2022年10月10日
10月まとめ(1〜10日)
プランクとスクワット開始、阿部豊『第8監房』、マキノ雅弘『日本侠客伝』、西荻窪〈はつね〉、「としまミュージックサークル」と〈CON TON TON VIVO〉での演奏決定、エノケン『孫悟空』、『キング・オブ・コント』雑感、市村泰一『京子の初恋 八十八夜の月』。
10月1日(土) 朝10時起床。白湯、マヌカハニー→舞茸と油揚のおつけ、卵かけご飯、納豆、海苔→シャワー→午後、クルマで西荻窪へ。まずは〈ぷあん〉にて腹ごしらえ。いつものカイソイ、ビール小瓶×1→〈リンキーディンクスタジオ〉にてTYOリハ。『As It Is』は直前までまったく忘れていたが、午前中に聴いたら思い出し、主なテーマ部分の変拍子も体に入った。しかしブリッジ(7/8)のあとの平易な8ビートが合わないのには参った。7/8の部分がテンポが速くなった印象があるので(実感としてはテンポが倍になった上での7/8であるため)、その次のパートが元々のテンポでは元に戻っていない♀エじがあるようだった。しかしそこは心を鬼にして、テンポは崩さないことにしてもらった。『ウーマン』『Spain』などはまあまあよい出来(二回めにしては)。『First Circle』は組み立て直す必要があるな→〈フランクフルト〉で買い物して帰宅→シャワー→O形サイト更新(絵日記)→サラダ(キャベツ、トマト、ピーマン)、茄子焼き、いちじく生ハム巻き、サラミ、鶏生ハム、鹿コンビーフ、ビール中瓶×1.5→なんだか草臥れて早々に就寝→深夜起床し歌舞伎『たぬき』鑑賞。幸せな気持ちになる→サラミ、鶏生ハム、コンビーフ、チッチャロン・バラット、白天狗ソーダ割×2→午前2時頃就寝。
10月2日(日) 午前11時起床。白湯、マヌカハニー→舞茸と油揚のおつけ、卵かけご飯、江戸むらさき、海苔→昨日の荷物の荷解き→『びっくり三銃士』(原案:あをいき・くらぶ、監督:斎藤寅次郎。星十郎、堺駿二、伴淳三郎、吉川満子、千秋みつる、鮎川十糸子、高屋朗、田端義夫、大木実、山路義人、大泉滉、紅あけみ、清川虹子、打田典子。1952、松竹)。物語や登場人物の軽重の塩梅がよくないな、と思ったのは前回(2021年1月4日)に観た際と同じ。特に伴淳三郎扮する密輸に手を染めている船乗りは、非情だったりひょうきんだったり娘を可愛がったり、その人柄がいささか多面的過ぎた(芝居の表現力が多彩だからかもしれないが)。ただ今回は、犯罪、親子の情、恋模様などそれぞれ関係のない要素を関係させていく物語構築の腕に感心した、というのが観初めて最初に得た感想だった。「繰り返し観たくなる魅力も感じた」という感想は変わらず→『アメリカン・パイ』(原題『American Pie』、監督:ポール・ワイツ。ジェイソン・ビッグス、モリー・チーク、ユージン・レヴィ、クリス・クライン、トーマス・イアン・ニコラス、タラ・リード、ナターシャ・リオン、アリソン・ハニガン、エディ・ケイ・トーマス、ショーン・ウィリアム・スコット、シャノン・エリザベス、クリス・オーウェン、ミーナ・スヴァーリ、ジェニファー・クーリッジ。1999、米Universal Pitures)。思ったよりも爆笑、大笑を誘うような展開はなく、多感な年頃の少年少女たちのバカさ加減を温かい目で描いた青春ドラマ、という印象。派手な女の子が奥手だったりはするが、東欧からの留学生や音楽の話しかしない真面目そうな女生徒が意外に積極的だったりというのが面白い。スケールが小さく見えるその理由はわかるようでわからないが、その辺を気にしなければ青春映画の傑作と言ったら言い過ぎだが、かなりの出来栄えだとは思う→菊水堂ポテトチップス、チッチャロン・バラット、クルミ、カシューナッツ、ウィンナーソーセージ、チキンローフ、ロースハム、コンビーフ、即席ラーメン(タイ)、ビール中瓶×3→午睡→早めに寝て夜起きてしまったが、本日よりしばらく夕方5時以降は飲食しない予定→と思ったものの、映画を観始めたら飲みたくなり、野菜炒め、白天狗ソーダ割×2。〆に栗ご飯小皿→『ラスト・ハーレム』(原題『Harem suare』(ハーレムの夜会)、監督:フェルザン・オズペテク。ハルック・ビルギネル、マリック・ボーウェンズ、セルラ・ユルマズ、アレックス・デスカス、ヴァレリア・ゴリノ、ルチア・ボゼ、マリー・ジラン、クリストフ・アキヨン。1999、伊仏土Medusa Distribuzione/Océan Films/Warner Bros. Turkey)。大雑把に言うとオスマン・トルコ帝国崩壊前夜、最後のハーレムでの出来事を描いた映画であるわけだが、語り手が老いた籠姫(老サフィエ=ルチア・ボゼ)なのか、ハーレムの女官(ギュルフィダン=セルラ・ユルマズ)なのか混乱するような作り方だった。前者ならオスマン・トルコ帝国崩壊後に語られているわけだから矛盾はないが、後者のハーレムの女官が老いた籠姫の話を始めたような印象もあって、私の頭が悪いだけかもしれないが、なんだか落ち着かなかった。それを除いても、トルコのハーレムってこんな感じだったのか、と具体的な絵で理解できるという面白さはあるものの、それもほんとにそうだったのかはわからないし、その辺をさらに除くと特筆すべき要素のない大奥映画のようでもあって、まあ結局、面白さはわからなかった。まったく関係ないが、日本とトルコとで協力して大奥とハーレムの類似性や相違点を調べた研究などはないのかな、ということを考えた→午前3時就寝。
10月3日(月) 午前11時起床。白湯、マヌカハニー→玉葱と油揚のおつけ、栗ご飯→シャワー→コルセット着用(本日より記録することにした)。あとプランク60秒とスクワット20回(これも本日より記録することにした)→『扉を開く女』(監督:木村恵吾。水谷八重子、月丘夢路、毛利菊枝、石倉英治、小柴幹治、月形龍之介、常盤操子、高木峯子、小川隆、葛木香一、羅門光三郎。1946、大映)。一年半前に観た際と同じ感想→「まったく知らなかったし、ネットで探す限りではどんな評判なのかもわからないが、理由なく虐げられていたもの(ここでは女性)の解放を描いた、結構な名作ではないかと思う。権力者(ここでは男性。主に主人公の先生役の羅門光三郎)の自覚なき横暴さの描き方もよい。月丘夢路のたおやかで快活な様子が印象的なのと、水谷八重子と月形龍之介の対峙の場面の重さと鋭さが記憶に残る」。新たな感想は特にないが、菊栄(水谷八重子)の祖母を演じた(多分)常盤操子の「自覚なき横暴さ」の芝居も見事だった→クルミ、カシューナッツ、菊水堂ポテトチップス、チッチャロン・バラット、ハムエッグ、そうめん、ビール中瓶×1、金宮酎ハイ×2→午睡→『第8監房』(原作:柴田錬三郎、監督:阿部豊。高品格、杉幸彦、三橋達也、河野秋武、植村謙二郎、松下達夫、三島謙、三島謙、黒田剛、冬木京三、坪井謙二、山岡比佐乃、月丘夢路、倉本春枝、芦田伸介、天草四郎、関弘子、菊野明子、久保春二。1956、日活)。戦後の闇市後のマーケット建設を巡るヤクザと工務店の傷害事件と、戦中の上官殺害、このふたつの事件の中心に主人公(三橋達也)と上官の妻(月丘夢路)がいて、その周囲を警官とヤクザが取り巻く、という物語の構造がうまく組み立てられていて、すっきりわかりやすい上に次から次へと興味を引く。物語と付かず離れずの、セコい犯罪者たちの人間模様も面白いし、結末がどうなるか、ああ安心となったところで捨て子の母親が現れて、婦人警官がみんなからミルク代をふんだくるという結末がいきなりほのぼのするところも可笑しくてよい。隠れた(隠れてないかもしれないが)傑作→『コンフィデンスマンJP運勢編』(脚本:古沢良太、監督:田中亮。長澤まさみ、長澤まさみ、船越英一郎、織田梨沙、小日向文世、Michael Keida、北村一輝、小林隆、ケンドーコバヤシ、島田秀平、中山美穂、広末涼子、小手伸也、小木茂光、瀧川英次。2019、フジテレビジョン)。「プリンセス編」に至る諸々(というか広末涼子だけか)はここにあったのだなと認識。それにしても、ダー子たちが仕掛けて失敗してでも実は、というフォーマットを毎回踏襲しつつ、ちゃんと面白く回収するのは大したものだなと思うし、役者たちが楽しんで演っている様子が伝わってくる(それが伝わるように作っている)のも大したものだと思う。本作では中山美穂を見直したが、出演依頼の仕方によっては一時代のアイドルだった人たちも、こういう役どころをやりたいのではないか。それが役者の楽しみでもあるはずだから、などと考えた→長芋バターソテー、盛香珍蒜香青豆、チキンローフ、即席ラーメン1/2(葱、ロースハム)、ビール中瓶×1、金宮酎ハイ×3→午前2時就寝。
10月4日(火) 午前10時起床。白湯、マヌカハニー→玉葱と油揚のおつけ、栗ご飯→コルセット着用。プランク60秒とスクワット30回→『金門島にかける橋』(監督:松尾昭典。石原裕次郎、二谷英明、芦川いづみ、華欣、浜田寅彦、星ナオミ、小泉郁之助、雪丘恵介、大坂志郎、唐宝雲、山内賢、武家麒。1962、日活)。みっつの戦争=第二次世界大戦(日中戦争)、朝鮮戦争、中国と台湾の金門島と馬祖列島を巡る争いを背景に、台湾の美女と日本の医師の国境を超えた愛の物語、とスケールは大きいが、そのスケールの大きさを石原裕次郎と二谷英明と全体の演出が支えきれなかったという印象だったが、果たして。戦争に翻弄される恋愛、という感じがなく、戦争は戦争恋愛は恋愛、という趣で、展開もいささか冗長。芦川いづみと大坂志郎の大熱演も及ばず、退屈を覚えてしまった。石原裕次郎が金門島で華欣を見つけるところなど、もっと驚かされてもいいはずなのだが→菊水堂ポテトチップス、ラムコーク×1→『カトマンズの男』(原作:ジュール・ヴェルヌ『必死の逃亡者』、原題『Les Tribulations d'un Chinois en Chine』(ある中国人の、中国における受難)、監督:フィリップ・ド・ブロカ。ジャン=ポール・ベルモンド、ジェス・ハーン、ジャン・ロシュフォール、マリア・パコム、ヴァレリー・ラグランジュ、ヴァレリー・インキジノフ、ダリー・コール、ポール・プレボワ、マリオ・ダヴィッド、ウルスラ・アンドレス、ジョー・セイド。1965、仏Les Artistes Associés (United Artists))。まだ本題に入らないところから、役者ひとりひとりの面白さを含めて面白い。そして話も中身は何にもないのにただただ面白い。映画はこうでなくちゃと思う。そして何度観ても、(他の国のそれは知らないが)日本の「アニメ」というジャンルはこの映画に影響を受けているのだなと思う。そしてそして何度観ても、ジョルジュ・ドルリューの音楽が印象に残らない(タイトルバック以外)のは、本編の映像を夢中になって観てしまうからだろう。次に観る際は、音楽にも注意したい。そしてやはり「同じ年に『気狂いピエロ』も撮っていたのかと思うと感慨深い」→焼き鳥、野菜炒め(ピーマン、ニンジン、レンコン)、鉄火巻き、ビール中瓶×1、金宮酎ハイ×3→いったん就寝。
10月5日(水) 深夜起床→DU仕事、今回もあればそろそろなので、10〜11月の予定をまとめて送付→シャワー→『Mr.&Mrs.スミス』(原題『Mr. & Mrs. Smith』、監督:ダグ・リーマン。ブラッド・ピット、アンジェリーナ・ジョリー、ヴィンス・ヴォーン、ケリー・ワシントン、クリス・ワイツ、アダム・ブロディ、クリス・ワイツ、ミシェル・モナハン。2005、米20th Century Fox)。深みはないが、ただただ楽しい、ハリウッド娯楽映画のお手本のような映画だった。ブラッド・ピットがちょっと頭が悪過ぎる印象(行動や思考ではなく髪型や表情などの外見)なのがややマイナスポイントだし、ふたりの家をそれぞれの武器などを隠すためにいつどうやって改装したのかなど矛盾点も見つかるが、別にそれが引っかかるわけでもなくすーっと楽しく観て、観終えればいい気持ちで忘れられるのがいい。二人の住処での闘いを夫婦喧嘩のメタファーとして観ても面白いし、アンジェリーナ・ジョリーがかっこいいだけでなく、ときおり可愛らしい表情を少しだけ見せる塩梅も心憎い→コンビーフ、梅干し、ビール中瓶×1、ホッピー×1→朝方5時頃就寝→朝10時起床。白湯、マヌカハニー→じゃがいものおつけ、太巻き→プランク60秒とスクワット30回→コルセット装着→『ナイト&デイ』(原題『Knight and Day』、監督:ジェームズ・マンゴールド。トム・クルーズ、キャメロン・ディアス、ピーター・サースガード、ヴィオラ・デイヴィス、マーク・ブルカス、マギー・グレイス、ポール・ダノ、フォーク・ヘンチェル、ガル・ガドット、ジャック・オコンネル、デイル・ダイ、セリア・ウェストン。2010、米Twentieth Century Fox)。これまた『Mr.&Mrs.スミス』と同様、脚本や演出の細かい穴も「それが引っかかるわけでもなくすーっと楽しく観て、観終えればいい気持ちで忘れられるのがいい」映画だった。トム・クルーズ扮するロイ・ミラーが、ただ頼り甲斐のある男という印象だったが、劇中では異常者として追われているという設定もあったので、もう少し狂気が滲み出たほうがよかったか。あと『Knight and Day』という題名は「Night & Day」(いつも一緒)に騎士(そしてロイ・ミラーの本名である)「Knight」かけたものと思われるが、コール・ポーター『Night & Day』を音楽的な主要モチーフにしてほしかったとは思う。しかし、それだとベタ過ぎると判断したのかな→菊水堂ポテトチップス、チッチャロン・バラット、オムレツ、ペンネ・アラビアータ、ビール中瓶×1、ホッピー×1→食休み→『日本侠客伝』(監督:マキノ雅弘。田村高廣、松方弘樹、大木実、津川雅彦、長門裕之、伊井友三郎、藤間紫、中村錦之助、天津敏、安部徹、内田朝雄、藤純子、三田佳子、高倉健、ミヤコ蝶々、南田洋子、品川隆二、南都雄二。1964、東映)。確かに高倉健は千両役者だが、本作は千両役者が寄ってたかってひとりの千両役者を持ち上げたという趣。いや田村高廣や中村錦之助の見せ場は、高倉健の見せ場を超えていたかもしれない(中村錦之助が敵陣に乗り込む前に娘−のちの藤山直美−に祭り装束を着せ抱きしめる場面は泣かずにはいられない)。女優では藤間紫と南田洋子(藤純子と三田佳子は若干影が薄かったかな)、男優では松方弘樹と大木実はもちろん、長門裕之も他の作品では見られないような輝きがあったし(ちょいと思い込み)、安部徹に至っては終盤で結局潰える場面とはいえこれだけ輝いている安部徹は観たことがないかもしれない(これは思い込みではないと思う)。そういう役者の扱い方はマキノ雅弘ならではなのかなと思うが、果たして。旧い時代のヤクザが新しい時代のヤクザに挑むのが、ヤクザがいない社会を作ろうという志というのにも感心するが、さてそういう志を描いたヤクザ映画がほかにあったかどうか、ちょいと記憶を辿って考えてみたい→豆腐と辛味ツナ缶と野菜の炒め(キャベツ、ニンジン)、納豆生卵、ビール中瓶×1、御酒×2→午前1時就寝。
10月6日(木) 朝8時起床。白湯、マヌカハニー→豆腐と辛味ツナ缶と野菜の炒め(キャベツ、ニンジン)、じゃがいものおつけ、ご飯、納豆、海苔→クルマで西荻窪。まずは〈はつね〉でたんめん。なるほど、優しい味だが塩はしっかり効いていて、野菜の出汁もほどよい。スープだけびっくりではなく、麺と野菜と絡めて食べていると次第に満たされてくる感じ。中毒者が出るのもうなずける→〈フランクフルト〉でコンビーフやハムソーセージ買い、三鷹へ。本日は先日とは反対に、西荻窪から井の頭通りに出たのち立教女学院のほうに左折し、三鷹台を抜けて人見街道に出るのを試してみた。これまたなかなか楽→〈サミット〉で買い物し、クリーニング屋で洗濯物受け取り、老父に手渡して本日の業務完了→帰途〈ワークマン〉に寄り、秋口用にと「ライトウォームジャケット」なる上っ張りを購入。3,900円なり。値段の割によさそうではある→近所の〈サミット〉で買い物して帰宅→風呂→『ネズラ1964』(監督:横川寛人。菊沢将憲、螢雪次朗、米山冬馬、大迫一平、佐藤昇、内田喜郎、斉藤麻衣、小野ひまわり、青木ラブ、佐野史郎、古谷敏、マッハ文朱、安田崇。2021、3Y Film)。1964年に大映が『大群獣ネズラ』という特撮映画を制作していたことすら知らなかったが、その舞台裏−−企画会議、準備、撮影、撮影中止に至る過程とその後までを描き、幻の映画の存在を知らしめる、という点は面白い。それで興味を持ち観てみた次第だが、制作時の昭和38年=日本の60年代の雰囲気がまったく醸し出されていない点に驚き、それだけで私は興味を失ってしまった(そういう細部の軽視というか細部への目の届かなさは、学生映画の水準と思う)。特撮風景の再現にはかなりの迫力を感じただけに残念。ついでいうと、これは好みの範疇とは思うが、メイキングを撮る監督ユカワの役が妙に太った男という点に、なんだか違和感を感じた。別に太っててもいいのだが、あの体型、あの顔立ちの必然性はなにかと考えると、もっと特徴のない人物でよかったように思う(そのほうが『大群獣ネズラ』の舞台裏、メイキングを撮っているという主たる部分がもっと活きたのではないかと思ったのだが、どうだろうか(ちなみにその役者は、撮影にも関わっている人のようだ)。それと、構造的にはユカワが撮影しているという設定の場面≠ヘ白黒で構わないが、ユカワがカメラを回している姿を写した場面≠ヘカラーでよかったような気もした(ただしこの感想には迷いがある)。とうとつなマッハ文朱の登場と、そのマッハ文朱がやはりとうとつに『ネズラマーチ』を歌うのは面白かったが、そこが本作で一番面白かったところ、というのもどうか。あと音楽は割と印象に残り、音楽は今堀拓也、挿入歌は渡辺宙明という人だったが、串田アキラが歌うエンディングテーマ『大群獣ネズラ』は、マッハ文朱の歌の場面が面白かっただけに、ちょいと蛇足だったか→サラダ(セロリ、トマト、アボカド、しらす)、ロースハム、コンビーフ、海苔、オムレツ、じゃがいものポタージュ、ロールパンホットドッグ、ビール中瓶×1、御酒×3→夜8時就寝。本日はコルセットとプランクとスクワットさぼり。
10月7日(金) 朝9時起床。白湯、マヌカハニー→じゃがいものポタージュ、ロールパン卵サンドイッチ→プランク70秒、スクワット40回。コルセットはさぼり→TYOで出演の「としまミュージックサークル」の自己紹介文作成→『ネズラ1964』復習→『陽暉楼』(原作:宮尾登美子、監督:五社英雄。池上季実子、緒形拳、上月左知子、中村錦司、花沢徳衛、西川峰子、倍賞美津子、曽我廼家明蝶、園佳也子、玉野叔史、成田三樹夫、小池朝雄、佳那晃子、木村四郎、浅野温子、悠之亭王介、田村連、丹波哲郎、風間杜夫、牧よし子、二宮さよ子、大村崑、井田弘樹。1983、東映)。物語が「土佐の高知の花柳界を舞台に生きる女衒の父と芸妓となった娘」(Wikipedia)ということはむろんわかるが、面白さがどこにあるのかが茫洋としている印象。主人公は池上季実子扮する桃若で、浅野温子扮する珠子との世代交代とか女同士の争いが主眼なのかもしれないが、そこがそんなにこちらの気持ちを昂らせない(珠子が桃若の父親=緒形拳の愛人という設定も、どういう風に活きているのかよくわからなかった)。池上季実子の印象がいささか優し過ぎるのも、全体がぼやけた感じに見える一因かもしれない。実際。カフェでのチャールストンから洗面所での乱闘(キャットファイト)に至る場面では、浅野温子の迫力と勢いが勝ってしまい、池上季実子が沈んで見えた。緒形拳も他の作品での緒形拳らしい精彩は感じられず、役者で印象に残ったのは結局浅野温子のほかは西川峰子のみ。なんだか自分の観方が間違っているのではないかと不安になるが、いっそのこと自分が間違っているとわかったほうが気が楽なような気がしている→菊水堂ポテトチップス、チッチャロン・バラット、海苔、コンビーフ、じゃがいものポタージュ、きつねスパゲティ(しらす、針生姜、キャベツ、油揚、煎り酒、酒、白胡椒)、ビール中瓶×1、御酒(蒸し燗)×2→食休み→風呂→『孫悟空 前編』(原作:山形雄策、監督:山本嘉次郎。北村武夫、柳田貞一、榎本健一、服部富子、岸井明、金井俊夫、高勢実乗、李香蘭、三益愛子、花井蘭子。1940、東宝)。詳しい感想は後編の放映・録画ののち、前後編とも通して観てからにしたいが(円谷英二が参加したという特撮についても、改めて鑑賞したい)、まあとにかく豪華絢爛、エノケン扮する孫悟空が江戸っ子なのが可笑しい。1940年といえば日中戦争の真っ只中だが、日本国内はまだ呑気だった様子が、この映画の呑気っぷりからも窺える(というか、1940年は皇紀二千六百年か)→ウィンナーソーセージ、ハム、ビール中瓶×1、金宮ロック×2→午前2時頃就寝。
10月8日(土) 朝9時半起床。白湯、マヌカハニー→ぶなしめじと油揚のおつけ、卵かけご飯、錦松梅、海苔→スクワット30回。プランクとコルセットはサボり→『大江山酒天童子』(原作:川口松太郎、監督:田中徳三。本郷功次郎、林成年、島田竜三、勝新太郎、根上淳、市川雷蔵、山本富士子、小沢栄太郎、中村鴈治郎、田崎潤、金田一敦子、中村玉緒、左幸子、荒木忍、中村豊、上田吉二郎、千葉敏郎、長谷川一夫、澤村宗之助、伊達三郎、浜田ゆう子。1960、大映)。冒頭の、四天王と一人武者、そして源頼光の揃い踏みからタイトルが出るところまではしびれるくらいカッコよかった。が、冒頭で大江山鬼退治の伝説を見せて「だが然し」とその異聞が始まってからは、せっかくの居並ぶスターもやや色なく、子供騙しの特撮映画の趣になってしまったのが残念。しかし巨石の連なりが崩壊する場面とか、特撮にも見所は多かったし、「居並ぶスターもやや色なく」と感じはしたもののそれでも光る芝居は多々あったのに、どこでどう「子供騙し」という印象になってしまったのだろう? それを確認するのにもう一度観るべきだったが、それも億劫で消去してしまった。また観る機会もあるだろう→夕方四谷三丁目へ。千代田線で国会議事堂まで行き丸の内線に乗り換えたが、丸の内線までけっこう距離はあるものの、新宿経由するよりこっちのほうが楽かもしれない→〈CON TON TON VIVO〉にて、T後率いるTres Lindas CubanasとTYOの共演の相談。話は割とすんなり進む。その後〈ドトール〉にてバンドのみで相談。アンコールのセッション曲とイベントタイトルについて→本日は飲めないT後は帰り、TYOのみで〈新記〉。揚げワンタン、海南島風蒸鶏、大根もち、台湾腸詰め、レタスオイスターソース、揚げ海老団子、ニンニクの芽とつぶ貝の炒め、醤油焼きそば、ビール中瓶×1、紹興酒デカンタ×1→隣のビルの〈dress〉に移動し、ここでO形合流。ラム・ロック×3。ここから記憶なし。タクシーで帰宅し帰宅後即就寝。
10月9日(日) 宿酔で終日横臥→午後少し元気になったので、アンコール曲の提案(カル・ジェイダー『Manblues』)とイベント・タイトルの提案。TYOは自分たちに無理難題を課しているという面があるので、「キューバと無理難題」を提案。英語:Cuba and Music Crisis、スペイン語:Crisis de música y Cubaとしたら「キューバ危機」みたいで面白いかなと。あと店にキューバ料理の提供などの無理難題≠聞いてもらえたら(キューバのカクテルはすでにメニューにあり)イベントの意味も出てくるかなと→風呂→『キング・オブ・コント』、優勝のビスケットブラザーズがネタ作りも芝居も甘過ぎて面白さがわからず。いぬ、コットン、や団、かが屋、最高の人間のいずれかが優勝だと思うのだが。それと番組の作りは無駄が多いし審査員の人選も納得できない(藝人紹介に力入れ過ぎ、審査員のコメントもあの人選ならなくてもいいし、出場者と同じレベルの藝人が審査員というのがそもそも。作家とかプロデューサーとか、他分野で笑いに一家言ある人とか、藝人ならおぼん・こぼんクラスとか、とにかく内輪感を抹殺してほしい)→あと同じ局の同じ日の別番組でのジャルジャルのコント(アナウンサー同士で発話がぶつかるやつ)が技術的にけっこう高度と感じ面白かった→蓮根とニンジンのキンピラ、キャベツとピーマンとウィンナーソーセージの炒め、コンビーフ、ぶなしめじと油揚のおつけ、ご飯半膳、納豆、ビール中瓶×1.5→『甘い秘密』(原作:徳田秋声『仮装人物』、監督:吉村公三郎。佐藤友美、入江洋佑、小沢栄太郎、丹阿弥谷津子、伊丹十三、細川俊之、小松方正、新藤恵美、宮下捷、初井言栄、東山千栄子、岩崎加根子。1971、松竹)。これまた忘れていたが、一年ほど前に観ていた(2021年10月31日)。そのときの感想とほぼ同じだが、「ガツンと来るものを感じない」等のネガティヴな印象よりも、今回は佐藤友美の魔性性をひたすら楽しんだ。あと都会風の味付けをしていながら(スタイリッシュな絵造り)、日本の土着的な何かが見え隠れするような構造にしているなと思ったのも、今回得た新しい感想。一応一年前の感想も記しておく。「原作の『仮装人物』は徳田秋声の「順子もの」の集大成であるそうだが、小林秀雄によれば「この奇妙なる恋愛小説の急所といふ様な部分を、批評家根性を出して見附けようとしてもなかなか見附からない。あらゆる処で、ひようたん鯰である」だそうだ。あと夏目漱石によれば「徳田氏の作物を読むと、いつも現実味はこれかと思はせられる」が「現実其儘を書いて居るが、其裏にフィロソフィがない」とのことだが、若い女性(弱い立場のもの)が男たち(強い立場のもの)を手玉にとるが…… という物語の映画化としてはガツンと来るものを感じないのは、そんな原作者の持ち味もあるのだろうか。一度観た感想としては、そのガツンと来ない感じがちょうどいい塩梅で、佐藤友美のひとり合点のように自分のペースで話を進めていく様子とか、手玉に取られているようで最後の砦は瓦解させない男たちのあり様などなどには現実味を感じた。佐藤友美が小沢栄太郎に放つ「この老いぼれ!」という一言は強烈だったが、全体的にはインパクトがあればよいものではない、と教えてくれる映画のように思った(個々の役者の芝居も、たとえば伊丹十三の小さい男っぷりなど、見所は多かった)。といいつつ、小沢栄太郎の息子役(宮下捷)にまで魔の手が伸びないのは、映画としてはやや物足りない感じも覚えはしたが、1971年作にして白黒、スタイリッシュな絵造りだけを目指しただけでなく当時の日本の普通の風景をも違和感なく取り込んで、お洒落ボサノバみたいな音楽を同じく違和感なく当てた構成の感覚と力はきちんと見ておくべきだと思う」→ロースハム、ビール中瓶×2→午前4時就寝。
10月10日(月) 朝10時過ぎ起床。白湯、マヌカハニー→朝は抜いて、昼は経堂駅前。間が空いてしまったが〈Two Brits Burger Bar〉にて、オニオンリング、フライドポテト、オリジナル・バーガー、ギネス小瓶×2。祝日だからかお客も混んでいて(その割にはのんびりした雰囲気だったが)、料理が出てくるのが遅かったり、ハンバーガーとフライドポテトが冷めていたり。それでもおいしいことはおいしかったが、次は平日の空いた時間に来よう。店主(イギリス人)がしきりに混雑故行き届かなかったことに気を遣っていたので、だから敢えてハンバーガーが覚めていたことを伝えつつ、でもおいしかったのでまた来ますよ、と告げた→農大通りを駅と反対方向に下り、千歳郵便局の脇から緑道通ってあとはでたらめに歩いて帰宅→午睡→風呂→晩の支度→『京子の初恋 八十八夜の月』(監督:市村泰一。宗方勝巳、岩下志麻、菅原文太、藤間紫、佐野周二、三益愛子、牧紀子、松原緑郎、竹脇無我、環三千世、高原真二、半田克美、原田万里子、瞳麗子、高千穂ひづる、ベルナール・ヴァン。1962、松竹)。日本橋にも店を持つ老舗の茶園を舞台に、四人の娘やその連れ合いと恋人、子供たち、あるいは茶園の使用人たちの人間模様。最初はお金持ちの家のあれこれを客観的に描くことで人間の可笑しさを表現する、言ってしまえばよくある家庭劇と思いつつまあまあ感心しながら観ていたが、長女(藤間紫)の株の失敗や息子(竹脇無我)の恋愛沙汰、次女(環三千世)の夫の浮気、三女(高千穂ひづる)の海外での結婚、末娘(岩下志麻)の恋人の死、そして演劇活動に現を抜かす末弟(宗方勝巳)が婚前に相手を妊娠させたりと、それぞれの事情がバリエーションに富んでいて飽きない。それぞれの問題を、三益愛子扮する母親/祖母がしっかりと解決に導くのが全体の話の運びだが、その母親が唯一拒否するのが三女の海外でのフランス人との結婚。それは使用人(菅原文太)の恋が破れることでもあり、終盤に差し掛かって少し思い展開になるのだが、それがいい塩梅でぱーっと晴れたところで、恋人の死から立ち直った末娘と三女の夫(ベルナール・ヴァン)が祭で「ちゃっきり節」を踊って大団円という展開に、笑って泣いた。笑って泣いたのは、分析はしていないが、おそらく話の組み立て方がうまいからだと思う。まったく知らない映画だったが、名作と思う。当時の、そして現在までの本作の評判を知りたいくらいだ。とても細かいところだが、末娘の死んだ恋人(松原緑郎)−フランス文学者の卵−の遺品の中に末娘を描いたへたくそなポートレートがあるのだが、そこに「kioko」とフランス風に末娘の名前(京子)を記してあったのも、なんとも藝が細かいなと思った→サラダ(キャベツ、ピーマン、トマト、セロリ)、しらす入り炒り卵(葱)、ウィンナーソーセージ、茹でニンジン、コンビーフ、ぶなしめじと油揚のおつけ、ご飯、納豆、錦松梅、刻み海苔、ビール中瓶×2→明日の朝食の支度→『嫁とよばれてまだ三月』(監督:天野信。渡辺篤、石原須磨男、大崎四郎、前田和子、浪花千栄子、初音麗子、岩田正、上久保武夫、峯幸子、大美輝子、上田寛、種井信子。1954、大映)。中年(初老)と若者の二組のカップルが並行して浮気疑惑に苛まれるという話も面白いが、何よりも渡辺篤、浪花千栄子(それから初音麗子)の芝居だけで十分楽しめてしまう映画だった。尺も51分、いわゆるプログラムピクチャーの類だろうし、じっさい軽いタッチの作品だが、添え物以上の手応えはあると思う。あとから思い返すと、場面ごとの絵造りもいちいち印象に残るものだったような気もする→『妻あり子あり友ありて』(原作:樫原一郎『ニッポン警視庁』、監督:井上梅次。大木実、立原博、三井弘二、佐々木孝丸、須賀不二男、佐田啓二、水戸光子、千穂ひづる、南道郎、山路義人、乙羽信子、青山宏、津川雅彦、真木康次郎、安住譲、三上真一郎、桑野みゆき、筑波久子、安部徹、マイク・ダニー、ハロルド・コンウェイ、牧紀子、十朱久雄。1961、松竹)。最初のうち、大木実扮する辺見三郎太(どんさん)が死ぬまでは熱血と冷静と対照的だが共に社会正義に燃えるふたりの若者(もう一人は佐田啓二扮する二瓶米作)の気持ちのよい青春友情譚(よい伴侶に恵まれ過程を持つまでの)だったが、それ以後はやたらに冗長でとっ散らかった警視庁プロパガンダ映画になってしまい閉口した。戦後から撮影当時までの世相や事件を反映しながらその中での警視庁の活躍ぶり、成長ぶりを描こうという意図なのだろうが、ひとつひとつの世相や事件がそれだけで一本の映画になり得る題材なので、警視庁通史のように撮ってしまうとただ中途半端なだけで終わってしまう。そこに刑事の家庭の描写も盛り込むものだから、最も感動を誘うであろう人間模様が観ているうちに霧散してしまい、最終的に警視庁プロパガンダの様相だけが印象に残る次第。156分という尺も長過ぎで、壮大なる失敗作と言ってよいのではないかと思う→朝方6時就寝。
posted by aokiosamublog at 23:00| 小ネタ/思考/日記