉絲ハーフサイズ、カレーライス、ビール中瓶×1)→春日屋で鶏ガラとここ数日分の肉類買って帰宅→一階を少し片付け。すぐに息が切れた→午睡→起き抜けに鯨統一郎『崇徳院を追いかけて』読了。初期二作読んでから放っておいたので、本作の展開には驚いた。推理小説としては緻密さに欠ける印象もあったが(一読してのではあるが)、この先どうなるのだろうとワクワクさせられるような魅力は感じた。キャラクターと設定(宮田六郎と早乙女静香の関係がどう転がっていくか)の所為もあるのだろうとは思う→また少しだけ一階片付け→風呂。湯船で鯨統一郎『文豪たちの怪しい宴』を収録四編中三編読んでしまい、思わぬ長湯。体表の脂が流れ落ちたのか、肌が痒い→晩(豚肩ロースソテー、縮みほうれん草とぶなしめじの炒め、海苔チーズ、豚汁、ご飯、納豆、生卵)のお供に『CAT'S EYE キャッツ・アイ ミッドナイトは恋のアバンチュール』(早見優、MIE、立花理佐、小倉久寛、高橋良明、京本政樹、原田大二郎。1988、NTV)。西城秀樹追悼ということで放映されたのかな。特に語ることはなし→口直しに、昨夜に引き続き『からくり事件帖』の「番外、桜田門」。こちらはしみじみよい→夜0時過ぎ就寝。
12月27日(日) 朝11時起床。白湯、マヌカハニー→終日一階片付け。五割くらいは進んだか。進み具合はともかく、31日の午前中になんとかなりそうな気にはなってきた→風呂→晩はTVのドッキリ番組見ながら(菊水堂ポテトチップス、ソーセージ炒め、縮みほうれん草炒めとトマト、豚コマとぶなしめじの炒め、じゃがいも細切りソテー(チーズ)、里芋と油揚のおつけ、ビール中瓶×2)→夜9時頃眠くなって寝ようかなと思ってから、『最も危険な遊戯』(監督:村川透。榎木兵衛、石橋蓮司、松田優作、入江正徳、草野大悟、内田朝雄、名和宏、田坂圭子、荒木一郎、見明凡太朗、大前均、阿藤海、市地洋子、岡本麗。1978、東映)。今となっては松田優作がカッコいい、それだけを追求して見せるための映画だなあという印象。松田優作にハマってないと、初見時はともかく割と退屈するのではなかろうか。どうだろうか。大野雄二の音楽は、テーマ的な曲はありきたりの印象だが、銃撃戦などでフリーの趣が出ている演奏は(マイルスっぽいが)なかなか素晴らしいと思う→『韋駄天街道』(監督:萩原遼。長谷川一夫、岸井明、横山運平、榎本健一、澤井三郎、中村是好、小島洋々、山根寿子、鳥羽陽之助、澤井けんじ、清水将夫、森健二、宏川光。1944、東宝)。1944年の映画だし、冒頭に「撃ちして止まむ」という標語が表示され、内容もお国のためにみんな力を合わせて郵便事業に従事しようという道徳臭いものだが(主役の長谷川一夫とエノケンが積極的に郵便事業に取り組む様子で終わる)、国策映画というよりも血の繋がっていない父子とほんとうの親子の葛藤を描いた人情噺である点のほうが印象に残る。それよりも印象に残るのは、唐突に明治維新が起こり(しかも字幕たったふたつで幕府瓦解と新政府樹立が説明される)、長谷川一夫とエノケンが装いも颯爽と新時代に馴染んでいるという終幕だ。唐突すぎて笑う→映画二本で金宮お湯割三杯。午前2時頃就寝。
12月28日(月) 朝8時起床。白湯、マヌカハニー→昼は下高井戸に出て、まず八百屋で買い物したのちJazzKeirin(緑の煮込みとビール)。それから魚屋で買い物して帰宅→一階片付け少し。終わりが見えてきた→賄当番。白菜を使った無水カレーを試してみた。手順としては、1.白菜の硬い部分を削ぎ切りにする、2.鍋に胡麻油大1を敷き1.と酒大1を投入、3、白菜の柔らかい部分を重ね蓋をして弱火で15分、4.水分が出てきたら、玉葱(大1/2をぶつ切り)、トマト(中1をぶつ切り)、大根(一本の半分くらいを1cm厚のイチョウ切り)を順に入れて酒大1を加えさらに弱火にかける、5.短冊に切った豚肩ロースを野菜の上に乗せる、6.豚の片面に軽く火が通ったらひっくり返す、7.いつものカレーソースを蓋をするように上にかぶせしばらく放置、8.様子見て混ぜる、9.いったん冷まし温め直すときに適当に切ったピーマン投入。で、完成。カレーソースを作るのに多少水を使うが、あとは白菜その他の水分だけで煮た。ものすごい旨味が出るというわけではないが、しみじみうまい感じ。付け合わせには茹でニンジンのスパイスバター炒め→晩はビール中瓶を一本半ほどだったが、食後に金宮お湯割を飲みつつ『ヘイトフル・エイト』(原題『The Hateful Eight』、監督:クエンティン・タランティーノ。サミュエル・L・ジャクソン、ジェームズ・パークス、カート・ラッセル、ジェニファー・ジェイソン・リー、ウォルトン・ゴギンズ、デミアン・ビチル、ブルース・ダーン、ティム・ロス、マイケル・マドセン、クレイグ・スターク、チャニング・テイタム、キース・ジェファーソン、リー・ホースリー、ゾーイ・ベル、ディナ・グーリエ、ベリンダ・オウィーノ、ジーン・ジョーンズ。2015、米The Weinstein Company)。アメリカの歴史を比喩を多用しながらも冷徹に描こうとした、という大雑把な部分はわかったが、それが深い感動に結びつくまでには、私は至らなかった。ジェニファー・ジェイソン・リーの芝居は最初から飛ばしている感じで、最後まで印象に残ったから、そこを手掛かりにもっと深く鑑賞することはできたかもしれない→午前3時頃就寝。
12月29日(火) 昼頃起床。接骨院さぼってしまった→昨夜のカレーと目玉焼きチーズトーストで朝→夕方すずらん通りに出て、〈梅田青果〉と〈ミートコンパニオン〉で買い物。それから〈アダン〉さんに寄って正月の花を頼んでから、〈スタンド八九〉に暮れのご挨拶。S嬢とパンクの先輩いらしてて、ドルチェ&ガッパーナの香水の秘密だとか時代劇TVドラマ『御家人斬九郎』の若村麻由美の素晴らしさだとかの話になってたいそう面白く、あるいは勝新の歌う『サニー』や遠藤ミチロウの表現力のもの凄さに現を抜かした。金宮のお湯割×3と御酒×2、楽しい飲酒であった→小腹が空いたので〈弘楽〉でレバ野菜炒め(ニラを切らしていたらしい)でビール、それからトリそば→帰宅後「焼いちゃダメだ。焼いちゃダメだ。焼いちゃダメだ。焼いちゃダメだ。焼いちゃダメだ−−」『新鮮です レバーゲリオン』という駄洒落を思いつき、それから即就寝。夜9時頃。
12月30日(水) 午前3時起床→雑煮の出汁製作開始。今年は分量を測り記録することにした(水5.6ℓ、酒300cc、昆布一枚、生姜ひとかけ、蒼葱一本分、鶏ガラ一羽分、醤油100cc、塩小さじ3)→昆布を一時間煮出し、鶏ガラを三時間。一羽分だと少なかったようなので、鶏もも肉を50gくらい足してまあなんとか。でも薄味かな→一階の仕上げ。『リズム&ドラム・マガジン』の古いの(今世紀に入ってすぐぐらい)二十冊くらいも処分することにした(一部保管)→二階の食卓をバラして一階に移動→休憩→〈しらかめ〉に年越し蕎麦を受け取りに。その前にコルティに寄って、泥縄式にせいろを購入(一枚しか買えなかったが、いつも使ってるのが二枚あるので、格好悪いがなんとかはなる)。それから農大通り下る最中にお米屋の若女将が店先に出ていたのでご挨拶。で、〈しらかめ〉でもご夫婦にご挨拶して蕎麦受け取り、帰りがけに『つげ義春大全』代支払い。そこでわさびを買わないといけないかもと思いついたのは正解だった→帰宅して餅切り→風呂→主に『第62回『輝く! 日本レコード大賞』を見ながら飲酒(鰯刺身、鰯ワタ焼き、鰯皮焼き、いくら、ビール中瓶×2、御酒×不明)。〆に餅入れた雑煮→夜10時頃就寝。
12月31日(木) 朝10時起床、白湯→一階の準備してから老父を迎えに→午後2時から二時間、老父を交えて酒宴と年越し蕎麦。酒肴はマグロ赤身、牛肉ごぼう巻き、天ぷら(車海老、貝柱かき揚げ、穴子)などを饗したが、喜んでもらえたようでよかった。タクシーを4時に予約したが、ちょっと早過ぎたようだ。来年は三十分くらい遅らせるか→父を見送ってから、一階を片付けて食卓や石油ストーブを二階に運び、元通りに。O形はおつかれさまでした→風呂→新規感染者数がついに1300人超え(1337人)。千人超えるのは誰もが予想していたと思うが、先週の同曜日と比べて1.5倍というのは私の想像を超えていた→今年観た映画についてFacebookに投稿。毎年恒例、みたいにしたので今年も投稿したが、反響はまったくなし。こっちにも全文載せておくか。
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今年はなんだか今世紀に入ってからの韓国映画をたくさん観た。たくさんと言っても、今年観た映画377本中の20本だけれども、どれも見逃していたのを後悔するくらいだった。
有名な『タクシー運転手 約束は海を越えて』(チャン・フン、2017)や『パラサイト 半地下の家族』(ポン・ジュノ、2019)も素晴らしかったが、私にとってはホン・サンスを知ったのが大きな収穫だったなあ。『よく知りもしないくせに』(2009)、『ハハハ』(2010)、『教授とわたし、そして映画』(2010)、『次の朝は他人』(2011)、『正しい日 間違えた日』(2015)、『夜の浜辺でひとり』(2017)、『クレアのカメラ』(2017)、『それから』(2017)の8本を観たが、いずれもモチーフはほぼただひとつなのに、ちっとも飽きなかった。
韓国映画はほかには、『母なる証明』(ポン・ジュノ、2009)、『建築学概論』(イ・ヨンジュ、2012)、『ビューティー・インサイド』(ペク、2015)が印象に残った。あと『JSA』(パク・チャヌク、2000)もひさしぶりに観たが、これまた改めてすごい映画だなと印象を新たにした。
あとはエリック・ロメール「喜劇と箴言集」シリーズとその後の作品をまとめて観たりとか、ハリウッドのラブコメやバカ映画の秀作(ノーマン・ジュイソン・1994『オンリー・ユー』、ハロルド・ライミス・2000『悪いことしましョ!』、パスカル・ショメイユ・2012『バツイチは恋のはじまり』、アキヴァ・シェイファー・2016『俺たちポップスター』、マンディ・フレッチャー・2018『パグ・アクチュアリー ダメな私のワンダフル・ライフ』)にいくつか出会ったりとか、大林宣彦初期短編に舌を巻いたりとか、ndjc:若手映画作家育成プロジェクトで制作実地研修に選ばれた作品だとか(岨手由貴子・2009『アンダーウェア・アフェア』、森英人・2010『動物の狩り方』、鈴木研一郎・2012『ラララ・ランドリー』、山下征志・2014『世田谷区,39丁目』)、斎藤寅次郎で未見だったものとか(1929『モダン怪談100,000,000円(松竹グラフ短縮版)』、 1952『トンチンカン捕物帳 まぼろしの女』、1959『大笑い江戸っ子祭』)、いろいろ観てほかにいくつも楽しみ記憶に残ったが、まあだいたいほぼ毎日観ながらメモを取ったり観ながら浮かんだ感想を見終えた直後に書いてたりしたら、さすがに草臥れた。一文にもならないのに、なにやってんだろうか。
そういえば、今年はバカサメ映画とバカゾンビ映画はほとんど観なかったな。ソンビ映画は、バカ映画ではないが、デンマーク/スウェーデン制作の『ゾンビの中心で、愛をさけぶ』(アントニオ・トゥーブレン、2015)くらいか。サメ映画は一本観始めたら以前観たことのある面白くないやつだったので途中でやめたので、結局一本も観ていない。来年はついに禁断のバカサメAV(『床ジョーズ』とか)に手を出すかな。
ということで、今年観た映画の一覧です(下記リンク)。ではみなさんよいお年を。
https://aokiosamu.jp/movie2020/
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→紅白見ながら飲酒して荒ぶって、日付変わる前に就寝。
2020年12月31日
12月まとめ(21〜31日)
posted by aokiosamublog at 23:00| 小ネタ/思考/日記