2022年12月20日
12月まとめ(11〜20日)
J:COM騒動(なんとか解決したが、総括を求める)、すき焼き、『THE W』、『新野啓一・俺の猫展』於市ヶ谷〈Rom maai〉、素晴らしい小岩・亀戸飲み(喫茶木の実、鳥勢、龍公亭、いぐち式)、二千円ストラト調整了で引き取り、中村錦之助主演『冷飯とおさんとちゃん』、丸福ボンバーズ。『こんな夜の歌』於千歳船橋〈APOCシアター〉、『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』、『春風亭朝枝独演会』於神保町〈On a slow boat to …〉、ザ・ゼローズ、下北沢〈ベルプリ〉初訪問、『くりぃむナンタラ M-1次の審査員はオレだ』、『Kiinaパーティー〜氷川きよしと最高な夜』。
12月11日(日) 朝10時起床→蕪のおつけ→〈J:COMショップ祖師ヶ谷大蔵〉へ。担当氏には今回はほんとうにがっかりした、新人をサポートする立場なのになぜ新人と同じミスを繰り返すのか、新人がミスをするのは仕方がないが、それを捕捉しトラブルを事前に回避する体制がなぜ構築されていないのか、担当者個々人への不信感を超えて、J:COMという会社自体へ不信感を持たざるを得ない、等の旨を伝える。新料金プランへの切り替えはその場で15分ほどで完了したが、客に配布されたものと同じ説明書を参照しつつカスターマーセンターから電話で指示を受けながらもたもたと作業している印象で、担当氏もよくわかっていないのではないかと思われた。今回の顛末とこちらの疑問点については文書で送付し、事実認識の確認と疑問点への回答をお願いする→〈岡田屋〉にて一杯。焼売、玉子ニラ炒め、ビール中瓶×1→電車で千歳船橋に戻り、〈秀〉などで買い物して帰宅→牛肉を舞茸のみじん切りに漬けておくと柔らかくなる、という話を試してみようと、昨日牛肉赤身を買ってきてもらっていたので、早速やってみる。最初はカレーにしようとぶつ切りを買ってもらったのだが、本日思いついてすき焼きにすることにしたので、まずは肉をスライスして包丁の峰で叩いて伸ばして、四枚ずつラップの上に乗せて舞茸みじん切りを上にまぶして包む。これを五包み→ついでにすき焼きのザクと割下の支度。割下は、醤油150ml、酒150ml、みりん100ml、水100ml、砂糖小さじ2で拵えてみたが、ちょっと辛かったか→で、昨夜途中でやめた『The W』を見ながらすき焼き(牛赤身、焼き豆腐、春菊、玉葱、葱、白滝、椎茸)、ビール中瓶×1、金宮酎ハイ×1。すき焼きは牛脂で葱を焼いていったん取り出す方式を試してみたが、そんなに変わらなかったように思う→食後眠くなり、夜8時頃就寝→10時過ぎ起床→『The W』のうち爛々を何度か見たりしてから、『バラキ』(原作:ピーター・マーズ『マフィア/恐怖の犯罪シンジケート』(The Valachi Papers)、原題『The Valachi Papers』、監督:テレンス・ヤング。チャールズ・ブロンソン、マリオ・ピラー、ジェラルド・S・オローリン、リノ・ヴァンチュラ、グイド・レオンティーニ、ワルテル・キアーリ、アメデオ・ナザーリ、ジョセフ・ワイズマン、アレッサンドロ・スペルリ、アンジェロ・インファンティ、ジル・アイアランド、ファウスト・トッツィ、プペラ・マッジオ、マリア・バクサ。1972、伊仏米Columbia Pictures)。実在のヤクザの内部事情というものにあまり興味を覚えないたちなので、そういう点ではしれっと観てしまったが、一匹狼的な役柄が多いブロンソンが組織の中で、しかも下っ端から始まって右往左往する役柄というのは、自分にとっては新味であった。コーサ・ノストラについてもう少し知識を蓄えてから観返すと、もっと楽しめるのだろうとは思う→朝食用のスパゲティ作ったりしてから、朝5時頃就寝。
12月12日(月) 昼頃起床。白湯、マヌカハニー→鮭と紫蘇のスパゲティ(煎酒、黒胡椒)→J:COMの今回の顛末とこちらの疑問点についての文書を作成→風呂→キャベツとトマトと紫蘇とオイルサーディンのサラダ、ニンジン入りポテトサラダ、豚ロース酒粕漬けソテー、茹でウインナー、蕪のおつけ、牛丼(生卵)、ビール中瓶×1、御酒×2→「文書」を修正してから就寝。夜12時過ぎ。明け方一度起きて「文書」を再修正し印刷。
12月13日(火) 朝10時起床。白湯、マヌカハニー→蕪のおつけ→昼前に出立。まずは市ヶ谷と神楽坂の間にあるギャラリー〈Rom maai〉にて、『新野啓一・俺の猫展』を拝見。新野さん大病のあとだったが、赤星さんとともにお元気そうでなにより。作品は、まず猫に対する観察眼に感服。それから、小さいキャンバスに描いた写実的な絵も素晴らしかったが、20号のキャンパスに描いた白くて広い背景の中に猫が横並びになっているシリーズの、空間のバランス、猫の省略とデフォルメが素晴らしかった。ひさしぶりにお話しもでき、楽しいひとときだった→神楽坂までぶらぶら歩き、神楽小路の蕎麦屋〈志な乃〉で昼(小ざる合盛り、御酒×1)→総武線で小岩まで移動し、O形のT岡さん漫画の取材・打ち合わせに同行。素晴らしい喫茶店〈木の実〉にて。私はただ横に座って珈琲飲んで本読んでただけ→取材・打ち合わせののち、さあ一杯とまずは駅にほど近い「黄色い焼き鳥屋」で一杯。以前バリを訪れたときに焼き魚を買いに行った店のような佇まい。吹き抜けの店構えがなんとも素晴らしいし、私のようなクズ酔っ払いが多く集う店という趣だが、店主は焼き鳥に関してストイックで謙虚な姿勢で、どれも一本80円の焼き鳥がどれもうまい。酒は持ち込みも可で(となりにコンビニエンス・ストアがある)、持ち込みの場合は持ち込み料一本当たり50円。なんだか天国のような店だった。やきとり四本(油つぼ、そのた失念)、ビールロング缶×1。店名もわからず仕舞いだったが、帰宅後調べたら〈鳥勢〉であることが判明。しかも立派なホームページ( https://www.koiwatorisei.com )まであって驚いた→本日のお目当てである駅から徒歩30分ほどのお好み焼きの〈たつみ〉を目指すも、料理を運ぶ汽車が故障中とのことで残念ながら休業。で、仕方がないのでぶらぶらし、〈龍公亭〉なる中華料理屋に入ってみたら当たり。岡田屋ほどの丁寧な料理で味わいも深かった。餃子、もやしとピーマンと豚肉の炒め、春巻き、レバニラ炒め、御酒×2→さらに亀戸の立ち飲み屋に行こうということになり、小岩駅に戻って電車で亀戸、〈いぐち式〉で一杯。ママさんがムーンライダーズのファンとのことで、『アマチュア・アカデミー』の頃などの昔話に花が咲く。いやーここは楽しい。カツオ漬け、春菊サラダ、焼酎炭酸割り×6(うち4はほろにが割り)→〈いぐち式〉でご一緒した青年と秋葉原までご一緒し、平和に電車で帰宅。例によってカップ麺(本日はカップ天ぷらそば)啜って就寝。夜0時頃。
12月14日(水) 終日宿酔で横臥。酒よりも歩いたのが疲れたか、午後まで熟睡→午後起きてきつね月見そば(春菊)→風呂→菊水堂ポテトチップス、チッチャロン・バラット、落花生、里芋とニンジンと油揚の煮物、ぶなしめじと舞茸のおつけ、ご飯半膳、江戸むらさき、海苔、ビール中瓶×2→夜11時就寝。
12月15日(木) 朝9時半起床。白湯、マヌカハニー→ぶなしめじと舞茸のおつけ、まつのはこんぶ入り炒り卵乗せご飯→『Smile』の7/8とスイングを繰り返すアレンジを打ち込んでみる。GarageBandだと面倒なので、B電子から貰い受けたMacBookにLogic Expressをインストールしてみようとインストール・ディスクを探し出したが、不明なエラーが起きてインストールできず。あきらめてGarageBandで、ひとまず基礎部分と構成は完了→〈エア・ガレージ〉に調整に出した二千円ストラトを引き取りに行く。工賃が七千円かかり、なんとも酔狂なことをしたなと思うが、試奏したら見違えるように弾きやすくなったので満足(ナットの溝削ったあとの掃除してなかったのがおかしいが)。もう少し小遣い貯まったら、ヤマハSJ-800もやってもらおう→帰宅後即晩。春菊とキャベツとトマトとロースハムのサラダ、菊水堂ポテトチップス、ディナーソーセージ、豚肉酒粕漬けソテー、ぶなしめじと舞茸のおつけ、コンビーフ丼(うずらの卵)、ビール中瓶×1、御酒×2→中村錦之助『冷飯とおさんとちゃん』を観ながらだったが、「おさん」の途中で限界を迎え就寝→日付変わる前に起床→O形サイト更新(絵日記)→『Smile』の7/8とスイングを繰り返すアレンジ、歌メロとソプラノサックスのソロも含めてざっくりした肉付けまで完了。このあとは参考見本程度の単純化したもの(ただしコードは少しいじる)と、ばっちりアレンジしたものとを作り、一応譜面を作って完了か。年内にはなんとか→録画消化、落花生、金宮お湯割×2、素うどん→午前6時頃就寝。
12月16日(金) 朝8時半起床→卵おじや→老父買い物代行(サミット)。午後の用事があるので早めに出かけ早めに済ます→帰宅して風呂→午後、丸福ボンバーズ(カレー屋〈ちとにこ〉店主の劇団)『こんな夜の歌』(於千歳船橋〈APOCシアター〉)。「ストレイトプレイミュージカル」を謳った公演だが、念のため字義を調べてみると、ストレートプレイ=(厳密には)歌にセリフの役割を担わせない、ということのようなので、「ストレートプレイ」と「ミュージカル」が並立するのかよくわからない。劇中では登場人物の心情が多く歌で吐露されるので、普通に「ミュージカル」と言ってよいと思うのだが、とはいえ素人が演劇の定義のことを考えずに観る分には、物語と芝居と歌とで伝わってくるものも多々あり、鑑賞して満足は覚えた。若いふたりが結ばれた(というかその絆がより強固になった)とか、母娘の心の溝が埋まったりとか、その母が新しい人間関係を娘に認めてもらえたとか、幼馴染の男女間の友情がとんでもない形に発展するとか、そして小動物≠フ都市伝説とか、心動かされる場面も少なくなかった。気になった点を挙げると、物語の設定が途中までわかりにくい(これは最近の流行りか?)、物語を構成する要素が多い、笑や伏線回収の起爆力に欠ける、という印象に加え、人間が十人(うちねずみが三匹)で七組(合ってるかな?)の中でそれぞれを平等に扱いたいという考えもわかるが、どれかひと組(あるいは人間たちとネズミとでふた組)に焦点を当てたり重きを置いたほうが、伝わってくるものは多かったのではないかと思ったが、果たして。歌が多彩なのも楽しかったが、一時間半くらいからは各役者の歌がガイドラインを守るだけで精一杯になっていったように思った怨み(それ以上に音程やリズムを外しているように聴こえたところ)も残った→〈あずまや〉で一杯やりながら、本日の芝居について思うところを家内と意見交換。すっきりした。たこ焼き(塩)、焼き枝豆、豚玉(からしマヨネーズ、マヨネーズ〉、ビール中ジョッキ×2、レモンサワー×1。帰り際だからいいけれども、ほかに客(我々)がいるのに店の人にやたら話しかける客が入ってきたが、ああいうのはみっともないな→〈秀〉と〈土井商店〉で買い物して帰宅。〈土井商店〉ではスタンプラリーをやっているとのことで、温泉卵、うずらの卵西京漬けなどをお土産にいただく→午睡→夕方起床→菊水堂ポテトチップス、チッチャロン・ブラット、落花生、うずらの卵最強漬け、大根のおつけ、ビール中瓶×1、御酒×3→夜11時頃就寝。
12月17日(土) 朝一度目が覚めるが、昼まで横臥。白湯、マヌカハニー→大根のおつけ、卵かけご飯(ちりめんじゃこ)、海苔→Miniの歴史をちょいと勉強→一階に放り込んだままの楽器の片付け→晩の支度。本日はサバカレー→風呂→落花生、チッチャロン・ブラット、ディナーソーセージ、もやしとニンジンのアチャール風炒め(ロースハム、ニンニク)、サバカレー(トマト、舞茸、玉葱)、玄米バスマティ米ブレンドご飯、ピーマン即成ピクルス、ビール中瓶×1.5、金宮酎ハイ×1→日本TV『世界一受けたい授業』、マイナンバーカードを普及させたい政府のプロパガンダ番組で最悪。いかにバラエティとはいえ、是非を問う姿勢はほしかった(それをバランスよく面白く見せてこそのテレビ番組ではないかと思う)→フジTV『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』、これは出演者に気負いがなく好きなことを好きなようにやっていて、一応審査員はいるものの偉そうに講評するでなく、途中鼻白らむことがほとんどなく二時間笑っ放しであった。昨年の録画を保存していなかったようなのが悔やまれる→晩の料理のスパイスで頭から汗を噴いたので、もう一度風呂→『冷飯とおさんとちゃん』(原作:山本周五郎『ひやめし物語』『おさん』『ちゃん』、監督:田坂具隆。「冷飯」中村錦之助、入江若葉、山乃美七子、浜村純、木暮実千代、岡田千代、藤原釜足、柴山又左衛門、花澤徳衛、河原崎長一郎、小沢昭一、中村錦司、唐沢民賢、宮園純子、千秋実、東龍子、不二和子、五十嵐義弘、矢奈木邦二郎。「おさん」中村錦之助、三田佳子、新珠三千代、佐藤慶、富永佳代子、赤木春恵、大坂志郎、中畑道子。「ちゃん」中村錦之助、森光子、伊藤敏孝、岡田由紀子、君塚秀修、藤山直子、渡辺美佐子、北村和夫、坂本武、都賀静子、三木のり平。1965、東映)。五年ぶりに観たが、感想は一緒。そのまま引いておく「三話とも歩く中村錦之助の後ろ姿から始まるのが面白い。「冷飯」佐藤勝の音楽がニーノ・ロータみたいでよい。爽やかでいい話。料亭での中村錦之助など真似したいくらいだ。「おさん』」おさんと参太の場面で参太を映さない(ほぼ三田佳子の一人芝居)のがよい。三田佳子の色狂いっぷり(目の焦点をわざと合わせていない?)もぐっとくる。音響の演出もいいし、全体的に鈴木清順っぽい要素があるし、魔術的リアリズムという言葉も思い出した。「ちゃん」なんだこのいい話は。泣かされた。そして川端に立っている三木のり平の姿のよいことったら。ひとつひとつの話だけで映画一本ずつになると思うし、そう思うと三時間近い映画にする意味とはと問いたくなるが、こうして三本まとめたときの観る側の心を動かす効果というのも確かにあった。今だとこういう企画を通せる役者はいるのかな」。付け加えなければならないのは、脇を固める入江若葉、浜村純、木暮実千代、小沢昭一、千秋実、新珠三千代、佐藤慶、大坂志郎、森光子、渡辺美佐子(左記で名前を出した人は割愛)らの素晴らしさ。錦之助の味わいを邪魔しない塩梅も、半分は監督の力かもしれないが、特筆すべきと思う→『ピンクリボン』(監督:藤井謙二郎。黒沢清、高橋伴明、井筒和幸、林田義行、森章、福原彰、中村勝芳、女池充、吉行由実、若松孝二、渡辺護、小川欣也、小林悟、足立正生、大和屋竺、田尻裕司。2004、アップリンク)。日活ロマンポルノなどの大手作品=ポルノではない「ピンク映画」の歴史や現場(主に新東宝ということになるのかな)を追ったドキュメンタリー。私個人としては、今までちゃんと考えたことのない世界の内側を覗くことができた、ということになるが、ドキュメンタリーとしての取材、構成がかなりしっかりしている作品である、という印象も強かった→明け方就寝。
12月18日(日) 朝10時過ぎ起床→鯖カレーライス小皿→昼過ぎ神保町に出て、ジャズ喫茶〈On a slow boat to …〉にて、Rいちゃん主催の『春風亭朝枝独演会』(クライバー商会『rakugo-genic』の第一回)を見物。演目と構成は、
転失気
紫檀楼古木
(仲入)
トーク
締め込み
元の噺の面白さを考え抜き、登場人物ひとりひとりをそれぞれが憑依したかのように丁寧に演じ分けた、という印象。二つ目ということだが、かなりの実力だと思う。様子がいいのもいい。(私にとっては)珍しい「紫檀楼古木」が聴けたのもうれしい(これは主催者からの「女性が主役の噺を聴きたい」というリクエストのよるものだそうで、主催者のファインプレイとも言える)。今後が楽しみ。主催者とのトークは、主催者が言葉を選ばないところ(寄席では二つ目の出番のときは寝ていた、等)を春風亭朝枝がうまく受けていたのが面白かった→終演後噺家ご本人に手短に感想を伝え、早々においとまして下北沢へ。〈ClLUB251〉にてザ・ゼローズ(新宿三丁目〈Second Line〉でお馴染みの面々で結成されたガールズ・スリーピース・バンド)のライブ見物。決して演奏がうまいわけでもないのに(ベースはうまいなと思った)人を魅了する要素があるのに関心。楽しかった。ちばあゆみの名曲「獄中結婚」を聴けたのもうれしい→メンバーには会えなかったが、〈Second Line〉ゆかりの面々にご挨拶しておいとま→〈カルパシ〉の黒澤さんが下北沢に新しく開いたというユーラシアンスパイス料理とナチュラルワインの店=qベルプリ〉を初訪問。ベルプリ(ムンバイのチャート=屋台スナック)、ピペラード(バスクの野菜煮込み)、わかさぎのフリット(クミンと岩塩)、チキン65、マトンラグーのマニケ(スパイシーマトンキーマのショートパスタ)、スパークリングワイン一杯、白葡萄種×1/2、赤葡萄種一杯。ユーラシアすなわちアジアとヨーロッパを合わせた広い地域の様々な料理を提供するというわけだが、それぞれに適したスパイスを加えることで今までにない味わいを創り出し、それを小皿料理にして葡萄酒と合わせる(料理に合った葡萄酒を提案する)という発想が素晴らしいし、そんな七面倒なことを考えなくても、品書きから食べたいものを選んで酒はある程度任せたたら、なんとも幸福な食事体験を味わうことができた。さすが黒澤さんと思ったが、インド発祥の料理以外は共同経営車の小師さんによるものとのこと。店を実際に切り盛りするのも小師さんだそうで、ソムリエの資格もお持ちだそうだ。確かに勧めてくれたオーストリアのヨハネス・ツィリンガー レヴォリューション ピンクソラレNV(多分2017〜2020)も料理に合ってたいへんよかったし、白だが少し温めながらのほうがよい、という助言も的確だった。葡萄酒がまあまあ高価(品書きには6,000円〜とあるが、まあ実際には10,000円前後からと考えたほうがよさそうだ)なので、気楽に利用するには軽くつまんで一二杯といった感じになるが、馴染みにはなりたいと思う。またよい店とご縁ができた→平和に電車で帰宅。なんとなく飲み足らず、また小腹が空いたので、チッチャロン・ブラット、金宮酎ハイ×1。TV朝日『M-1グランプリ』を横目で見つつだが、各ネタもそんなに面白くなく山田邦子の審査もひどいので、途中でカップ天ぷらそばと御酒で閉めて就寝。夜11時頃。
12月19日(月) 朝10時過ぎ起床。白湯→大根のおつけ、鯖カレーライス→午後はここ数日のまとめ→風呂→『傷つける野獣』(監督:野口博志。川地民夫、二谷英明、宍戸錠、水島道太郎、高品格、長弘、雪丘恵介、南田洋子、高友子、筑波久子、土方弘、天草四郎。1959、日活)。主人公(川地民夫)がバイク店を開くのに三十万円要ると言った〜それを聞いた女がニュース映画の取材に対し「三十万円欲しい」と言った〜そのニュース映画をたまたま見た主人公が強盗を働いた、というなんだかマッチポンプ的な発端なのがよく考えるとおかしいのだが、ぼおっと見ている分には人間の情を絡めた犯罪サスペンスの佳作と言ってもよいのかな。終幕の音楽会の場面なども、あとで考えると効いているのだが、観ている最中はそんなに高価的でもないように思われるというところがいくつかあるのも不思議ではあった。楽しく観たが記憶には残らないんじゃないかな→TV朝日『くりぃむナンタラ』(昨夜の録画)見て大いに笑う。『M-1グランプリ』の審査のパロディだが、そのパロディのためにインディアンス、錦鯉、原口まさあきとJPの即席コンビのワイドナショー's(この辺りから漫才ではなくなってくるのがまた効いている)、慣れてくると大したものでもないようなタンバリン藝ともともと大した藝でもないキーボード弾きながらトランペット吹くだけのゴンゾー&こまつ(ここに至ってはただ漫才ではない≠ニ審査員に言わせたいだけの起用)がそこそこ本気っぽい藝を繰り広げるのがもう可笑しいし、、くりぃむしちゅうの有田哲平が恣意的に各ネタに各審査員の点数を勝手につけ、で、各審査員(上田晋也、山里亮太、長谷川忍、ヒコロヒー)が自分に割り振られた点数から講評を繰り広げるという設定がまた可笑しい。で、そこにおぼん・こぼんが本寸法のネタを、しかし端折った形で演じるのもまた可笑しい。ヒコロヒー以外の審査員(役)の三人の話藝も大したものと思った。ヒコロヒーは何ひとつ面白いことを言わなかったが、途中からああお飾りとし起用されたのだなと思った。その辺も作り手側がちゃんとわかっているのだなと思わせられるところも好感が持てた→NHK『Kiinaパーティー〜氷川きよしと最高な夜』の録画も見たが、これは素晴らしいな。年が明けたら一年休業する氷川きよしの、これまでの最後の姿(になるのかな)を思う存分味わえた→菊水堂ポテトチップス、コンビーフ、チッチャロン・バラット、ディナーソーセージ、大根と蓮根とニンジンと里芋と油揚の煮物、ぶなしめじのおつけ、焼き飯(ビアヴルスト、ピーマン、ニンニク、卵)、ビール中瓶×2、金宮酎ハイ×1、御酒×1→夜0時就寝。
12月20日(火) 朝10時頃起床。白湯→なんだか寒気がして熱を測ったら36.9℃。微妙だが本日のO形実家訪問は失敬させていただく。しかしその後熱は下がり、熱と共に訪れた妙な眠気も去った→ぶなしめじのおつけ、焼き飯→灯油買いにだけ出かける→『処女喪失』(原作:竹中労、監督:井田探。藤江リカ、和田浩治、河上信夫、新井麗子、二本柳寛、川地民夫、漆沢政子、山田禅二、田村清臣、加原武門、二木草之助、野呂圭介、二階堂郁夫、加山健次、内田子、浜川智子、杉山俊夫、木浦佑三、柏木優子、槇洋子、弘松三郎、天坊準、杉江弘、小杉典子、真山ひとみ。1965、日活)。記者が集めた処女喪失譚に基づいた物語、という設定だが(実際に竹中労原作のドキュメンタリーが下敷き)、登場人物が多く、以外にややこしい。整理してみると、1)山岸敬太・橋本綾子(和田浩治・藤江リカ)は綾子が勤め先の主人に処女を奪われた挙句町の不良に娼婦にさせられたところ偶然敬太が客として現れたため自殺 2)辻川さと子(内田子)はルームメイト(浜川智子)の男に処女を奪われ逃げるように東京に出て夫(木浦佑三)出会い幸せな家庭を築く 3)今西すえ子(槇洋子)は同じ病院の医師大杉春夫(弘松三郎)と交際していたが処女を奪われ妊娠させられた挙句に捨てられ、医長の娘と結婚式の最中の春夫の目の前で自殺を図る 4)桃井ミキ(柏木優子)は(おそらく)何人かの男に貢がせ自分の値を釣り上げようとしているが、会社の金を使い込んだ挙句に捨てられた朝倉良一(杉江弘)に恨まれ刺されそうになり逃げる途中大鏡に激突して負傷 5)芸者秀菊(小杉典子)は家のために体を売り 6)山岸敬太(和田浩治)は失意の旅の最中宿の女中(真山ひとみ)に身染められ結ばれる、となる。1〜6の間の相互関係としては桃井ミキが勤める結婚式場で大杉春夫と医長の娘の祝言が行われそこに今西すえ子が乱入して自殺を図る(一命を取り留める)のみだが、それ以外は独立した話(登場人物が多いのに相互関係が設計されていない)という点が却って複雑な印象を与える結果になっているような気がした。要は話の要点が明瞭でないのでつかみどころがわからなかった、ということか。川地民夫はずいぶん活躍しているはずなのに輝かないし、二本柳寛もちょい役みたいだしで、時代の記録としての価値のみと思ったが、果たして→干し芋、釜揚げそば(うずらの卵×3)→諸々連絡。F式氏に水戸のあれこれをご紹介したが、あとで楽しまれた様子をお知らせいただいて何よりであった→『Gガール 破壊的な彼女』(原題『My Super EX-Girlfriend』、監督:アイヴァン・ライトマン。ユマ・サーマン、ルーク・ウィルソン、レイン・ウィルソン、アンナ・ファリス、ワンダ・サイクス、マーク・コンスエロス、マーガレット・アン・フローレンス、エディ・イザード、タラ・トンプソン、ケビン・タウンリー。2006、米20th Century Fox)。7年ぶり。割と細かいところまで覚えていたが、とても楽しめた。7年前の感想は次の通り。「いい塩梅に単純さと軽さを湛えていて、それが却って人間同士のつながりの妙味を引き出しているなと思った。笑いのあるエロさの塩梅もよい。最後にGガールが増えてしまうところは爆笑した」。付け加えるならば、町の人たちが普通にGガールの存在を受け入れている描写が可笑しいし、ユマ・サーマンがご本人はあれだけ特異な存在だしGガールという特殊な役を演っているのにごく普通の女性に見えるのが面白いしさすが、という点か。題名は(邦題も含め)、最後にハンナがGガールズ化することを考えると「ガールズ」と複数形のほうが洒落が効いていいような気がしたが、まあ細か過ぎるしどっちでもいいか→糸蒟蒻とニンジンと生姜の炒め煮、柿ピー、うなぎ蒲焼、鰻重、ビール中瓶×1、御酒×2。うなぎはO形が買ってきてくれた〈川松〉のもの→夜8時頃いったん就寝→日付変わる前に起床→PC内のファイル整理→各種連絡→O形サイト更新(想い出食堂告知)→来年3月のマダム高岡岡地の告知ページの検討→『やじきた道中 てれすこ』(監督:平山秀幸。淡路恵子、笑福亭松之助、南方英二、間寛平、十八代目中村勘三郎、ラサール石井、麿赤児、小泉今日子、波乃久里子、柄本明、ベンガル、松重豊、山本浩司、六平直政、吉川晃司、鈴木蘭々、綾田俊樹、國村隼、佐藤正宏、笹野高史、左右田一平、青木和代。2007、松竹)。小泉今日子が登場してすぐに、まったく魅力がない、という印象なのに驚いた。勘三郎との芝居の差が歴然な所為かなと思ったが、それもあるけれども台詞の発声法がアイドル時代のままというのもあるなと思った(そういえば『あまちゃん』の初登場時の「海だねー」を聞いたときもそんなことを考えた気がする)。せっかくの勘三郎に柄本明なのに、映画全体のテンポや間もなんだか乗れない感じで、落語ネタも「てれすこ」のほかは「狸賽」と「浮世床」の将棋の場面をちょっと援用してくらいで中途半端だし(落語ネタの援用がないほうがむしろすっきりした)、全体的には残念な映画だった。音楽も、タイトルバックの「ラプソディ・イン・ブルー」の編曲は何かを期待させるものだったが、本編では印象なし→明け方就寝。
posted by aokiosamublog at 23:00| 小ネタ/思考/日記