2023年12月10日

12月まとめ(1〜10日)


銀座〈Y〉にて四年ぶりのすき焼きお座敷忘年落語会、『赤塚不二夫パロディ映画上映会』 於高円寺〈ちんとんしゃん〉、宝井一凛講談会『悪い人たち… 第三回』  於高円寺〈HACO〉、『The W 2023』。

12月1日(金) 朝10時起床。白湯→白菜と油揚のおつけ、卵かけご飯(ちりめんじゃこ、あおさ海苔)、昆布佃煮、海苔→終日特に何もせず→昼は菊水堂ポテトチップス、サッポロ一番醤油ラーメン(うずらの卵×2、あおさ海苔)→風呂→『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』(原題『I Feel Pretty』、監督:アビー・コーン/マーク・シルヴァースタイン。エイミー・シューマー、サシーア・ザメイタ、エミリー・ラタコウスキー、エイディ・ブライアント、ビジー・フィリップス、エイドリアン・マルティネス、ミシェル・ウィリアムズ、ローレン・ハットン、キャロライン・デイ、アンジェラ・マニュエル-デイビス、ローリー・スコーヴェル、ナオミ・キャンベル、トム・ホッパー、デイブ・アテル、カイル・グルームス、ポール・マッカリオン、フィル・ハンリー、ジェフリー・グローバー、ウィリアム・アンブローズ・ケネディ。2018、米STX Entertainment)。自分の容姿に劣等感を抱く若い女性レネー(エイミー・シューマー)が、ふとした事故がきっかけで自分の姿がスタイルのよい美しい女性に見えるようになる−− という設定から紡ぎ出される物語だが、その「スタイルのよい美しい女性に見える」という点を、視覚的には一切描かず、あくまでもレネーが知覚したことをレネー自身の言葉で語らせる、という仕方で貫いているのが面白い(たとえば鏡に映るのも、それまでのレネーのまま)。ただし下手をするとレネーの頭がおかしくなった、とも(悲愴的に)取られてしまいそうなところをうまく収めているのは、エイミー・シューマーの演技力もあるかもしれない(大袈裟な演技プランやキャラクター創りの変更なしに、自信のない様と自信に満ち溢れた様を演じ分けていると思った)。リリー・ルクレア社の面々は末端の社員に至るまで美男美女揃いだが、その美男美女たちが完璧な人間ではないという点をさりげなく描いていたり、レネーを取り巻く友人たちや男たちがみな冴えないがしかしそれぞれがそれぞれの魅力を発揮している様子を描いたりという点もよい。ジムの受付(サシーア・ザメイタ)、ビキニ大会のMC(デイブ・アテル)とふたりのスタンダップ・コメディアンの起用も効いている。終幕のレネーの演説の「子供の頃の自信を失わないで」という辺りもいい塩梅に感動的だった。地味とは思うが拾い物であった。以上を総合的に考えると、主人公の容姿を嗤うような描写が散見される点で低い評価をつけるというのは、近視眼的に過ぎると思う→小松菜おしたし、鳥手羽元と大根のさっぱり鍋(ニンジン、ニンニク)、柿ピー、しじみ汁、舞茸とぶなしめじ炊き込みご飯、ビール中瓶×1、金宮水割り×5→夜0時就寝。
12月2日(土) 朝5時半起床。昨夜何となく感じていた動作時の腰痛が若干悪化。白湯→ 『アイ・フィール・プリティ』復習→8時半二度寝→昼頃起床→しじみ汁、舞茸とぶなしめじ炊き込みご飯、納豆、ちりめんじゃこ、うずらの卵×2、海苔→O形関連仕事(ステッカー印刷データ製作、出版記念会の企画など)→菊水堂ポテトチップス、柿ピー、鳥手羽元と大根のさっぱり鍋(鶏もも肉、カリフラワー、ぶなしめじ、舞茸、うずらの卵追加)、しじみ汁、ご飯半膳→仮眠→ステッカー印刷、データ不備があったので再入稿。ステッカー印刷はpdfを受け付けていないとのことだが、理由は不明。しかしepsに直したものの、配置ファイルの埋め込みを忘れてしまった(配置ファイルは添付したが)。果たしてどうなるか→風呂→PF忘年会で提案したKing Curtis版「Whole Lotta Love」の譜面作ってみる。譜割もコード進行も謎の部分はあったが、やってみるとそれほどでもなかった。テーマを崩して吹いているところを適当になんとかすれば、後半はあとはサックスソロ、ギターソロ、といった指定だけで済みそうだ→『非常線の女<新音声版>』(原案:ゼームス槇、監督:小津安二郎。田中絹代、南條康雄、谷麗光、加賀晃二、高山義郎、竹村信夫、三井秀夫、逢初夢子、鹿島俊作、水久保澄子。1933、松竹)。和製ギャング映画というのが一般的な捉え方ではあろうが、実際には恋愛映画ではなかろうかと、改めて思った。それと、表面的な感覚としては他の小津映画と趣を異にするが(『その夜の妻』はまあ同じ路線か)、たとえば前半のダンスホールでの喧嘩に至る、襄二(岡譲二)の子分(高山義郎と思うが加賀晃二かも)の動きなどは『学生ロマンス 若き日』や『落第はしたけれど』と同じような味わいがある。それにしても映画冒頭の俯瞰ショットから時計、帽子、タイプライターと続く導入部の洋風モダンな感じはおそらく(当時の、あるいは当時は)小津にしか撮れないだろうし、犯罪をモチーフにしたというよりはやはり小津の作風を楽しむ作品だろうと思う。細かいところでは「神様が/こしらへたものヽ中でも/音楽は出来の/いヽ方だぜ」というセリフが印象に残る。そういえば田中絹代はこの映画にあってはミスキャストと、改めて観ても感じてしまうが、恋愛映画と考えればあながちそうでもないかもしれない。でも世界観に合っているかと言えば、どうかな。なお本作は<新音声版>で、声は中井貴一と竹下景子。音楽も含めて、違和感なく本作の味わいを伝えてくれていたと思う→釜揚げきつねそば、金宮酎ハイ×1、赤葡萄酒炭酸割り×3→午前4時就寝。
12月3日(日) 昼頃起床。お茶→しじみ汁、おじや(鳥手羽元と大根のさっぱり鍋改造)、納豆→King Curtis版「Whole Lotta Love」の譜面少しいじってから風呂→じゃがいもお焼き(ちりめんじゃこ)、鰯骨煎餅、トマトとピーマン、鶏笹身とカボチャのポタージュ、オイルサーディンとピーマンのペペロンチーノ、ビール中瓶×1、金宮水割り×2→夜8時就寝。
12月4日(月) 日付変わる前に起床→『セクシー田中さん』→『明日に向かって笑え』(原題『La Odisea de los Giles』(間抜けたちのオデュッセイア)、原作:エドゥアルド・サチェリ、監督:セバスティアン・ボレンステイン。リカルド・ダリン、ベロニカ・ジナス、ルイス・ブランドーニ、ダニエル・アラオス、ヘルマン・ロドリゲス、アレハンドロ・ヒヘーナ、ギレルモ・ジャクボウィッツ、ラミロ・ヴァジョ、カルロス・ホルヘ・ピニェイロ、カルロス・ベローゾ、リタ・コルテセ、マルコ・アントニオ・カポニ、ルチアーノ・カゾー、アンドレス・パラ、チノ・ダリン、ルーベン・アルバラシン、アイリン・ザニノヴィッチ、ホセ・マリア・マルコス、ジャクリーヌ・ピエトラニ。2019、亜Warner Bros. Pictures)。2001年に実際にあったアルゼンチン金融危機〜預金封鎖を背景に、その隙をついて不正な金を得た弁護士から、被害にあった人たちが金を奪い返すという話。原題の「giles」には「騙されやすい人たち」という意味もあるようだが、前半の金融不正の被害に遭うまでの話は、ことさらバカ、アホ、疑いを抱かない人たちというわけではなく(中に何人か笑っちゃうようなバカもいるが)、単に悪知恵がなく物事を深読みしない単純な人たちだというだけで、どこにでもいるような、未来に希望を持った人たちなら起こすであろう行動をそのまま(に見えるかのように)描いているのが素晴らしいと思った。もっとも何も知らないで観ている段階ではその前半に少し退屈を覚えるのだが、しかし後半の展開の深みが、わざとバカをことさら描くのと本作でのアプローチとでは、ずいぶん異なってくるのではないかと思う。結末にちょっとした苦味(母親からバカ息子と見られていた息子による大金の持ち逃げ)を加えるところも心憎い。笑わせたり楽しませたりというという視線がないとは言わないが、ある事件≠ノ遭遇した普通の人たち≠ェ右往左往しながらどういう行動を取りどういう気持ちを抱くかを誠実に描いた佳作かなと思った→柿ピー、金宮水割り×5→午前5時頃就寝→昼過ぎ起床→鶏笹身とカボチャのポタージュ、オイルサーディンとピーマンのペペロンチーノ、薄いトースト(バター)→ステッカー印刷手配完了(結局配置画像埋め込みepsを作り最終入稿)→King Curtis版「Whole Lotta Love」譜面にすると却って混乱を招くかなと思い(音符はあくまでも目安と言ってもその通り演奏しようとしたりとか、譜面読めないとか)、構成譜のみ配布→春雨サラダ(きゅうり、オイルサーディン、薄焼き卵)、麻婆豆腐(ニンジン)、なめこ汁、ご飯、昆布佃煮、ビール中瓶×1.5→夜9時頃から小一時間ほど仮眠→風呂→『昭和残侠伝』(監督:佐伯清。池部良、関山耕司、梓英子、沢彰謙、菅原謙二、八名信夫、室田日出男、伊井友三郎、江原真二郎、三田佳子、中田博久、山本麟一、梅宮辰夫、水島道太郎、高倉健、三遊亭圓生、水上竜子。1965、東映)。ヤクザ映画の名作ではあろうが、本作の前年に始まりほぼ同時期に撮られた『日本侠客伝』と似たような設定であり(時代設定こそ明治、戦後と異なるが)、新旧ヤクザの対立から最後はふたりだけなど少人数で敵陣に乗り込むという流れも同じで、今観るとありきたり≠ノ見えてしまうのは、時間の残酷さというものか。今となっては高倉健の存在なくしては成り立たない映画と言ったら言い過ぎかな。画面に登場する回数・時間は少ないが、隠居したヤクザの親分を演じる三遊亭圓生の存在感と貫禄には驚いた→『クイズ!脳ベルShow』→柿ピー、オイルサーディン、ビール中瓶×1、金宮水割り×3→午前5時就寝。
12月5日(火) 朝10時半起床。白湯→麻婆豆腐、なめこ汁、ご飯、うずらの卵×2→O形サイト更新→夕方銀座へ。〈Y〉にてひさしぶり(コロナ禍祟ったため四年ぶり)の忘年落語会。最後はコロナ禍前だっと思うが、なんと店舗建て替え?移転?のため、今年でいったん終了とのこと→お目当ての高座は「居残り左平次」をたっぷり。若き日の話を織り込んだマクラも最高。食欲も心配だったがいい藝に触れて体調もよくなりすき焼きぺろりと食べ尽くし、ああいい会だった。中Pさんとお初の新潟の方とのおしゃべりも楽しかった。主催してくださったNQさんに感謝→寄り道せず平和に電車で帰宅→風呂→『新必殺仕事人』『笑点特大号』など見ながら金宮水割り×3→午前2時半就寝。
12月6日(水) 昼過ぎ起床。お茶。早朝(5時頃)右足の甲の痛みで目が覚め、親指の付け根の辺りの痛みだから痛風発症か、と思ったがそのまままた寝る→起きても断続的に痛みは続き、一応中江クリニックで診てもらおうかなと思ったが、次第に痛さは減じていった。痛みに慣れただけかもしれないが、痛風につきものの腫れもないし日常動作には支障はないので、本日は痛み止めなど塗ったりして様子を見ることにする→なめこ汁、卵粥(ちりめんじゃこ)→すぐに続けてサッポロ一番醤油ラーメン1/2(うずらの卵)→さらに続けて菊水堂ポテトチップス、柿ピー、菜の花おしたし、トマト、鰯刺身、鴨燻製、なめこ汁、粥、ビール中瓶×1、金宮水割り×5→昨夜「居残り佐平次」を聴いたので、『幕末太陽伝』(監督:川島雄三。二谷英明、武藤章生、関弘美、フランキー堺、西村晃、熊倉一雄、三島謙、高原駿雄、左幸子、芝あをみ、竹内洋子、清水千代子、山田禅二、南田洋子、石原裕次郎、山岡久乃、織田政雄、金子信雄、芦川いづみ、岡田眞澄、河上信夫、福田とよ、新井麗子、高山千草、菅井きん、小林旭、植村謙二郎、加藤博司、殿山泰司、梅野泰靖、小泉郁之助、小沢昭一、河野秋武、井上昭文、榎木兵衛、市村俊幸。1957、日活)。新たな感想は特にないが、本作が公開された1957年(昭和32年)が戦後の落語黄金期と重なるという事実は、迂闊にも今まで気づかなかった。また映画冒頭(タイトルバック)では現代の(撮影当時の)品川が映るのだから、終幕も監督の意図通りタイトルバックと同じ現代の(撮影当時の)品川へと佐平次が駆け抜けるというものにすべきだったなという思いを新たにした→夜9時頃就寝。
12月7日(木) 朝8時起床。白湯→なめこ汁(生卵)、粥→老父買い物代行(サミット)→先週に引き続き〈GYUGYU Burger〉で昼を買い、向かいの〈ダイエー〉で食料買って帰宅→シンプルバーガー、キューバンサンド×1/2、フライドポテト、ビール中瓶×1→午睡→風呂→『グッドモーニング, ベトナム』再見→きゅうりトマト鶏笹身、豚生姜焼きとキャベツ、きのこソテー、わかめと油揚のおつけ、ご飯、ビール中瓶×1、金宮水割り/お湯割り/出汁割り×5→夜0時頃就寝。
12月8日(金) 朝8時起床。白湯→わかめと油揚のおつけ、卵かけご飯(ちりめんじゃこ、あおさ海苔)、海苔→午後は経堂に出て、まず〈ビーバートザン〉でガレージ用の電球など買い物、それから〈しらかめ〉で九条ねぎと刻みきつね、御酒×1。さらに〈和泉屋〉で米、ハラル屋でバスマティ米とチャナ豆とパパドとココナッツファイン、〈魚真〉で晩の魚購入、あと年末年始の魚の注文票ももらう(締切ぎりぎりだった)→帰宅してガレージの電球交換→『ニッポン無責任時代』(監督:古澤憲吾。中島そのみ、田崎潤、谷啓、犬塚弘、井上大助、植木等、峯丘ひろみ、峰健二(峰岸徹)、久慈あさみ、中北千枝子、人見明、ハナ肇、荒木保夫、田武謙三、重山規子、団令子、桜井センリ、安田伸、石橋エータロー、松村達雄、宮田羊容、藤山陽子、清水元、由利徹、稲垣隆、土屋詩朗。1962、東映)。何十回となく観ているが、何度観てもある種の奇跡を感じる。今回の新発見としては、細かいところだが中島そのみがバーテン(井上大助)に水を引っかける場面で中島そのみがコップに手をやる瞬間にもうバーテンが目をつぶっている(目をつぶるタイミングが早い)のと、あとは全体にとてもテンポのよい映画という印象ではあるが微妙に間の悪いつなぎ方をしている部分がありそれが却って独特の間の妙につながっているという点。それにしても、隅から隅まで知っているような作品なのに、何度観ても面白いのは、この映画の何か≠ノ捉えられているいるのだとは思う(批評的に観ることができないわけではないが)→菊水堂ポテトチップス、キャベツきゅうりちりめんじゃこの塩もみ、マッシュポテト(ニンジン)、鰤照り焼き、鴨燻製、煮油揚、わかめと油揚のおつけ、ご飯、梅干し、塩昆布、ビール中瓶×2、金宮酎ハイ×2→食後仮眠→深夜起床→O形サイト更新(四歳児告知)→午前3時就寝。
12月9日(土) 朝8時起床。白湯→わかめと油揚のおつけ、卵かけご飯(ちりめんじゃこ、あおさ海苔、胡麻油)、納豆、海苔→昼過ぎ新宿に出て、本日の会の差し入れ購入(〈まい泉〉のヒレカツサンド)→少し時間が余ったので新宿三丁目で昼にしようとぶらぶら。〈エソギエ〉なるアフリンカン・バーの看板と目が合ったので入ってみる。ジョロフライス、ヤギオクラシチューとアマラ、ビール大瓶×1/2。とてもおいしかったが、しかし配膳が実にゆったりしていて、出てくるまでに40分。本日のお目当ての開演に間に合わない仕儀となった→丸ノ内線で新高円寺へ→30分遅れで『赤塚不二夫パロディ映画上映会』に参加。『カマブランカ』(1981年制作、8分)と『ササヤン・ナイト・フィーバー』(1981年制作、15分)の二本を見逃し、鑑賞できたのは、

■公園シリーズ3部作(1982年制作、18分)

・第1作 ア、バーテンダー(プロデューサー:赤塚不二夫、監督:湯谷増男。出演:MASARU) ※「シェーン」のパロディ。何故子供たちはバーテンを迫害し、とつぜん憧れに転じるのだろうか?


・第2作 自転車泥棒(プロデューサー/監督:赤塚不二夫、助監督:小笠原高志、撮影:佐々木秀孝。出演:MASARU、TOMOHIRO YAJIMA) ※「自転車泥棒」のパロディ。自転車を欲しがる少年の表情が哀しいが、話の展開は「ア、バーテンダー」と……。


・第3作 公園の手品師(プロデューサー/監督:赤塚不二夫、助監督:小笠原高志、撮影:佐々木秀孝、衣装・ヘアメイク:鈴木マチコ。出演:MASARU、TOMOHIRO YAJIMA、タコ八郎) ※フランク永井の名歌からとった作品。元になった歌にはいない実物?の「手品師」が登場するのが可笑しい


■未完の対局(詳細不明) ※日米貿易摩擦下でのオレンジの輸入交渉を背景?ネタ?に、蜜柑で囲碁をするというだけの話。

■張大佐の真珠の首飾り(プロデューサー/監督:赤塚不二夫、撮影:佐々木秀孝、助監督:間川宏一、撮影:佐々木秀孝、録音:菊池敏広、ヘアメイク:鈴木マチコ、白石てるよ。出演:神田香織、毛利裕信、SHIN-N、大宮繁治、湯谷増男。協力:望月医院、石神質店、大宮真珠商会。1982年制作、13分) ※ロアルド・ダール "Mrs. Bixby and the Colonel's Coat”(ビクスビー夫人と大佐のコート)を元にした一作。原作をほぼひねりなし?で映画化。原作の毛皮のコートを真珠の首飾りに置き換えた話のはずだが、なぜか終幕では真珠の首飾りも毛皮のコートも登場する。


■楢漬節考(プロデューサー/監督:赤塚不二夫、助監督:小笠原高志、撮影:佐々木秀孝、ヘアメイク:鈴木マチコ、衣裳:東京衣裳、タイトル:中村安博、スチール:弓直利。出演:河西たくや、三浦尚子、SHIN-N、毛利裕信、大宮繁治、牧田博。協力:山家茶屋司、ハトヤ豆腐店、白雪鮨。1983年制作、23分) ※「楢山」を「奈良漬」に置き換えただけのパロディだが、老母が漬かった奈良漬の中から銀歯が出てきて「これじゃ『豚と軍艦』じゃないか」というオチは可笑しい。


■激突(プロデューサー/監督:赤塚不二夫、助監督:河西政/小笠原高志、撮影:佐々木秀孝、照明:伊崎孝夫、録音:菊池敏広、衣装・ヘアメイク:鈴木マチコ、タイトル:中村安博。出演:ムッシュ田村、中村京子、三浦尚子、小島小春、 藤田淳子、ダンディ山元、MASARU、斉藤潔、大宮繁治、三好勝巳、プルース夫妻、SHIN-N。1984年制作、18分) ※スピルバーグ『激突』のトラックの排気ガスをグラマー?な女のタバコの煙の吐き方(鼻からブワーッと吹き出す)に置き換えただけといえばだけだが、ほぼ『激突』に忠実に話が展開していくのが妙に可笑しい。ただし終幕で死ぬのは女(トラック)ではなく追われている男のほう。「元祖巨乳アイドル、中村京子の怪演は必見」という惹句には文句なし。


の7本。素晴らしかった『公園シリーズ3部作』の、どの話もまったく同じ展開になる反復の妙が印象に残ったが、他の、一見安易なような作り方もそれぞれそれなりの効果があって笑った→終演後の懇親会では、言葉が溢れてきて、小笠原さんにとめどなく感想を語ったような気がするが(〈権八〉にまで話は及んだ)、かなり酔っ払った→〈ペリカン時代〉でレッドアイ一杯だけやってタクシーで帰宅。
12月10日(日) 宿酔で午後まで横臥→サッポロ一番醤油ラーメン(胡麻、生卵、海苔)→『浅草お茶の間寄席』、新山真理の『ひとり球児好児』に笑う→夕方高円寺に出て、〈HACO〉にて宝井一凛講談会『悪い人たち… 第三回』見物。演目は

ネルソン・マンデラとスプリング・ボックスの奇跡
石井啓介ピアノ・ソロ「ハネムーン・ブルース」「赤鼻のトナカイ」(客も歌った)
殺人鬼と言われた男 山上光治

『ネルソン・マンデラとスプリング・ボックスの奇跡』は、ネルソン・マンデラの素晴らしい人物像と国をひとつにしたラグビー・チームの、感動的な話。現代の話に材を取った、新聞講談の範疇の一席と言えようか。

『殺人鬼と言われた男 山上光治』は、映画『仁義なき戦い』シリーズ第二部に当たる『仁義なき戦い 広島死闘篇』の主人公山中正治(演ずるは北大路欣也)のモデルになった、「広島抗争」の中心人物であり「殺人鬼」と呼ばれた山上光治に焦点を当てた一席。映画と異なり事実をなぞりながら、山上光治に暖かい視線を注ぐ、「悪い人たち」を描きながらこれまた感動的な一席であった。

→終演後は一凛さんにご挨拶ののちまっすぐ電車で経堂、〈スパイスワラ〉で晩の食事を買い物して帰宅→『The W 2023』、今回も出来レース的な審査が繰り広げられた。紅しょうがの優勝はないよなと思うが、TV的、芸能異界的な事情なのだろう。個別の感想をまとめると、Aブロック:まいあんつ(◎)のとめどなくギャグが溢れ出す藝風には新宿カウボーイのかねきよ勝則が思い起こされ、しかもかねきよよりも高速で、なかなかの藝人と見た。はるかぜに告ぐ(×)は見るところなく、なぜまいあんつに勝ったか不思議。スパイク(◎)は安定の実力を感じさせられたが、ネタはもちろん、ふたりの演技力にも感心。やす子(○)は意外に(といったら失礼だが)笑ったが、あとから考えたら幼稚なネタ、藝風ではあった。Bブロック:ハイツ友の会(△)、変ホ長調(○)、梵天(○)はいわゆるテンション低め≠フ藝風で、その分紅しょうが(×)が目立ち勝ちという趣、しかし紅しょうがのネタは妙齢の女性が相撲好きが高じて、というネタにも意外性がなく、ほぼ喧しいだけに感じた。Cブロック:ゆりやんレトリィバァ(◎)の見えないハムスターを扱ってみせる≠ニいうネタは、もう少しパントマイム的な技術があったほうがいいのかなとも思ったが、そうでなくても発想だけで十分可笑しかった。が、続くあぁ〜しろき(◎)の、ドラムのビートに合わせた芝居から角刈り≠ニいう飛び道具に移行して特に物語のない、俗に「シュール」と言われそうなネタの構成が面白く、ゆりやんよりも笑ってしまった。初めて見たが、とんでもない藝人になるといいなと思う。ぼる塾(○)は、私は初めて見る四人編成で、復活したひとりのやる気のなさそうな(敢えての?)素人くさい芝居が効いていたと思う。エルフ(◎)はちゃんとネタを見るのは初めてで(『有吉の壁』のその場限りのネタのいくつかでは笑ったし、荒川には割と好感を持ってはいた)、意外にネタ、構成、下手に見える芝居とその合わせ方がきっちりしていてこれまた驚いた。で、決勝はスパイク、エルフ、紅しょうがの順、紅しょうが二本めの漫才はなかなか面白かったが、完成度ではスパイク、全体的な楽しい感じではエルフに軍配が上がると思った。よって、紅しょうがの優勝は「TV的、芸能異界的な事情」と思った次第だが、ま、以上は私の好みの話でもあるし、そんなに真剣になることもないか→ビーフキーマサモサ、ケバブミート、ムガールチキン、チャパティ、ビール中瓶×1.5→『セクシー田中さん』など見てから午前2時就寝。しかしなんとなく眠れず、朝5時頃まで起きていた。
posted by aokiosamublog at 23:00| 小ネタ/思考/日記