2021年05月20日

5月まとめ(11〜20日)

5月11日(火) 朝7時半起床。白湯、マヌカハニー→本日PCR検査。口中環境を清潔にし過ぎたり直前に飲食したりしてはいけないようなので、起きたらすぐに歯を磨いて、朝食は抜きにする(深夜餃子の皮にカレーを乗せて焼いたのを酒肴にしたので、そんなに空腹でもない)→昼前新宿に出て、歌舞伎町の〈木下グループ新型コロナPCR検査センター〉にてPCR検査を受検。特に発熱など症状があるわけではないが、どんなものか一度受けといてもいいんじゃないか、といった趣旨。唾液をたくさん出すのがちょいと大変だったが、難しいことはなにもなかった。結果が出るのは明日だそうだ。折に触れて受けてもいいかもしれない→新宿駅から検査センターまでの間、しょんべん横丁を抜けてみたが、やってるのはラーメン屋と立ち食い蕎麦屋、あとは〈岐阜屋〉だけだった→歌舞伎町をぐるりと巡り(休んでる店が多いのかどうかは昼だからよくわからない)、新宿三丁目まで歩いて〈桂花〉で昼(細麺桂花)→昼食後O形と別れ、私はBYGSビルのお手洗いで歯を磨いたのち四谷四丁目まで歩き、そこから外苑西通りを南下して原宿経由表参道交差点へ。新国立競技場の前の〈ホープ軒〉が繁盛していたのがなんだか可笑しく、原宿に入るとキャットストリートに並ぶ店舗の多くが廃業したのか貸物件だらけだったのに驚いた→〈GENT + HONEY〉での散髪はいつも通り。本日はまた門前仲町〈筑定〉のたらこの佃煮をいただく→今度は表参道の南側の裏を通って原宿駅まで歩き、あとは平和に電車で帰宅。〈大橋とうふ〉でおからコロッケ、寄席豆腐、油揚三枚を購入→午睡(眠らず)→B電子と『かりら』連絡業務→今日はカレーの残りをどうにかするのでラッサムを作りたいなと思ったが、タマリンドも梅干しもなく、試しに煎り酒でなんとかしてみるが、酸味はトマトだけだった。そりゃそうだ。でもまあ悪くはない。あとは新じゃがとニンジンのクミンココナッツバター炒めを製作→風呂→寄せ豆腐に胡麻を和えたのもこさえて、あとはおからコロッケも出した。それで全体にはビール中瓶×1、金宮酎ハイ×2→『三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実』(監督:豊島圭介。三島由紀夫、芥正彦、木村修、橋爪大三郎、篠原裕、宮澤章友、原昭弘、椎根和、清水寛、小川邦雄、平野啓一郎、内田樹、小熊英二、瀬戸内寂聴、ナレーション:東出昌大。2020、ギャガ)。三島由紀夫という人は大した人物だったんだな、というのが第一印象。で、ドキュメンタリー映画としてどうかと考えると、そういう印象が際立つような作り方はどうかな、とは思った。いろんな証言を集める中で、強烈に批判的なものはなかったのかもしれないし(芥正彦の見方は当時の三島像をかなり正確に記憶しているように思ったが、それでも好意的な発言もうまく拾っている)、あるいはそういう発言があっても採り上げるに値しないものだったかもしれないが、ひとまず出来上がった作品を観た感想としては、当時の三島由紀夫を客体化し過ぎたのではないか、ということだが、この客体化という言葉も含めて、この感想が妥当かどうかに自信はない。でも芥正彦以外の当事者≠ヘ幾星霜を経て自分なりに消化した三島由紀夫を語っていたような気がして、そこが気に入らなかったとは思っている→夜11時頃就寝。
5月12日(水) 朝5時起床。白湯、マヌカハニー→45分ほど散歩(希望ヶ丘公園方面)→朝は昨夜のラッサム、カレーにポーチドエッグ→『かりら』挟み込みの最終形完了。チェックを待って印刷手配と進む予定→午前中買い物(オオゼキ、秀)→B電子昨日の連絡の精査→昼(たぬきそば)→B電子Webショップ改訂の続き。本日は5製品。これでキーボードアクセサリー関連は完了(と思うが、果たして)→晩の支度。本日は黒カレイの煮付け、きんぴらごぼう、小松菜おしたし(ちりめんじゃこ)、春キャベツと緑赤ピーマンとトマトのサラダ、なめこと油揚のおつけ、ご飯、納豆、海苔→風呂→『ガス燈』(原題『Gaslight』、原作:パトリック・ハミルトン、監督:ジョージ・キューカー。イングリッド・バーグマン、エミール・ラモー、シャルル・ボワイエ、メイ・ウィッティ、アンジェラ・ランズベリー、バーバラ・エヴェレスト、ジョゼフ・コットン、トム・スティーヴンソン。1944、米MGM)。冒頭の緊迫感から一転、殺人事件被害者の身内(主人公、イングリッド・バーグマン)が成長して幸せをつかんだと思わせておいて、列車の中で遭遇した無邪気な婦人が悪気なく不穏な雰囲気を醸し出して、そこからじわじわとサスペンスの気分を盛り上げていく、という演出が、じつにうまい。明確な恐怖ではなく、主人公に自分がおかしくなっていくのではないか≠ニいう疑念を徐々に与えていくその手口(心理的虐待)も気味が悪くてよい。役者それぞれの役割が明確で、それぞれその役割をきちんとこなしている様子もこの映画にはうまく効いていたと思う。恥ずかしながら初めて観たが、名作として残る作品にはそれなりの力があるのだなという感想→ビール中瓶×1と御酒×2くらいで酔っ払って早々に就寝。夜11時前。
5月13日(木) 朝7時半起床。白湯、マヌカハニー→老父と昼食および買い物付き添い(深水庵、サミット、クリーニング屋)。〈サミット〉では刺身用カツオサク(背)、ニンジン、大葉と、あと純米料理酒を購入(煎り酒を自作してみたくなったので)。老父いわく、新型コロナウイルスワクチンは、そんぽの家に打ちに来てくれるそうで、来週の一回めの接種と相なったそうだ→帰途ガソリン満タンにして帰宅→aol.comメールアドレス宛のメールがなぜかいつも弾かれてしまい、調べるとこちらが利用しているメールサーバーが先方に拒否されているようなのだが、詳細わからず。ホスティングサービス会社に問い合わせ→晩の支度。サラダ用の野菜(キャベツ、ピーマン、新玉葱)切って、ニンジンを茹でてクミン炒め(煎り酒)、米研ぎ。とりあえずそこまで→風呂→『花筐/HANAGATAMI』(原作:檀一雄、監督:大林宣彦。窪塚俊介、村田雄浩、柄本時生、長塚圭史、満島真之介、矢作穂香、常盤貴子、武田鉄矢、入江若葉、山崎紘菜、門脇麦、豊田邦子、根岸季衣、池畑慎之介、白石加代子、大川竜之助、大塚康泰、片岡鶴太郎、小野ゆり子、嶋政宏、原雄次郎、品川徹、伊藤孝雄。2017、新日本映画社)。『HOUSE』を忘れてないかのような絵作りと、役者への舞台演劇のような(映画としては不自然ともいえる)演出が感動に結びついていく作り方がとにかく印象的。若い役者たちも(武田鉄矢は微妙に浮いて見えるが)その演出にしっかり応えていると思う。3時間近い長尺ながら、その尺の長さをしっかり捉えた速度感にも舌を巻く→飲酒はビール中瓶×1、御酒×3くらい→夜11時過ぎ就寝。
5月14日(金) 朝7時半起床。白湯、マヌカハニー→朝はなめこと油揚のおつけ(揚げ玉)、卵かけご飯、納豆→『かりら』挟み込み、「まだまだ収束の兆しも見えませんが、執筆者のみなさま、読者のみなさま、〈ちんとんしゃん〉のお客様のご無事を祈っております。」の一文追加を提案しOK、ここまでの分修正もなしとなったので、〈東京カラー印刷〉に印刷手配→昼はトマトソースライス→B電子と連絡業務。結局昨日までにまとめた5製品分提出することになり、続きの製品も明確になった→風呂→晩は行辺のおつまみセット(お刺身二種(マコガレイ、シマアジ)、出汁巻き卵、ポテトサラダ、ローストポーク、子持ち昆布)、キャベツとピーマンと新玉葱とトマトのサラダ、舞茸と油揚のおつけ、ご飯、築定たらこ佃煮、ビール中瓶×1、金宮酎ハイ(薄め)×2→『春の若草』(監督:原研吉。笠智衆、三橋達也、三島耕、月丘夢路、須賀不二男、井川邦子、草笛光子、諸角啓二郎、奈良真養。1954、松竹)。特に欠点はないが、観終えてよかったなと思ったのは月丘夢路の顔が拝めたのと、草笛光子21歳の存在感を味わえたくらいだった。丁寧に作ったいい映画なのだけれども、この作品ならではのこれ、という特徴はよくわからなかった→『花筐花言葉 今伝え遺したいこと。』(監督:わたなべりんたろう。大林宣彦、岩井俊二、常盤貴子。2017、日本映画専門チャンネル)。大林宣彦が肺癌をどのように前向きに受け入れたか、という話が白眉。そこから『野のなななのか』や『花筐』の制作の話になっていく様がとても面白かった。岩井俊二の人物はよくわからなかったが、常盤貴子の物静かで穏やかな佇まい(しかし言うべきことは明確に言う)が印象的だった→『逃亡者』(原作:藤原審爾、監督:古川卓巳。長門裕之、相原巨典、野呂圭介、垂水悟郎、小泉郁之助、西村晃、稲垣美穂子、近藤宏、露口茂、小園蓉子、二本柳寛、松本染升、紅沢葉子、浜村純、伊藤寿章、三原一夫、南風夕子、富田仲次郎、高田保、長弘。1959、日活)。長門裕之がクルマで離陸直後のヘリコプターに突っ込んでいくところは面白かったし、西村晃は何観てもさすがだが、ほかに感想なし。犯罪者たちがみな一様に脇が甘いのが興醒めの主な要因だと思う→深夜に映画観ながら金宮酎ハイ×3、〆に桂花のカップ麺。午前3時頃就寝。
5月15日(土) 朝8時半起床。白湯、マヌカハニー→朝は舞茸と油揚のおつけ(揚げ玉)、卵かけご飯、錦松梅、海苔→『十七才の抵抗』(原作:戸田昭子『可奈子』、監督:井上梅次。原恵子、堀川京子、泉桂子、福田文子、天路圭子、清水マリ子、浅丘ルリ子、津川雅彦、長門裕之、小林重四郎、轟夕起子、広岡三栄子、浅野すゞ子、瀬川路三郎、伊藤寿章、原ひさ子、白木マリ、青木富夫、鏑木はるな、安部徹。1957、日活)。昨夜観た『逃亡者』の二年前、同じく長門裕之出演作だが、映画の輝きというものがまるで違う。浅丘ルリ子と津川雅彦の輝きもあろうが、前時代的な田舎の大衆芝居と現代的かつ都会的な青春の対比、その両方に引き裂かれつつ成長するヒロインといった主要なモチーフの描き方がその残酷さも含めて鮮やかで、かつ特にその「引き裂かれつつ」という部分の切なさに心打たれる。私は知らなかったが名作ではなかろうか→O形サイト更新(絵日記)→昼は抜きにして、晩の製作。ひさしぶりになすのアチャールを作り、それからアルーニンジンマサラ、カレーは鶏とオクラのココナッツカレー。冷蔵庫のトマトが傷み始めていたので、缶のホールトマトではなく生を使った。最初味が決まらなかったので、ガラムマサラを大さじ1加えてなんとか解決→風呂→『はるか、ノスタルジィ』(原作:山中恒、監督:大林宣彦。勝野洋、石田ひかり、松田洋治、尾美としのり、ベンガル、根岸季衣、岸部一徳、石田ゆり子、多岐川裕美、川谷拓三、原ひさ子、増田恵子、佐野史郎、入江若葉、柴山智加、赤座美代子、大前均、永島暎子。1993、東映)。中年が失われた(敢えて失くした)記憶をそうとは思わず手繰り寄せる、というのは物語の筋としては面白いし好きな部類。しかし勝野洋という配役は、いいんだか悪いんだか、私はよくわからなかった。晩年の戦争三部作の端緒という位置付けと考えると、意義はあるかな、と思った。しかし若い女優(ここでは石田ひかり)の撮り方は、やはりすごいと思う→晩はアルーニンジンマサラ、なすのアチャール、キャベツ新玉葱トマトチーズ(粉、スライス)のサラダ、鶏とオクラのココナッツカレー、玄米バスマティ米ブレンドご飯、F式らっきょう、金宮酎ハイ×3、赤葡萄酒1/2→夜11時頃就寝。
5月16日(日) 朝7時起床。白湯、マヌカハニー→アルーニンジンマサラ、なすのアチャール、鶏とオクラのココナッツカレー、玄米バスマティ米ブレンドご飯、ポーチドエッグ、F式らっきょう→午前中B電子作業続きの8製品。これでひと区切り→昼は飲酒のみ(菊水堂ポテトチップス、酢昆布、ビール中瓶×2)→『カツベン!』(監督:周防正行。牛尾竜威、藤田りんか、山本耕史、竹野内豊、永瀬正敏、酒井美紀、成田凌、音尾琢真、竹中直人、徳井優、田口浩正、正名僕蔵、渡辺えり、成河、高良健吾、森田甘路、小日向文世、井上真央、黒島結菜、池松壮亮。2019、東映)。活動弁士がテーマということで期待して観たが、活動弁士を採り上げたのは映画のテーマというよりは話題性のある素材としてという感じで、その職業や藝に深い興味を持って制作されたとは思えなかった。これなら落語でも講談でも浪花節でも大衆演劇でも、何者でもない若者が潜り込めそうでその時代に流行ってたような娯楽であればなんでもよいではないかと思ったら腹が立ってきた。竹中直人の役名が青木富夫というのも昨日観た『十七才の抵抗』での映画館の呼び込みを青木富夫がやってたのを思い出して腹が立つし、エンドロールで流れる奥田民生の活動弁士をネタにした『東京節』もおざなりな感じで腹が立つ。フィルムの在庫をめちゃくちゃにされたあと、使える部分をつないでそれを主人公が見事に弁ずる、というところは面白かったが、これももっと感動させるようなやり方があったように思うが、果たして→映画観ながら(途中飽きたので)晩の支度。なすのアチャール(ニンニク切れ)、アルーニンジンマサラ(クミンシード切れ)、新玉葱のアチャールを製作→風呂→聖戒編、大橋敏雄校注『一遍聖絵』読了。本書記載の文から頭の中で一遍上人の生涯を再構築することができなかった−つまり口語文がほぼ読めなくなっているということで、たいへん恥ずかしいことだが桜井哲夫『一遍と時宗の謎』を読み返すなりして復習せねばなるまい→晩は『笑点』など見ながら、なすのアチャール、アルーニンジンマサラ、新玉葱のアチャール、ピーマンのライタ、鶏とオクラのカレー、玄米バスマティ米ブレンドご飯、金宮酎ハイ×2→食後さらに金宮 酎ハイ×2で『海辺の映画館―キネマの玉手箱』(監督:大林宣彦。内田周作、小林稔侍、高橋幸宏、吉田玲、白石加代子、厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦、成海璃子、山崎紘菜、常盤貴子、大場康正、尾美としのり、武田鉄矢、柄本時生、片岡鶴太郎、村田雄浩、稲垣吾郎、蛭子能収、大林宣彦、ミッキー・カーチス、浅野忠信、伊藤歩、品川徹、入江若葉、手塚眞、犬童一心、根岸季衣、中江有里、笹野高史、本郷壮二郎、川上麻衣子、満島真之介、大森嘉之、渡辺えり、窪塚俊介、長塚圭史、犬塚弘。2020、アスミック・エース)。『カツベン!』と比較してもしょうがないが(そもそもやろうとしていることが違うのだから)、しかし映画で映画を語るならこれくらいしてもらいたいと思う。鈴木清順ばりの(凌駕するくらいの)気の狂った絵造り、しかし溢れる映画愛でもって、その狂気に驚くべき説得力を与えている、と思った。人が人を想う気持ちを軸に観る者に感動を与えつつ、戦争という暴力がまだまだはびこる世の中で映画には何ができるのか、という問いを作者自身に向けて真正面から発していると思われる点も、徒に自己問答になるのではなく、観る者も巻き込む力を感じた。傑作といってよいかは一度観ただけではわからないが、とんでもない映画を最期に作ったものだ、とは思う→午前2時半就寝。
5月17日(月) 朝7時半起床。白湯、マヌカハニー→なすのアチャール、アルーニンジンマサラ、新玉葱のアチャール、ピーマンのライタ、鶏とオクラのカレー、玄米バスマティ米ブレンドご飯、ポーチドエッグ→昨日作業終えたB電子8製品分を提出→→高柳演説音声文字起こし→昼はアルーニンジンマサラと新玉葱のアチャールでビール中瓶×1。〆に冷やしたぬきそば→『風ふたたび』(原作:永井龍男、監督:豊田四郎。原節子、龍岡晋、南美江、三津田健、山村聡、浜田百合子、菅原通済、御橋公、十朱久雄、池部良、村上冬樹、杉村春子。1952、東宝)。簡単に言えば持てる者と持たざる者の相克を描いた、と言ってよいと思うが、持てる者(山村聡)の葛藤がけっこう薄味だったので、物語全体としては深みに欠けるのではないかと思った(主人公の父の窃盗が疑われるが、これもほぼ状況からの推測だけで、深くもない疑念もあっさり晴れ、大きな波紋を呼ぶわけでもない)。原節子の芝居が、小津映画では見られないような、ぱっと見てわかりやすく全身を使っている(演出として使わせている)という点は新鮮だった→風呂→晩はニンジンと油揚の煮物、卵とどんこのスープ、ご飯、佃煮(かつお小町、生あみ、きゃら蕗、手むきあさり、築定たらこ)、納豆、海苔、ビール中瓶×1、金宮酎ハイ×3。自作煎り酒の具合を試したくて、ニンジンと油揚の煮物は味付けなし(かつお出汁のみ)。自作煎り酒は、ニンベンのホームページで紹介されていた『やまでらくみこのレシピ』の「江戸文化研究家の車浮代さんのレシピ」を試してみたが、銀座三河屋のものと比べると塩気に欠けるだけでなくコクもなくて、ニンジンと油揚の煮物のつけ汁としては物足りなかった。しかし海苔につけて食べる分には悪くなかったので、素材によるのだろう。次はおなじページに紹介されていた「日本料理の名店「割烹すずき」の店主、鈴木好次さんのレシピ」を試してみようと思う→『風ふたたび』をもう一度観たが、最初に観たときよりも滋味のようなものが感じられた→早々に就寝。夜9時前。
5月18日(火) 朝4時半起床。白湯、マヌカハニー→ポール・D・ジンマーマン『マルクス兄弟のおかしな世界』(THE MARX BROTHERS AT THE MOVIES、中原弓彦・永井淳訳)読了。「訳者あとがき」で中原弓彦が書いていた「なお、本書は、視覚的な意外性ギャグの記述では、そうとう脱落がある−−だから、映画を見るとき、よけい、楽しいのだが−−が、グルーチョの〈喋りのギャグ〉は、ほぼ完全に捉えられている。従って、猛烈なスピードの彼の喋りを理解するためには、この本は格好のハンドブックといえるのである」が、私にとっても読後感の大半を占める。付け加えるならば、これは中原弓彦にも言えるが、各作品の成功・失敗を一面的な見方で断ぜず、いろいろな角度から眺める視線がもっとほしかったなと思う(もちろんゼロではないが)。しかしその辺を厳しめに見たとしても、残るべき/残すべき本であることは間違いない(絶版てのはどうかしてる)→高柳演説音声文字起こし続き。あと十分ほど→朝は卵とドンコのスープ、卵かけご飯(ちりめんじゃこ)。自家製煎り酒は、卵かけご飯にはよい感じであった→高柳演説音声文字起こし、11時前に完了→C館より電話あり。食事の確認だったが、飲酒に関しての心配諸々も相談してみたところ大きな問題はなし。楽しく宿泊できそうだ→B電子作業の追加(TR-HHK)了→菊水堂ポテトチップス、ちりめんじゃことピーマンのスパゲティ(煎り酒)、ビール中瓶×1→『リバーズ・エッジ』(原作:岡崎京子、監督:行定勲。二階堂ふみ、吉沢亮、松永拓野、綾田俊樹、土居志央梨、安藤輪子、上杉柊平、森川葵、SUMIRE、富山えり子、西田尚美。2018、キノフィルムズ / 木下グループ)。岡崎京子のこの作品(1993〜94年)を、なぜ今になって映画化したか、その理由がまずわからなかった。それと、漫画なら漫画ならではの現実味があったのではないかと思うが、映画で見ると日本にこんな高校ないよ、と思ってしまう。二階堂ふみは相変わらずうまく、SUMIREという役者もなかなかいいな(浅野忠信とCHARAの娘)という感想くらいか。最後に二階堂ふみ扮する若草ハルナが生きていくということについて聞かれて答えている、その内容や様子は少し感動したか。しかしこうした感想を抱いたということは、私自身が十代の子供たちの悩みにあまり興味がない、ということがはっきりした、だけかもしれない→高柳演説初稿完了。文字数は削りきれなかったが(2,000文字目標のところ2,400文字くらい)、リード、註、原発の数数えまで完了できた→風呂→晩はタンドリーチキン、キャベツサラダ、卵とどんこのスープ、ご飯、納豆、とろろ、海苔、ビール中瓶×1.5→『ニュー・シネマ・パラダイス』(原題『Nuovo Cinema Paradiso』、監督:ジュゼッペ・トルナトーレ。プペラ・マッジオ、イサ・ダニエリ、ジャック・ペラン、レオポルド・トリエステ、サルヴァトーレ・カシオ、フィリップ・ノワレ、エンツォ・カナヴェイル、レオ・グロッタ、ニコラ・ディ・ピン、マルコ・レオナルディ、アニェーゼ・ナーノ。1988、伊Titanus)。名作と誉れの高い本作、恥ずかしながら今日になって初めて観たのだが、映画への愛情にきちがいめいたものが含まれてなかったのに、ちょいと肩透かしを喰らった感じだった。主人公が恋愛、徴兵を経て映画への愛や興味を失っていくのなら(すなわち狂気を失って大人になっていくのなら)、長じて映画作家になったという設定よりは、まったく別の職業に就いていてしかし映画への情熱を思い出した、という展開のほうが強烈だと思う(アルフレードがトトを突き放す意味も出てくるだろう)。何度か観たらまた印象が変わるかもしれないが、初見の段階では、映画への愛情(それもものすごい特別な)をもっと見せてほしかったと思った→明日からの遠出の荷造り→道や店の情報も調べ、午前1時就寝。
5月19日(水) 朝7時起床。白湯、マヌカハニー→朝は月見そば(卵2ケ、揚げ玉)→9時出立→一時間ほどで茅ヶ崎到着→〈茅ヶ崎館〉にクルマ置かせてもらい、お手洗い借りてから茅ヶ崎駅まで歩く→電車で藤沢。遊行寺拝観。けっこうな雨だったが、小栗判官と照手姫の墓まで登る。宝物館が休みだったのは残念だが、場所や様子がわかったので、また来よう→江ノ電で長谷へ。ずっと立ってたが、やはり江ノ電からの景色は楽しい→長谷に着いてまず昼。外のメニューにBeerとあったので〈ベイシックコーヒー〉なる店に入ってみたが、やはり酒類の提供はなし。オレンジジュースとプルドポークとチーズのホットサンドイッチ。ふた切れあったので、ひと切れをO形のスモークチキンと卵のサラダホットサンドイッチと交換→長谷寺見物。御本尊の十一面観音立像は見事だし、観音ミュージアムも楽しく、途中までしか入らなかったが弁天窟も面白そうだし、海を望む景観もよい。観光寺院のお手本のような寺→O形甥っ子K太君が新しく務め始めた服店にお邪魔し、セットアップ、ボーダーTシャツ、ボタンダウンシャツなど買い物。小さいがよい店でよかった。通販は繁盛しているそう→買い物終わってA間さんと合流。再びK太店で買い物→天気も悪いので大仏や紫陽花寺はやめにして、近くの喫茶店〈ベルクフェルド〉で休憩。翌朝の朝食用のパン(シオツノ、胡麻)も購入→江ノ電で藤沢、茅ヶ崎。少し遅れたが、〈ジンギスカン〉で晩。やはり酒類の提供はないが、ホッピー外だけ飲ませてくれて、とり皮、ジンギスカン、ホルモン、コツ、ハツ、カルビ、キャベツ、野菜焼き(ニンジン、タマネギ、ピーマン)。〆にわかめスープ、ご飯。これで三人で勘定が6千円に満たないというから驚く。酔わなくてもバカ話に花が咲き、たいそう楽しい晩餐だった→駅前の酒屋でビールと葡萄酒を買い込み、A間さんも伴いタクシーで〈茅ヶ崎館〉に帰館。二時間くらい、今度は飲みながら歓談→A間さんタクシーで帰り、その後も飲み続け、缶ビール二本残して今日買った分全部干した。風呂を勘違いして入浴できず(使用してないほうに入ろうとした)、そのまま就寝。23時半就寝。
5月20日(木) 朝8時半起床→昨日〈ベルクフェルド〉で買ったシオツノパンと胡麻パン、珈琲で朝→のんびりしているうちに〈茅ヶ崎館〉のコーヒー係がやってきたので、本日三杯目の珈琲(ブラジル)。さすがにこれはうまかった→昼前、クルマで葉山へ。〈SUNSHINE+CLOUD〉なる服店で『矢幡英文写真展』を見物。私にとってはガーデンオブジョイキッチンの矢幡さん≠セったし、酒場で出会っても仕事の話はしなかったから、お亡くなりになったあととはいえ、写真のお仕事の一端を拝見できてよかった。夜や暗めの店内で撮った写真も含め、すべてとても明るいと感じさせる写真だった。これは単に露出やシャッタースピードの話ではないと思う。ポストカードと、仕事上の盟友であった与那原恵が著した本『旅人カメラと音楽と。 矢幡英文との27年』およびポストカードを購入→併設の喫茶店で昼。ホットドッグとノンアルコール・モヒート→その後また写真眺めてたら、店の人より奥方(矢幡さんと一緒にガーデンオブジョイキッチンを営む)がいらっしゃると教えていただき、お待ちすることにする。その間、さっき店内を眺めていたとき、色とりどりのトートバッグが印象に残っていたので、黄色(バナナ)を購入。そうこうしているうちに奥方おいでになったのでご挨拶。お元気そうでよかった。店は6月から再開とのことなので、また伺いたい→3時前に宿に戻り、昨夜飲み残した缶ビールを持って海岸まで散歩→宿に戻って風呂(今度は間違えなかった)→午睡(横になっただけ)→阿部慎一『美代子阿佐ヶ谷気分』読了。普通に考えて読んで楽しめるような作品ではなく、何も考えずに眺めることで味わいがわかってくるものではないかと思ったが、果たして。わかりはしないがずっと気にはなり続ける感じ→晩は〈茅ヶ崎館〉にてカレーすき焼きのコース。海藻の梅和え、玉葱のすり流し、お造り(いさき刺身、カマス炙り、甘海老)、揚げ物(くじら、かぼちゃ、筍、オクラ)、酢の物(蕪、分葱、ズッキーニ)、カレーすき焼き(葉山牛、春菊、椎茸、白滝、焼き豆腐)、しめじの吸い物、ご飯、お香子(ニンジン、大根、きゅうり)。すき焼き出せるのが、今回の宿泊では今日だけ、ということだったが、葉山牛が入った日でよかった。本日はすきやきのほかでは特に、温かい玉葱のすり流しが印象に残った→部屋に戻り熊澤酒造「吟望」の熱燗一合だけやりつつ萩尾望都『一度きりの大泉の話』読んで、夜11時就寝。
posted by aokiosamublog at 23:00| 小ネタ/思考/日記