2023年07月20日

7月まとめ(11〜20日)


『監察官・羽生宗一 殺意の銃弾!! 交番巡査発砲事件に疑惑あり!?』(脚本:安井国穂。中村梅雀、高橋ひとみ、戸田恵子)、『本の芸術家 武井武雄展』 於神奈川近代文学館、ひさびさの中華街逍遥、在庭坂DUO 於〈Stormy Monday〉、大磯〈海そば〉、大磯〈At Gallery N' CAFE〉、三隅研次『なみだ川』、杉江敏男『ロマンス娘』。

7月11日(火) 午前11時起床→オイルサーディン、パン→釜揚げたぬきそば(うずらの卵×2)→きゅうりもずく酢(新生姜、葱)、寄せ豆腐(胡麻、しらす干し)、鶏手羽元スープ、なめこと油揚のおつけ(揚げ玉)、ご飯、江戸むらさき、海苔、ビール中瓶×1 →何もしない一日だった。夜9時頃就寝。
7月12日(水) 深夜起床→『彼岸花』(原作:里見ク、監督:小津安二郎。今井健太郎、井上正彦、佐分利信、北竜二、田中絹代、中村伸郎、高橋とよ、桑野みゆき、有馬稲子、笠智衆、浪花千栄子、山本富士子、長岡輝子、十朱久雄、佐田啓二、高橋貞二、桜むつ子、末永功、久我美子、渡辺文雄、菅原通済、江川宇礼雄、小林十九二。1958、大映)。小津初のカラー映画。たまたまつい最近観た『秋刀魚の味』(本作の4年後/5作あと)と比べると、安心して楽しめるような完成度−−物語、役者の芝居、演出、各場面の一枚絵としての素晴らしさ等々−−が感じられるように思う。もちろん『秋刀魚の味』だって至高の一本だし、本作にはない人間への洞察もあろうが、娯楽(人を楽しませる)要素もある映画藝術としての完成度は、わかりやすさも含めて、やはり上なのではないかなと思った。平山渉(佐分利信)と京都の馴染みの宿の女将・佐々木初(浪花千栄子)の平山の会社の会議室でのどうでもいいようなやり取りの妙とか、平山の家でさかさに立てかけられた箒を佐々木初が見つけてひょいと上下を直すとか−−これは普通に見たら派出婦・富沢(長岡輝子)の仕業と思うが、平山の妻(田中絹代)がやったと考えてみるとまたいろいろな解釈が発生してくる−−、平山の抱える矛盾とか、平山の長女・節子(有馬稲子)のために佐々木初の娘・幸子(山本富士子)が打ったひと芝居とか、平山の妻の平山の制御っぷりとか、そうした何気ないものも含めた物語の構成要素がいちいちすっすっと腑に落ちてくる。平山と部下(高橋貞二)のバーでのくだりなども、物語を転がす一要素としてきちんと昨日しながら、軽い笑いの提供により観る側を飽きさせないという工夫にもなっている。全体にずんと重く考えさせられるようなところはなくむしろ軽さを感じさせるが、終盤の平山が節子の結婚式に出ると心を決めるところなどには、なかなかの重みを感じながら泣かされる。小津作品はだいたい同じようなテーマと人物配置、あとはそのときどきの変奏、という見方もある程度は的を射ていると思うが、その変奏の藝の素晴らしさがとてもよくわかる作品である、という言い方もできるのではないかと思う→菊水堂ポテトチップス、オイルサーディン、パン、ビール中瓶×2→午前5時頃就寝→朝8時起床。白湯、マヌカハニー→なめこと油揚のおつけ(生卵)、梅おむすび(海苔)一ケ→老父買い物代行(サミットのみ)。先週に引き続き〈はま寿司〉で寿司買い帰宅。明日に備えてガソリンも補給→寿司11ケ(アカイカ、煮あなご、活〆ぶり、活〆まだい、真あじ以上×2、中トロ×1)、ビール中瓶×1→『監察官・羽生宗一』なる警察ドラマの第一作「殺意の銃弾!! 交番巡査発砲事件に疑惑あり!?」(2014、TV朝日)をなんとなく見てみたが、脚本が意外に緻密でなんだか面白かった(脚本は安井国穂。ものすごい高名な脚本家というわけでもないようだが、警察者を中心にオリジナル・脚色合わせて二百本以上のTVドラマ・映画の脚本を書いているそうだ)。最後に涙ぐんでしまったのは、中村梅雀と高橋ひとみの芝居の魔法か→午睡→シャワー→新野さんの絵画作品、制作途中の感想を求められたので、1,200文字程にまとめて送付→茄子とピーマンの揚げ浸し、フライドポテト、豚ロース唐揚げ(紫蘇)、なめこと油揚のおつけ、ご飯、納豆、ビール中瓶×1、金宮酎ハイ×1/2→荷造りと明日明後日の道の確認などしてから、夜0時就寝。
7月13日(木) 朝8時起床。白湯、マヌカハニー→なめこ汁ぶっかけ飯(納豆、生卵)→午前9時半出立→まあまあスイスイ。11時過ぎ、〈神奈川近代文学館〉着。『本の芸術家 武井武雄展』を見物。

これはものすごい展示。武井武雄の刊本友の会の会員(のちに世話役)だった平尾榮美のコレクション(およびイルフ童画館所蔵の原画など)がこれでもかと並ぶ(2011年に平尾榮美コレクション約1,800点が神奈川近代文学館に寄贈され、同展の企画につながったそうだ)。

物語や詞文や絵の制作、造本の企画はもちろん、紙(ときには布)や板木やインク類の選択や印刷技法にまで武井武雄が関わった、凝りに凝って製作された刊本群は、一点ごとに丁寧に眺め、一点ごとのキャプションを読んでいくだけでも楽しく心躍り、そして物量とその背景にある武井武雄の制作意欲や発想の凄まじさに負けて、眩暈すら覚える。

一周めでくたびれてしまったが、出口に「武井武雄ワークシート解答」なる紙片があるのに気づき、これはなんだろうと入口まで戻ってみたら、出題形式で観覧の手助けをしてくれる「武井武雄ワークシート」が配布されていた。で、各設問の解答を探しながら各展示作品を再び観ていったら、眩暈に負けず観覧を続けられた。他の美術展などでもやっているかもしれないが、これはよい試みと思う。

ちなみに私はもちろん全問正解−−と威張りたいところだが、出題の対象となった作品はわかったものの、その作品が小さ過ぎてそこにあるはずの答が見つけられず、一問不正解であった(答は「ばれん」)。

ちなみに展示は、刊本作品139点(自分で数えたわけではないので、間違っているかもしれない)のほかに、武井武雄が刊本製作を始めるまでの軌跡−−幼少時や青年期の絵、武井武雄製作による玩具、各種資料なども(繰り返しになるが、作風や発想や技法の幅の広さ、制作意欲の凄まじさにも舌を巻く)。

武井武雄の刊本製作について一般的にどれだけ知られているのか、私は不勉強にして知らないが(私もよく知らなかった」、武井武雄の童画がお好きな向きや、造本藝術に興味のある向きには強くお勧めしたいと思った。

→午後1時〈ローズホテル)着→〈吉兆〉にて昼。台湾豆苗ニンニク炒め、焼売、あさりそば、ビール中瓶×1→中華街逍遥。まさかの〈萬来亭〉定休日(控えていたが失念)。今回は〈海員閣〉(ひとり営業で予約取っておらず)、〈清風楼〉(定休日)と、お目当てに振られ通し→〈LOULOU〉と〈LOULOU CAFE〉初訪問。〈LOULOU〉はオーナー兼デザイナーご本人が接客してくれたが、とてもよい人だった。O形が気に入ったらまた買い物に行きたい→続いて〈同發別館売店〉(菓子類)、〈のり蔵〉(コロッケサンド、カレーパン、クロワッサン、ハニーマスタードベーコン、のりハムロール)、〈南粤美食〉(アヒル醤油煮、干し豚バラ)と買い物→宿に戻りしばし休憩→夕方6時頃宿を出て、〈Stormy Monday〉へ。マダムと岡地さんの在庭坂DUO見物。ポテトチップス、葡萄酒計一本ほど。ライブは相変わらず最高、酔っ払った所為もあり、いつの間にか立ち上がって踊っていた。終演後も酒盛り。ちゃんとご挨拶はした気がするが、帰り道のことは何ひとつ記憶に残らず宿の帰館→おそらく夜0時頃就寝。
7月14日(金) 朝10時起床。コロッケサンド、珈琲→11時チェックアウト。売店で買い物して出発→初めての阪東橋ICは難なく入れたものの、横浜横須賀道路と横浜新道(保土ヶ谷バイパス)の分岐点(反対車線に狩場本線料金所)を間違い、横横方面へ行ってしまう。その場合、朝比奈ICで降りて鎌倉から134号に抜ければよかったのだが、あんまり何も考えずに衣笠ICまで行ってしまい、道を見失う。三浦縦貫道路を避け久里浜方面に向かい、三崎方面を目指したが迷ってしまい、出鱈目に運転していたらそれでも何度か三崎方面の表示があったのでそれに従っていたら、三浦半島東側(野比、長沢の辺り)で海に出て、それが134号。あとは三崎口の駅前を通って、一路大磯へ。葉山を過ぎてから江ノ島辺りまでかなり渋滞したので大磯の昼に間に合うかと心配になったが、午後2時前にはなんとか到着(反省点としては、ノロノロ運転のトラックが前にいたので葉山警察のところで207号森戸海岸線に入り逗子までショートカットすべきだった)→Atの横の駐車場にクルマを入れ、まずは〈海そば〉で昼(潮そば)→港の売店で魚類など購入。なんと丸々太った鯖が一尾150円だった→Atに寄って、Aさんとおしゃべり、Tしま君は残念ながら留守。『本の芸術家 武井武雄展』を強く推奨しておく→茅ヶ崎でガソリン入れ帰宅。今日は往路の134号だけでなく、帰路の134号(事故渋滞)や東名の町田横浜までも混んでいた→夕方6時無事帰宅→シャワー→録画消化しながら、アヒル醤油煮、枝豆(大磯で購入)、トマトと新玉葱のサラダ(新玉葱は大磯)、ハニーマスタードベーコン、のりハムロール、カレーパン、ビール中瓶×1.5→鯖をさばこうと思ったがなんだかふらふらしてきたので、〆鯖の仕込みまでO形に依頼。申し訳ない→夜10時就寝。
7月15日(土) 朝8時起床。白湯、マヌカハニー→クロワッサン、のりハムロール、アイスカフェオレ→老父が世話になっている老人ホームの懇談会へ。特に何事もなかったが、説明資料の完成度が低く、説明者も何を明確に説明すべきか、説明を理解してもらうために聞き手(入居者、家族)に必要な情報は何か、という点にまったく頓着していない様子。大手企業なのに、教育はいったいどうなっているのか。食事提供に関する契約の契約者が食事提供会社からホームの運営会社に一本化されるということで、新しい契約書にサインを求められたが、契約書上は「身元保証人」となっているのに配布資料では「連帯保証人」になっている点も、杜撰といえば杜撰である。大袈裟かもしれないが、先のJ:Comの社員の対応といい、こういう細かいところに日本の劣化を感じる→懇談会後、老父とO形とで〈はま寿司〉にて昼。まぐろ、活〆はまち、活〆まだい、しまあじ、大葉漬け真いか、あじ、あさり汁。昼食後、老父は買い物を希望していたが、心臓が苦しいと言って取りやめになった。老父宅に戻る頃には治ったとのことだが、大丈夫かな→帰途〈サミット〉で買い物→録画消化しながらアヒル醤油煮、ビール350ml缶×2→午睡→録画整理→O形サイト更新→シャワー→『純子引退記念映画 関東緋桜一家』(監督:マキノ雅弘。長門裕之、林彰太郎、藤純子、石山健二郎、水島道太郎、待田京介、伊吹吾郎、若山富三郎、笠置シヅ子、藤山寛美、木暮実千代、遠藤辰雄、八名信夫、天津敏、嵐寛寿郎、名和宏、汐路章、片岡千恵蔵、菅原文太、山城新伍、金子信雄、高倉健、八汐路圭子、南田洋子、鶴田浩二、川谷拓三。1972、東映)。以前観た際(2015年5月)の感想「スターが出過ぎでいささか未整理の感あり」は今回の感想としても同様だが、これでもかとスターがいい塩梅で出てくる筋書きに、もうそれでいいやと思わせられる。こういう映画はもう撮れまいと思うので、それだけで貴重だし満足。そして「最後に藤純子が物語の中の役柄と“引退”とをかけたように「それではみなさん、お世話になりました」と挨拶するところにはしびれた」という感想はそのまま同じ→もずくオクラ酢、枝豆、ジンタ唐揚げ、トマトとしらす、焼売、新玉葱と油揚のおつけ、豚バラ干し肉とぶなしめじと葱の炊き込みご飯、ビール中瓶×1と350ml缶×1、金宮酎ハイ×1→夜0時就寝。
7月16日(日) 昼頃起床。白湯、マヌカハニー→冷やし花巻そば(うずらの卵×2)、豚バラ干し肉とぶなしめじと葱の炊き込みご飯(釜揚げしらす)→夕方新宿へ。夕方新宿へ。用事のついでに〈TABIO〉で夏用の丈の短い靴下購入→〈紀伊國屋〉地下から新宿二丁目に移転した〈JINJIN〉にて遅い昼。しらすと大葉のペペロンチーノ、ビール中ジョッキ×1。食べればうまいが、店の魅力というのは立地もでかいなあと改めて思った→まだ少し時間が余ったので〈Baobab〉で一杯。ジントニック×2→続いて〈Second Line〉。8/18のチラシを置かせてもらい、カクパリ×4。相変わらず楽しく酔っ払わせてくれた→最後に、経堂に戻ってから〈さばのゆ〉。昭和歌謡をシングルレコードで聴くという催しをやっていた。昼の喫茶(といっても結局飲むが)はもうやらないとのこと。おつまみプレート、ビール350ml缶×2→けっこう酔っ払ったが、いや酔っ払ったからか、帰宅後冷やしかき揚げそば拵えて喰らう。かき揚げはもちろん買ってきたものではあるが→夜11時頃就寝。
7月17日(月) 昼頃起床→新玉葱と油揚のおつけ、豚バラ干し肉とぶなしめじと葱の炊き込みご飯(釜揚げしらす)→『むっちり討ち入り 桃色忠臣蔵』(監督:清水大敬。海空花、水谷あおい、松井理子、倖田李梨。2018、オーピー映画)。普通に真面目に言ってしまえば、冒頭のシーンからしてもう何も期待できないことがよくわかる類の映画だが、「忠臣蔵」の話の設定を無理矢理使っているのが可笑しいし、かつて殺人を犯した主人公をかばう刑事役の男の「今度生まれ変わったら刑事じゃなくてダンスの振付師になりたいんだ」という台詞が唐突で可笑しかったり、まあ楽しめないこともなかった(印刷所がひとつの舞台だったのだが、そこだけやけに本格的にハイデルベルグの印刷機がありしかも稼働しているのが妙に可笑しかった)。が、一回見ればいいし、同じような映画は当分いいや→シャワー→『一等マダムと三等旦那』(原案:並木透、監督:小森白。伊藤雄之助、小倉繁、鮎川浩、光岡早苗、轟夕起子、杉寛、多々良純、小川虎之助、大泉滉、松本朝夫、小高まさる、高島忠夫、三好久子、利根はる恵。1954、新東宝)。基本としては『一等女房と三等亭主』と同じ枠組みや設定で、ただ妻を映画女優にしただけの映画ではあるが、妻を映画女優にしたことで結婚自体が秘密となり、そのことから派生する物語上のあれやこれやの様子がなかなか効いているし話も意外に細かいところまでよく練られていて、よい娯楽映画だと思った。最後にウェイトレス(光岡早苗)と運転手(高島忠夫)、藝者(利根はる恵)と餡子屋の若旦那(大泉滉)が結ばれるとか(後者は主人公夫婦のそれぞれに横恋慕している)、伊藤の旧友(多々良純)の浮気の顛末とか、小笠原龍子(三好久子)が実は伊藤の会社の社長(小川虎之助)と昵懇だったりだとか、そんなところも描き込んでいたら映画全体に奥行きやさらに複雑な味わいが出てよかったかなとも思ったが、果たして→キャベツとトマトとピーマンのサラダ、焼売、新玉葱と油揚のおつけ、ご飯(釜揚げ白洲、紫蘇)、ホッピー外のみ×1、ビール中瓶×1→夜9時就寝。
7月18日(火) 深夜起床→『8 1/2』(原題『Otto e Mezzo』、監督:フェデリコ・フェリーニ。マルチェロ・マストロヤンニ、ミーノ・ドーロ、マリオ・タルケッティ、ジャン・ルージュール、クラウディア・カルディナーレ、マリオ・ピズー、バーバラ・スティール、サンドラ・ミーロ、ジュデッタ・リッソーネ、アンニーバレ・ニンキ、グイド・アルベルティ、マリオ・コノッキア、アヌーク・エーメ、ティト・マシニ、チェザリーノ・ミセリ・ピカルディ、マデリーン・ルボー、ユージン・ウォルター、カテリーナ・ボラット、ブルーノ・アゴスティーニ、メアリー・インドビーノ、イアン・ダラス、マルコ・ジェミニ、エドラ・ゲイル、マーク・ヘロン、ロッセラ・コモ、エリザベッタ・カタラーノ、イボンヌ・カサデイ。1963、伊Cineriz)。サラギーナ(エドラ・ゲイル)のイメージがカルラ(サンドラ・ミーロ)やクラウディア(クラウディア・カルディナーレ)にも見られたり、あるいは映画冒頭の砂浜の妄想(悪夢)がサラギーナの場面に似ていたり、という点に改めて気づいた。今までが迂闊だったのだが、しかしこれをどう解釈すべきかはまだわからない。それとラストシーンで全員が白い服なら解釈は容易(というか、安易に解釈してしまう)が、全員白かなと思っていると黒もだいぶ混ざってくる点と、五人の楽隊の並び順がいつの間にか変わっている(単に逆になるだけでなく、微妙な入れ替わりをしている)点の意味も、よくわからない。もっとも衣装の色については、最初に撮ったラストシーンをボツにしたという話から、なんとなく推測はできるが、しかしまだまだ理解するに遠い作品ではある。とはいえ、表面的な話の流れはもう十分理解しているのに、何度観ても飽きないな→『さざん花の女』(原作:山本周五郎『山茶花帖』、監督:山下耕作。秋吉久美子、隆大介、平泉成、内藤武敏、鈴木瑞穂。1987、ANN)。隆大介、主人公だしせっかくのいい役なのに声が小さい。音声の調整でもどうにもならない程だったのか? 孤児だった藝者がやっと得た最高の幸せ(愛する男)を捨てて世間並みの(といってもかなりの厚遇ではあるが)幸せで諦めようとしたところでどんでん返しのハッピーエンド、という物語は原作通りだろうか。それはそれでいい話ではあるが、まだ原作を読んでいないので、このドラマに限って言えば、ハッピーエンドでないほうが深みがあったように思う→割れ煎餅、ホッピー外×1、金宮酎ハイ×1→朝方就寝→朝10時半起床→おむすび一ケ→昼過ぎ下北沢へ。まずは〈440〉にて、ひさびさにGraceさんの占い。二年ぶり。今回は、今後大きな病気をするかどうかとその時期について見てもらえたらと思ったが、それらについての具体的な提言はなかったものの、左肩以外は(そこを見られたのがすごいなと思った)いい方向に向かっているので、弱い部分を鍛えることを考えたらどうかという話。そういえば最近階段下りが不安だったりするので毎日スクワットをやっていることを伝えたら、そうそうそういうのがいいという話になり、自分の知らない未来を占ってもらうというよりは現在の自分の進んでいる方向についての評価ということと考えると、占いをしてもらうというのも無駄ではないなと改めて思った。ありがたい。〈440〉ではビール小瓶×2→O形よりお誘いしたK丸さんも占いから合流したので、ではもう一杯と〈新雪園〉へ。アサリの老酒漬、セロリとエビ炒め、セロリと牛肉細切り炒め、五目焼きそば、ビール中瓶×2。おしゃべりも楽しかった→下北沢駅でおいとまし、我々は千歳船橋下車。〈オオゼキ〉で買い物して帰宅→シャワー→午睡→〆鯖、割れ煎餅、冷やしかき揚げそば(刻み葱、うずらの卵×1)、ビール中瓶×1、金宮酎ハイ×1→夜0時就寝。
7月19日(水) 朝8時起床。蕎麦湯、マヌカハニー→オイルサーディンと煎り卵のサンドイッチ、アイス・カフェオレ→老父買い物代行(サミットのみ)。体調は落ち着いているようだった。なにより→ひさびさに〈深水庵〉で昼。おろし蕎麦。今日は揚げ玉もらえてうれしい。店のおばちゃんは私の顔もようやく思い出してくれたようで、老父の様子などお伝えする。ご心配ありがたい→帰宅後『なみだ川』(原作:山本周五郎『おたふく物語』、監督:三隅研次。細川俊之、若柳菊、藤村志保、藤原釜足、春本泰男、町田博子、塩崎純男、戸浦六宏、安部徹、花布辰男、橘公子、本間久子、寺島雄作、水原浩一、木村玄、玉川良一、越川一。1967、大映)。これは名作。山本周五郎原作の映画化/映像化としては、田坂具隆『冷飯とおさんとちゃん』と並ぶ出来栄えではないかと思う。まず主人公姉妹の姉おしず(藤村志保)の無垢ですっとぼけた女−−しかしずっしりと実が感じられて無垢なすっとぼけは無垢なすっとぼけなりに自分たちの身に降りかかる困難に凛と対峙する−−の人物造形が素晴らしい。これは演出と芝居、双方の高みによる化学反応のようなものがあってこその、奇跡と言っても言い過ぎではないように思った。その「奇跡」が起こったからこそ、「目黒の秋刀魚」の場面の可笑しさが底抜けに際立ってくるのだと思う。そして妹おたか(若柳菊)のしっかり者の感じもよい。姉妹の、着物を羽織ったり浴衣を着たりの動作も含めた所作の美しさはすぐに目に留まるし、他の役者たちの芝居の呼吸も場面場面に応じた切れのよさが味わえ心地よい。大袈裟な意匠はない−−というか目につかないようにしているのだろうが、絵造りの細やかさもいい塩梅に感じた。原作の、登場人物はみんなそれなりに欲があるが、心底悪い人間・自分の欲を貫き通そうとする人間はいない、という趣の見事な映画化、と言えると思う。それは、姉妹のダメな兄(戸浦六宏)がしつこいと見せてあっさり爽やかに去っていく場面のやはり演出・芝居の卓越さからも味わうことができた→シャワー→『ロマンス娘』(監督:杉江敏男。美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみ、江原達怡、井上大助、藤原釜足、清川玉枝、宝田明、飯田蝶子、桜井巨郎、村上冬樹、瀬良明、小川虎之助、三好栄子、小杉義男、塩沢登代路、三田照子、森繁久彌、花井蘭子、音羽久米子、松山なつ子、佐田豊。1956、東宝)。主役三人(美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみ)と宝田明、小川虎之助、森繁以外の登場人物がほぼいるだけ≠フ、この手の映画としてはよくある作りではあるけれども、物語は細かいところまで意外によくできていた。ミチル母子(花井蘭子、雪村いづみ)を捨てた森下(森繁久彌)がまったく関係のない子供を川村会長(小川虎之助)の孫だと偽って金をせしめにやってきて、そこでミチル母子の現在を知るが、結局名乗らず、「まったく関係のない子供」だけを置いて謝礼も受け取らず去っていき、残されたみんなは真実を知らないまま今まで通り(「まったく関係のない子供」は新たに)幸せに生きていく、という、白黒はっきりつけない結末は、余韻があってよかったと思う。しかしやはりこの映画の魅力といえば、美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみの歌と踊り。中でも幸村いづみの「マンボ・バカン」(ソフィア・ローレンが映画『河の女』の主題歌として歌ったもの)は歌、踊りはもちろん映像も最高→茄子と甘唐辛子の揚げ浸し(大根おろし、おろし生姜)、ニンジンのかき揚げ、〆鯖(紫蘇)、枝豆、ぶなしめじと油揚のおつけ(揚げ玉)、ご飯半膳、ビール350ml缶×3→夜8時半いったん就寝→日付変わる前に起床→『なみだ川』再見。やはり素晴らしい→午前2時半就寝。
7月20日(木) 朝8時起床。白湯、マヌカハニー→ぶなしめじと油揚のおつけ(揚げ玉)、卵かけご飯、納豆、海苔→午前中読書。しかしあまり進まず→オイルサーディンと紫蘇のペペロンチーノ→午後も読書。『山本周五郎全集』第一巻から「新潮記」を読んでいるが、人物の出入りの仕方が苦手な類の小説のため、頭に戻って人名メモ取りながら読み直し。200頁のうちの半分くらいまで進む→『花形歌手 歌の明星』(監督:西村元男。笠置シヅ子、川田晴久、二葉あき子、田端義夫、美空ひばり、淡谷のり子。1953、大映)。前回(2022年3月)に観た際から特に新しい感想も発見もないが、恐らく前回も思ったことで書いてないことでは、笠置シヅ子『買い物ブギ』(映画『女次郎長ワクワク道中』より)の映像がいい感じでかなり狂っているという点か。以下前回の感想「当時の音楽映画の主題歌場面(かな?)を笠置シヅ子の司会でつなぐという、ありもの素材の二次利用映画ではあるが、それなのに幸せな気持ちになるのが不思議(理由はわかるが不思議)。特に終盤の笠置シヅ子メドレーは、こんな天国があるならあの世を信じてもよいと思わせられる。収録曲目は、『新作数へ唄』(川田晴久)、『バラのルンバ』(二葉あき子)、『タンゴの話』(笠置シヅ子)(以上映画『生き残った弁天様』)、『今宵夜空に』(田端義夫。映画『白蘭紅蘭』)、『月の出船』(田端義夫。映画『月の出船』)、『父恋し母恋し』(美空ひばり。映画『ひばりの子守唄』)、『夜のプラットフォーム』(淡谷のり子。映画『盗まれかけた音楽祭』)、『恋の峠道』(笠置シヅ子。映画『舞台は廻る』)、『恋愛学校』(川田晴久。映画『笑ふ地球に朝が来る』)、『ラッパと娘』『ヘイヘイ・ブギ』(笠置シヅ子。映画『舞台は廻る』)、『唄う三十石船』『買い物ブギ』(笠置シヅ子。映画『女次郎長ワクワク道中』)」シャワー→『銀座の女』(監督:吉村公三郎。雨宮節子、飯田蝶子、多々良純、近藤宏、藤間紫、乙羽信子、轟夕起子、若原初子、長谷部健、山田禅二、田中筆子、島田文子、紅沢葉子、阪井一郎、山田晴生、村田寿男、南寿美子、北原三枝、日高澄子、清水将夫、相馬幸子、宍戸錠、広岡三栄子、三津田健、金子信雄、浜村純、小笠原章二郎、明美京子、神田隆、澄川透、殿山泰司、安部徹、青木富夫、清水元、芳川千鶴。1955、日活)。これまた前回(2021年9月)から特に新しい感想も発見もないが、殿山泰司の人のよい警察署長っぷりが今回は印象に残った。以下前回の感想「明確な起承転結というより、藝者四人と見習いの少女(それにバーのマダムなど、様々な背景を持った女たち)それぞれの物語を丁寧に紡いだという感触。それぞれ哀しさに彩られてはいるし、明確に踏みつけにされたりもするが(特にろくでなしの学生上がりの作家の矢ノ口英作=長谷部健の人の心を踏みつけにする態度の冷たい芝居が見事)、その都度かーっと怒ったり焼け酒を煽ったりしてはまた一からやり直す女たちの強さ(しかし仕方なく身につけた強さ)に魅せられ、最後には泣かされるに至る。牛と交替に売られているさと子とか、殿山泰司のハゲ頭とエラリー・クイーンの書物とか、悲しみのどん底の中で牛乳が振る舞われるとか、ほんのちょっとした笑いがいい塩梅で散りばめられているのも、観るものの感情をうまく制御していると思った。そして女性たちの惨めな境遇を残酷なまでに描きながら、しかし女性たちをみな魅力的に撮っているのも印象に残る。中心人物たちの所作や言葉遣いの美しさも素晴らしい」→キャベツとピーマンとトマトのサラダ、大根とどんことオクラの煮物(鯖出汁)、枝豆、鯵開き、ぶなしめじと油揚のおつけ(揚げ玉)、ご飯半膳、ビール中瓶×1、御酒ロック×1→食後仮眠→日付変わる前に起床→NHKのハイビジョン時代劇『五辨の椿』全五話のうち第四話まで。感想等は明日放映の第五話を見てから→ホッピー×4→朝方就寝。
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