8月21日(土) 朝9時起床。白湯、マヌカハニー、メイプルシロップ→O形カーテン洗濯。カーテンの洗濯は、なんとこの家に引っ越してきて初めて。やらなきゃとかねがね思っていたので、ありがたい→午後はなんとなくピアノ練習。『Autumn In Paris』がなんとなく完成→『マン・レイと女たち』展(於東急Bunkamura)を予約。26日11時→〈行辺〉におつまみセット等受け取りに行く→『ロッキー』(原題『Rocky』、監督:ジョン・G・アヴィルドセン。シルベスター・スタローン、タリア・シャイア、ジョー・スピネル、ジミー・ガンビア、バージェス・メレディス、バート・ヤング、カール・ウィザース、セイヤー・デイヴィッド。1976、米United Artists)。観てないに等しかったので、ちゃんと観てみようと思った次第。で、要はスポ根、あるいは細部をどうにかすれば日活映画かなと思った。ずっとどうでもよい感じなのだが(劇中人物の境遇や心境ではなく、各場面の作り方)、タリア・シャイアの芝居が見事なのと、終盤の試合の描き方がちょっとグッとくる感じなのは印象に残った。でも一回観ればいいかな→行辺おつまみセット(お刺身2点盛り(長崎産カツオ、気仙沼産タコ)、だし巻き卵、新じゃがと粗挽きポークウインナーのポテトサラダ、総州古白鶏モモ肉焼 自家製豆板醤ソース、新生姜梅酢漬けとオクラと長芋の和えもの)、握り(マグロ、鯵)、枝豆、即席熊本ラーメン(おろしニンニク、葱、海苔)、ビール中瓶×1、御酒×3→夜10時頃就寝→深夜に目が覚めてしまい、『ゾンビ ディレクターズ・カット版』(原題『Dawn Of The Dead』、監督:ジョージ・A・ロメロ。ゲイラン・ロス、デヴィッド・クロフォード、ハワード・スミス、ジョージ・A・ロメロ、クリスティーン・フォレスト、デビッド・エンゲ、スコット・H・ライニガー、フレッド・ベイカー、ジョン・パシィシコ、ケン・フォリー、ホセ・デル・グレ、リチャード・フランセ、ルディ・リッチ、ラリー・ヴァイラ。1978、伊Titanus米United Film Distribution Company (UFDC))。本作ではなぜゾンビが発生したかについての説明がないが(あったとしても見落とすくらいじゃなかろうか)、そもそもなぜディレクターズ・カット版(カンヌ国際映画祭に出品するため時間がない中での編集だったそうで、ロメロ自身は「不満足な出来」と言っているらしい)を放映したのか、という疑問が、作品の感想よりも先に立つ。ダリオ・アルジェント版や北米版、日本劇場公開版を観てみないと(観たのもあるかもしれないが記憶にない)なんとも言えないな、というのが現在のところ。ただ、四人がショッピングモールに篭城したあと、今で言う正常性バイアスなのか、次第に緊張感をなくしていくような描写(化粧、着替え、レコード再生、食事など)や、モールの売り場の中に入れないゾンビたちとの対比が生活格差の比喩になっていると思えないこともないようなところは面白かった。あと終盤の間抜けな音楽とか→午前5時頃就寝。
8月22日(日) 午前11時起床。白湯、マヌカハニー、メイプルシロップ→冷やしぶっかけ納豆つきみそうめん(オクラ)→夜はピザ取ることにして、ポテトサラダ(ニンジン、新生姜、パルメザンチーズ)と(じゃがいもとニンジンの茹で汁で)トマトスープなど製作→近所のコンビニエンスストアに葡萄酒など買い出し→シャワー→サラダ(キャベツ、赤ピーマン、緑ピーマン、トマト、胡麻ドレッシング)も製作。ピザは〈ドミノ・ピザ〉でシーフード・スペシャルとドミノ・デラックスを取った→『白い暴動』(原題『White Riot』、監督:ルビカ・シャー。レッド・ソーンダズ、イーノック・パウエル、マーヴィン・ウェブスター、ロジャー・ハドル、ケイト・ウェブ、ルース・グレゴリー、デニス・ボーヴェル、スチュアート・ホール、ポーリーヌ・ブラック、ザ・クラッシュ、マイケル・S・ライリー、ペルヴェス・ビルグラミ、ルーシー・ホイットマン、ジョー・ピアース、ジミー・パーシー、シド・シェルトン、トム・ロビンソン、デイヴィッド・ハインズ、シャム69、スティール・パルス。2019、英Visit Films)。何も知らずにザ・クラッシュのライブの模様を収めた映画かなと思って観始めたら、1970年代後半にイギリスで起きたRock Against Racismの記録映画であった。経済の長期的停滞を移民(的な人たちも含む)の所為にして差別構造を作り支持を集める、というのは、イギリスも日本も同様、どこの国でも同じことを考える人がいるということだろうが、それに芸術・文化に携わる人たちが敢然と立ち向かった様子は、少なくとも今の日本にはとても重要かつ有難い記録であると思った。活動に携わっていた方々がまだお元気で、生の証言が聞けるのもよい→カリモーチョを瓶半分くらい飲んで眠くなって、夜は早々に就寝→日付変わる前に起床→B-36の特典音源の紹介文のパイロット版を書いて提出。演奏内容についても想像のきっかけが必要と思い、ちょいと主観を盛ってみたが、果たして→『ソウル・ステーション パンデミック』(原題『서울역』(Seoul Station)、監督:ヨン・サンホ。シム・ウンギョン、イ・ジュン、リュ・スンリョン。2016、韓N.E.W.)。絵柄は日本でメジャーなアニメーションを思い起こさせるものだが、人物の表現は、微妙だがより人間の負の部分を強調というかちゃんと見据えて描いているように思った。ホームレスの人たちに対するそれ以外の人々の偏見と態度の描写は日本での現実のそれよりも辛辣に描かれているが、日本では表にそれほど激しく表さないだけで、実際の心情はほとんど同じではないかと思う。ゾンビ映画であると同時に、人の心やあるいは国家に巣食う差別の構造や棄民の問題も念頭に置かれて作られたものと感じた。細かいことだが、邦題は『ソウル駅』のほうがよかったと思う(「ステーション」という英語を使う意味が不明)→『新感染 ファイナル・エクスプレス』(原題『부산행』(Train to Busan)、監督:ヨン・サンホ。コン・ユ、キム・チャンファン、キム・スアン、チョン・ソギョン、チャン・ヒョクチン、アン・ソヒ、チェ・ウシク、パク・ミョンシン、イェ・スジョン、シム・ウンギョン、チェ・グィファ、ウ・ドイム、マ・ドンソク、チョン・ユミ、キム・ウィソン。2016、韓N.E.W.)。高速鉄道という閉じた場所でのゾンビ・パニックという恐ろしい設定を、設定を凌駕する表現力で描いている。ゾンビ映画としても出色の出来である上に、極限状態での人間の醜さをエグ味を持って描いているとも思った。欧米のゾンビ映画よりも人間を見る目が厳しいと思うが、アメリカでのリメイクも決まっているとのこと。どんな風に料理されるのか楽しみではある→ピザ二切れ、鰯とズッキーニと梅のカリー、ビール中瓶×2→朝8時半就寝。
8月23日(月) 午前11時半起床→B-36の特典音源の紹介文のパイロット版について返信あり。すぐに直して(二箇所)提出→トマトスープ→冷蔵庫の中の整理の一環として、冷凍庫に眠っていた豚肩ロースを使ったポークカリー(ニンジン、じゃがいも)と切り干し大根煮付け(油揚)を製作→シャワー→『巴里祭』(原題『Quatorze Juillet』、監督:ルネ・クレール。アナベラ、ジョルジュ・リゴー、ジェイン・ピアソン、パルミレ・ルヴァッセール、レイモン・コルディ、ポール・オリヴィエ、トミー・ブールデル、レイモンド・アイモス、ポーラ・イレリ。1933、仏)。もちろん舞台はパリではあるが、出てくる人やその人間関係がまるで東京の下町の人たちのよう。巴里祭の一日に始まる何気ない人間模様を描いた作品ではあるが、その海の向こうにも下町の人たちがいるんだなあと思わせてくれるようなうまさで、何度でも観たくなる。変わったことをやろうとしていないのにすっとその世界に引き摺り込んで一時間半夢を見させてくれるようなところもあり、総じて傑作だと思う→切り干し大根煮付け(油揚)、カボチャ天ぷら、鴨燻製とトマト、四種のダール、鰯とズッキーニと梅干しのカリー、ポークカリー(ニンジン、じゃがいも)、新生姜炊き込みご飯(バスマティ米+ジャポニカ米)、ビール中瓶×1、ホッピー×3→いったん就寝→深夜起床しB-36の紹介文制作→『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』(原題『The Big Sick』、監督:マイケル・ショウォルター。クメイル・ナンジアニ、エイディ・ブライアント、カート・ブローノーラー、ボー・バーナム、デイヴィッド・アラン・グリアー、ジェレミー・シェイモス、ゾーイ・カザン、レベッカ・ナオミ・ジョーンズ、アヌパム・カー、ゼノビア・シュロフ、アディール・アクタル、シェナズ・トレジュリー、クホー・ヴェルマ、エド・ハーベストマン、マイラ・ラクレティア・テイラー、ジェフ・ブルーメンクランツ、ホリー・ハンター、レイ・ロマーノ、リンダ・イーモンド、ヴェッラ・ロヴェル、ラウル・ネディ、スシャム・ベディ。2017、米Amazon Studios)。異文化の中で育った人間が本来属していた社会の伝統と戦いつつ、失ったかと思った愛を取り戻す、と言ったら陳腐になるが、そんな物語(実話)をユーモアと現実味をほどよい塩梅で見せてくれた傑作と思った。そして伝統と闘っているのは若者だけでなくその親も、と思わせる描写もよい。ゾーイ・カザンのどこにでもいそうな魅力的な若い女性像の創造は見事だった→ポークカリー肴にホッピー×2、金宮酎ハイ×1→朝5時就寝。
8月24日(火) 朝10時半起床→B-36修正要望に対応→昼過ぎ歩いて下高井戸。まずは〈JazzKeirin〉で昼(オレンジぶっかけ)。それから八百屋、三友、カルディで買い物→帰途も徒歩→冷房で少し身体冷やしてからシャワー→『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』二回め。折に触れて観たくなると思う。もし子供の頃に観ていたら、今の私にとっての『ローマの休日』や『小さな恋のメロディ』のように、生涯の一本になったかもしれない→枝豆、サラダ(キャベツ、赤ピーマン、緑ピーマン、トマト)、秋刀魚刺身(大葉、おろし生姜)、秋刀魚塩焼き1/2、ポークカリーライス、ビール中瓶×1、御酒×3→夜10時頃就寝。
8月25日(水) 朝10時半起床。白湯、マヌカハニー、メイプルシロップ。ここのところ血圧上がり気味→もずくのおつけ、ポークカリーライス、ポーチドエッグ→特に何もせず昼。たらこスパゲティ(ちりめんじゃこ、大葉、新生姜、刻み海苔、バター、黒胡椒)、ビール中瓶×1→『コロンバス』(原題『Columbus』、監督:コゴナダ。パーカー・ポージー、ジョセフ・アンソニー・フォロンダ、ヘイリー・ルー・リチャードソン、ロリー・カルキン、ジョン・チョー、ミシェル・フォーブス、エリン・アレグレッティ、ロザリン・R・ロス、シャニ・セイラーズ・スティルス。2017、米Oscilloscope)。アメリカ映画には珍しい、かどうかは知らないが、登場人物の感情の起伏を押さえた演出は、退屈を覚えないわけではなかったが、観終えた今は感心している。しかし小津にオマージュを捧げたと言われると、それはどうかなあと思った。そんなことは表現できていないじゃないかと思うのだが、私が理解できなかっただけか。インディアナ州コロンバスという町を訪れて、諸建築を見物してみたいとは思った→ちりめんじゃこ、キャベツ赤ピーマン緑ピーマントマトのサラダ(ニンニク)、煮込みハンバーグ、食パン、チーズ、ビール中瓶×1、赤葡萄酒×1/2→夜9時頃就寝。
8月26日(木) 朝8時起床。白湯、マヌカハニー、メイプルシロップ。やはり血圧上昇気味。下が90超える→もずくのおつけ、卵炒飯→シャワー→代々木公園駅経由で(各駅停車の接続が悪かったので)〈Bunkamuraザ・ミュージアム〉の『マン・レイと女性たち』展へ。展示名から袖擦りあった女性たちのポートレイト中心かと思いきや、マン・レイの芸術活動をほぼ網羅したかのような一大展示であった。満足→帰途は神泉から下北沢、ちょいと前から気になっていた〈貝麺みかわ〉で昼(中華そば塩、あさり旨煮ご飯小)。スープはあさりと帆立をベースに牛骨の出汁を足しているそうだ。なるほど、三種のチャーシュー(豚肩ロース、豚バラ、豚バラ)もスープに花を添えるような塩梅で、とてもうまかった。次は貝のみで帆立増量という貝麺を行ってみよう(醤油は貝感が下がるようなので、しばらくはいいかな)→千歳船橋下車、鴨燻製とバタール買って帰宅→シャワー→『ショック集団』(原題『Shock Corridor』、監督:サミュエル・フラー。フィリップ・アーン、ピーター・ブレック、ビル・ザッカート、コンスタンス・タワーズ、フランク・ガーストル、ポール・デュボフ、チャック・ロバートソン、ジョン・クレイグ、ラリー・タッカー、ジェームズ・ベスト、ネイル・モロー、ジョン・マシューズ、ラシェル・ローメン、ハリー・ローズ、ジーン・エヴァンス。1963、米Allied Artists Pictures)。新聞記者が精神病院に潜入するがミイラ取りがミイラに…… という話の面白さはもとより、冒頭の議論の場面からして映画的なスピード感を持った表現の仕方がとても面白い。『東京暗黒街・竹の家』から引用した唐突な日本の風景(鎌倉、富士山)も、物語の進行に関しては無意味に近いが、終盤の屋内に豪雨が降る場面といい、そういうところが映画に妙なる味わいを与えているのだなと思う。なお、冒頭と終幕に次のエピグラフが挙げられる「WHOM GOD WISHES TO DESTROY HE FIRST MAKES MAD Euripides, 425 B.C−神は滅亡を願うときまず人を狂わせる エウリピデス 紀元前425」→菊水堂ポテトチップス、バゲット(ちりめんじゃこのアヒージョ、ガーリックバター)、ビール中瓶×1、ホッピー×3→午睡→『七福星』(原題『夏日福星』(Twinkle Twinkle Lucky Stars)、監督:サモ・ハン・キンポー。リチャード・ン、サモ・ハン・キンポー、エリック・ツァン、チャールス・チン、フォン・ツイファン、シベール・フー、カラ・ワイ、シーズン・マー、サンドラ・ン、ハ・ピン・ン、アンソニー・チェン、ウー・マー、メルヴィン・ウォン、チュン・ファト、倉田保昭、リチャード・ノートン、チング・ポー・チャン、ジェームズ・ティエン、ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、アンディ・ラウ、ジョン・シャム、ロザムンド・クワン、ミシェール・キング。1985、香Golden Harvest Company)。大したことのない話の隙間を埋めるかのようなくだらない笑いに大いに価値のある作品(シリーズ)と思う。そしてものすごくキレのいいアクション。日本にも千葉真一がいたのに、その後アクション・スターが育たなかったのが悔やまれる→午前1時頃就寝。
8月27日(金) 朝7時起床。白湯、マヌカハニー、メイプルシロップ。本日も下が90超えた(91)。体重も増加傾向で、69kgを超えてしまった。どうなってるのか→本日は節制することにして、朝から昆布出汁を取り、遅い朝食として卵の吸い物→『マネーボール』(原題『Moneyball』原作:マイケル・ルイス、監督:ベネット・ミラー。ブラッド・ピット、ロバート・コティック、ケン・メドロック、リード・トンプソン、リード・ダイアモンド、ジョナ・ヒル、ダイアン・ベーレンズ、ジェイムズ・シャンクリン、ケイシー・ボンド、フィリップ・シーモア・ホフマン、クリス・プラット、タミー・ブランチャード、ロビン・ライト、スパイク・ジョーンズ、ケリス・ドーシー、スティーヴン・ビショップ、ニック・ポラッツォ、ジェラルド・セラスコ、ゲイリー・‘G.タング’・ジョンソン、ロイス・クレイトン、タカヨ・フィッシャー、デリン・エバート、ミゲル・メンドーサ、アーリス・ハワード。2011、米Columbia Pictures)。もともと面白い実話を上手に映画化した、という印象。ビリー・ビーンという人がほんとうにそうだったかは知らないが、ブラッド・ピット扮するビリー・ビーンの決断と実行の速さは、敵もたくさん作りそうだが見ていて気持ちがよい芝居と演出。ビリー・ビーンの采配を頑なに拒み続けた監督アート・ハウが(ビリーのゴリ押しで戦果を得ることはできたものの)どういう処遇になったかがこの映画では不明確な点がちょいと気にはなったか→菊水堂ポテトチップス、牛乳、ちりめんじゃこの吸い物→『カットスロート・ナイン』(原題『Cut-Throats Nine』、監督:ホアキン・ロメロ・マルチェント。ロバート・ハンダー、ラファエル・ヘルナンデス、リカルド・ディアズ、カルロス・ロメロ・マルチェント、アントニオ・イランゾ、アルベルト・ダルベス、ホセ・マヌエル・マルタン、マヌエル・テハダ、エマ・コーエン、フランシスコ・ネイト、ファン・アントニオ・エリセス、メイベル・カー、エミリオ・ロドリゲス、エデュアルド・カルヴォ。1972、西伊Regia-Arturo González Rodríguez)。タランティーノ『ヘイトフル・エイト』の発想の源となった作品。この時代のマカロニ・ウエスタンらしく荒削りというか雑なところが際立つ作品だが、稚拙な残虐描写(喉をかき切ったり内臓が掻き出されるまで刺したり燃やしたり強姦したりなどなど)が稚拙だからこそ?その残虐さが印象に残る。正義がありそうでひとつもないという設定も清々しい→シャワー→『人情紙風船』(原作:河竹黙阿弥『梅雨小袖昔八丈』(髪結新三)、監督:山中貞雄。市川章次、市川楽三郎、山崎長兵衛、市川菊之助、中村鶴蔵、原緋紗子、中村進五郎、一ノ瀬ゆう子、市川岩五郎、岬たか子、中村公三郎、板東調右衛門、河原崎長十郎、山岸しづ江、助高屋助蔵、中村翫右衛門、市川莚司(加東大介)、橘小三郎、瀬川菊之丞、市川扇升、嵐芳三郎、御橋公、岩田富貴子、霧立のぼる、市川笑太朗。1937、東宝映画)。黙阿弥『髪結新三』から登場人物と設定の一部を借り、コンパクトかつ大胆に話を組み替えた、と言ってよいだろうか。新三をずいぶん気風のいい男に書き換え、海野又十郎という人物を新たに加えて、格差のある社会の歪みをあるがままに描いたような作品に仕上がっていると思う(河原崎長十郎の諦念を湛えた表情の芝居が見事)。その「あるがままに描いた」と思わせる、つまり作者の思惑に従った方向に物語を進めていないようなところが(実際はそう思わせないような操作に腐心したのだろうが)、本作の値打ちではないかと思った。そのため、観終えた際の感情はとても複雑ではあるが、いつまでも観続けられるべき映画であるとも思う→納豆海苔巻き、ニンジンとたらこ入り粥、ホッピー外のみ→本日は完全に酒精抜き。夜0時頃就寝。
8月28日(土) 朝6時起床。白湯、マヌカハニー、メイプルシロップ→『空気人形』(原作:業田良家、監督:是枝裕和。板尾創路、ペ・ドゥナ、奈良木未羽、丸山智己、ペ・ジョンミョン、富司純子、寺島進、高橋昌也、ARATA、岩松了、余貴美子、柄本佑、星野真里、桜井聖、オダギリジョー、山中崇。2009、アスミック・エース)。ペ・ドゥナという女優を知ったのは収穫だが(『グエムル-漢江の怪物-』は観ていたが)、人形っぷりが見事なだけに、本物の人形からペ・ドゥナへと変態するところに工夫がない印象を持ってしまい、そののちは主題的なことは理解できるものの、全体に底が浅い映画であるような感触しかつかめず、その所為もあって、絵空事を本当の出来事のように思わせてしまう力も感じられなかった。板尾創路の中年男ならではの気持ち悪さ(それを自然に表現している)を始め、役者の芝居は悪くなかったのだが→かぼちゃ天ぷら、舞茸天ぷら、秋刀魚骨煎餅、卵粥(錦松梅)→『サバイバル・オブ・ザ・デッド』(原題『Survival of the Dead』、監督:ジョージ・A・ロメロ。アラン・ヴァン・スプラング、ジョシュア・ピース、エリック・ウルフ、ウェイン・ロビンソン、ケネス・ウェルシュ、ジュリアン・リッチング、キャスリーン・マンロー、ジョン・ヒーリー、フィリッパ・ドムヴィル、リチャード・フィッツパトリック、アシーナ・カーカニス、ステファノ・ディマテオ、デヴォン・ボスティック、ホ・チョウ、マット・バーマン、ジョリス・ジャースキー。2009、米Magnet Releasing)。ジョージ・A・ロメロの遺作。ゾンビ映画といえばゾンビ対人間であることが多いが(ちゃんと数えたわけでない)、ゾンビを手なずけよう(人間ではなく他の獣肉の味を覚えさせて)という人間が現れ、従来通り死者はちゃんと死なせるべきという人間と対立する、というのが面白い。しかし一方で、人間対人間の争いがスケールの小さいもの(あるいは想像が簡単に及んでしまうもの)と思えてしまう部分がいささか残念な気もするが、ゾンビの描写はさすがに細かいところまで気が配られていて、ゾンビひとりひとりの個性が感じられるところなどは、さすがロメロといったところか。「人間対人間の争いがスケールの小さいもの」と感じられる部分があるとはいえ、最後の最後にゾンビと人間の共生を示唆して終わるなどは、ゾンビ映画の新しい可能性も感じさせられた→映画観ながら酢昆布製作→『体操しようよ』(監督:菊地健雄。草刈正雄、木村文乃、片桐はいり、諏訪太朗、平泉成、和久井映見、余貴美子、きたろう、大島蓉子、平澤宏々路、稲川実代子、木村八重子、徳井優、加藤満、菅野久夫、山田真歩、川瀬陽太、渡辺大知、小松政夫。2018、東急レクリエーション)。草刈正雄、そして徳井優の、昭和育ちの男のダメなところ(悪気や自覚はない)を演じた芝居の容赦のないところがよかった。ラジオ体操の会が分裂したりまた集まったりは、その容赦のなさの上で多分にカリカチュアされていると思うが、その塩梅がよかったのだろうか、あとになって現実にはああは進まないと思うものの、観ている最中はごく自然な進展に感じられた。その後に続く大団円には少し意表を突かれたが、その分余韻が残る。小津のにおいも少し感じた→かぼちゃ天ぷら、舞茸天ぷら、秋刀魚骨煎餅、粥、納豆→しじみのおつけ、ニンジンと油揚の煮物製作→シャワー→『死霊のえじき』(原題『Day of the Dead』、監督:ジョージ・A・ロメロ。ロリー・カーディル、アントン・ディレオ、ジャーラス・コンロイ、テリー・アレクサンダー、グレゴリー・ニコテロ、フィリップ・G・ケラムス、ゲイリー・ハワード・クラー、ラルフ・マレロ、ジョン・アンプラス、ジョセフ・ピラトー、リチャード・リバティー、シャーマン・ハワード。1985、米United Film Distribution Company (UFDC))。『サバイバル・オブ・ザ・デッド』について「ゾンビを手なずけよう」「ゾンビと人間の共生を示唆して終わるなどは、ゾンビ映画の新しい可能性も感じさせられた」と書いたが、ロメロ・ゾンビ三作めの本作ですでに「ゾンビを手なずけ」る試みが描かれていた。勉強不足。人間同士の争いについてはほかの描きようもあったのではとも思うが(もちろん私にはどんな形が正解かはわからないが)、本作でもやはり「ゾンビの描写はさすがに細かいところまで気が配られていて、ゾンビひとりひとりの個性が感じられる」点は印象に残った。あとはマッド・サイエンティストの登場か。ゾンビにテープレコーダーや拳銃の使い方を教えて実際に使えるようになるくだりなどは面白い→ニンジンと油揚の煮物、酢昆布、しじみ汁、たらこ粥→『体操しようよ』二回め→夜0時過ぎ就寝。断酒二日間成功。
8月29日(日) 朝8時半起床。白湯、マヌカハニー、メイプルシロップ→体重、血圧ともに戻った。やはり二日間の断酒が効いたのか。今日は飲むが、またすぐに断酒してみよう(と、今までも何回か思ったことがあるが、今回はきちんとやってみたい)→舞茸天ぷら、かぼちゃ天ぷら、しじみ汁、卵粥(錦松梅)→『海の地図』(原作:石原慎太郎、監督:堀内真直。岡田茉莉子、杉浦直樹、佐田啓二、三笠朱美、永田靖、渡辺文雄、諸角啓二郎、桂木洋子、永井達郎、福岡正剛。1959、松竹)。タイトルバックの音楽(木下忠司)がぱっと聴いて何かを含んでいて期待させられたが、映画本編は陳腐な原作を陳腐になぞったという印象。台詞のテンポがこの時代ならではのありきたりな感じなのもいささか残念に思ったが、しかしこの監督の作品はほぼ観ていないので、本領なのかどうかはわからない。岡田茉莉子の存在(大学のボーイフレンドからの親切な忠告に「それは出過ぎたことよ」と言い返すところはたまらない)と、佐田啓二の試合に負けて(というか試合から逃げて)勝負に勝った、というところは面白かったが、佐田啓二がいくら富豪とはいえ、好きだった人の娘の岡田茉莉子に船と別荘をあげるという展開は現実的でなさ過ぎるし、原作がそうだったとしても映画の中で現実味をもたらす工夫をしたらよかろうと思った→『八月の鯨』(原題『The Whales of August』、監督:リンゼイ・アンダーソン。マイク・ブッシュ、ティシャ・スターリング、マーガレット・ラッド、メアリー・スティーンバージェン、リリアン・ギッシュ、フランク・ピットキン、ヴィンセント・プライス、ベティ・デイヴィス、アン・サザーン、ハリー・ケイリー・ジュニア、フランク・グライムス。1987、米Alive Films)。撮影当時、リリアン・ギッシュが93歳というから恐れ入るが、実年齢が上のリリアン・ギッシュが妹でまだ若さを保っている役、ベティ・デイビス(当時73歳)が姉で人生に諦念とそれに伴う苛立ちを抱えている役を担っている。淡々とした話をふたりが淡々と演じて話は進むが、後半に入ってからのふたりの大女優っぷりは見事→菊水堂ポテトチップス、酢昆布、ホッピー×6→『ヘレディタリー/継承』(原題『Hereditary』、監督:アリ・アスター。アレックス・ウォルフ、ガブリエル・バーン、トニ・コレット、ミリー・シャピロ、アン・ダウド。2018、米A24)。『ミッドサマー』を先に観てしまった所為だと思うが、比較してスケールの小ささが印象に残ってしまった。しかし観終えてから考えていると、恐怖のために恐怖を描く徹底した仕掛けがじわじわと思い出される。もう一度味わわなければならないな→枝豆、キャベツとトマトと赤ピーマンのサラダ(胡麻ドレッシング)、鴨燻製、行辺おつまみセット(お刺身2点盛り(マグロ、鯵)、だし巻き玉子、ポテトサラダ、アサリ・ほうれん草・マッシュルームの酒蒸し、子持ち昆布のおひたし)、握り(小肌、鯛)、ビール中瓶×1、御酒×2→夜8時過ぎ就寝。
8月30日(月) 朝11時半起床。白湯、マヌカハニー、メイプルシロップ。昨日二日ぶりだったのでたくさん飲んだら、深夜激しい腹下り。水分が抜けたと見えて、体重も67kgを切ってしまった→たらこ卵粥(刻み海苔)→シャワー→賄い当番。製作物は右→キャベツとピーマンのパッチャディ、ニンジンのクミンバターソテーレモン味、冬瓜入りケララチキン、四種のダール、ラッサム(セロリ)、ジャポニカバスマティ米ご飯、F式らっきょう、ビール中瓶×1→舌にはそれほど辛くなかったが、頭のてっぺんから全身からたっぷり汗をかいたので、再びシャワー→『グリーンブック』(原題『Green Book』、監督:ピーター・ファレリー。ファン・ルイス、ヴィゴ・モーテンセン、ドン・スターク、ジョー・コーテス、マギー・ニクソン、ポール・スローン、クイン・ダフィ、リンダ・カーデリーニ、ギャビン・ライル・フォーリー、ハドソン・ギャロウェイ、ルドルフォ・ヴァレリンガ、ルイ・ヴェネーレ、セス・ハーウィッツ、フランク・ヴァレロンガ、ドン・ディペッタ、ジェンナ・ローレンツォ、スーヒラ・エル-アタール、ジョニー・ウィリアムズ、ランダル・ゴンザレス、イクバル・セバ、マハーシャラ・アリ、ファン・ルイス、ニック・ヴァレロンガ、ピーター・ガブ、ガートルード・シグル、P・J・バーン、ディメター・マリノフ、マイク・ハットン、デイヴィッド・キャラウェイ、ジェイムズ・W・エヴァーモア、ハリソン・ストーン、リッキー・ミューズ、クレイグ・ディフランシス、デニス・W・ホール、ジム・クロック、ビリー・ブリード、デイン・ローズ、ブライアン・ステパネック、ニンジャ・N・デヴォー、ブライアン・ヘイズ・カリー。2018、米Universal Pictures)。60年代初頭でのアメリカの黒人への人種差別、というのがひとつの軸になっているが、それを個人と世間(世間の一部であるかのような個人)との戦いとして、現実を描写した上にひとつの見習うべき戦い方を描いた映画と思った。トニーとドクター、どちらの戦い方も正しいだけでなく、また間違っているだけなわけでもないが、過程も結果も自分個人が引き受けるという姿勢は同じ。そこから普通なら交わらず相容れないであろうふたりの間に心のつながりが生まれるという話の流れだから、感動を呼ぶのだろうと思う。差別のあり方の描写は、ぎりぎりのところから先には行かない印象で、現実はそんな甘いものではないという見方もできようが、劇映画としてのそのちょうどよい塩梅がどの辺かを探りに探って見つけたからこそ評判を得たのかもしれない→『グリーンブック』をもう一度観てから就寝。午前3時頃。
8月31日(火) 朝7時半起床。白湯、マヌカハニー、メイプルシロップ。お腹はそこそこ快復。体重は67kg→冬瓜入りケララチキン、四種のダール、ラッサム(セロリ)、ジャポニカバスマティ米ご飯、生卵→老父と昼食および買い物付き添い(寿司(中とろ、〆こはだ、〆さば、あかいか、はまち、真たい)、あさり汁(すし三崎丸)、サミット)→O形サイト更新(絵日記)。懸案だった絵日記の見せ方、最新作をトップページの「NEWS!!」から見る場合のみ、全ページ縦スクロールで読める別ページに飛ぶようにしてみた。これでひとまず最新作はスマートフォンなどでも見やすくなったと思う。過去作品については、またいずれ→『ナイト・オン・ザ・プラネット』(原題『Night on Earth』、監督:ジム・ジャームッシュ。ロサンジェルス:ウィノナ・ライダー、アラン・ランドルフ・スコット、アンソニー・ポーティロ、リザンヌ・フォーク、ジーナ・ローランズ、ニューヨーク:ジャンカルロ・エスポジート、アーミン・ミューラー=スタール、ロージー・ペレス、パリ:イザック・ド・バンコレ、パスカル・ンゾンジ、エミール・アボッサロ・ムボ、ベアトリス・ダル、ローマ:ロベルト・ベニーニ、パオロ・ボナチェリ、ジャンニ・シェッティーノ、アントニオ・ラグーサ、ヘルシンキ:マッティ・ペロンパー、カリ・ヴァーナネン、サカリ・クオスマネン、トミ・サルミラ。1991、米Fine Line Features)。異文化の遭遇というのが主題かなと思ったが、全五話中四話まではそれで方がつくけれども、その流れの中で第五話をどう捉えていいのかがちょっとわからなかった。悲しみの質・量が違うということで異文化なのだろうか(それでもちょっとわからない)。ジャームッシュにしては軽く浅い印象だが、これも果たして。ジャームッシュに対する思い込みかもしれない→菊水堂ポテトチップス、炙り枝豆、鴨燻製、冬瓜入りケララチキン、四種のダール、ラッサム(セロリ)、ジャポニカバスマティ米ご飯、ビール中瓶×2→夜8時就寝。
2021年08月31日
8月まとめ(21〜31日)
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