2024年07月10日
7月まとめ(1〜10日)
鷹森立一/千葉真一『浪曲子守唄』『続浪曲子守唄』、都知事選期日前投票、宮藤官九郎脚本の新ドラマ『新宿野戦病院』、中島貞夫/菅原文太/川地民夫/緑眞子『まむしと青大将』、フィリップ・ドゥ・ショーヴロン『最高の花婿 ファイナル』およびシリーズ三作再見、白井康彦/ムーンライダーズ・デビュー30周年記念『MOONRIDERS THE MOVIE「PASSION MANIACS マニアの受難」』、『剣客商売'73』。
7月1日(月) 朝7時半起床。白湯→宿酔につき老父買い物代行を午後にしてもらい、午前中横臥→〈サミット〉、郵便局(通帳記帳と繰越)、〈杏林大学病院〉(銀行通帳記帳)→〈深水庵〉に揚げ玉もらいに行ったら臨時休業(午前中の大雨のためか)。〈湧水〉はやってたので本日はこちらで、あさりの冷かけそば。揚げ玉ももらえた→午睡→晩の支度→『長谷川伸シリーズ 三ツ角段平』(原作:長谷川伸、監督:村野鐵太郎。天知茂、天津敏、石山健二郎、野川由美子、木暮実千代。ナレーター:小沢栄太郎。1972、東映/NET)。腕が立ち朗らかで気風のよい、しかし女心はわからないヤクザ三ツ角段平を天知茂が好演。自分を好いてくれる女(野川由美子)をひどい目に合わせた親分(石山健二郎)に盃を叩き返し、切り捨てるのかと思いきや一家の敵である茂十(天津敏)と手下たちを叩き伏せて親分への仁義を通す展開には痺れた。本作の感想が記されたネット上の記事を読むと「原作の結末を変えたのは、天っちゃんのキャラを生かしたかったが故なのだろうか(おかげで「正直者には福がある」的な話がとことん報われなくなっていたが)」という記述があったが( https://www.amachi.info/blog/index.php?e=459 )これは原作を確認せねばなるまい。ちなみに1935年に『三ッ角段平 股旅新八景』(監督:張津嵐峡。監督:張津嵐峡。片岡千恵蔵プロダクション)、1939年に『股旅八景 三ツ角段平』(監督:古野栄作。高田浩吉。松竹)と二回映画化されているが、これらの詳細も不明→『長谷川伸シリーズ 頼まれ多九蔵』(原作:長谷川伸、監督:三隅研次。若山富三郎、高城丈二、大木実、水島道太郎。ナレーター:小沢栄太郎。1972、東映/NET)。単純で喧嘩っ早い多九蔵(若山富三郎)と思慮深い紋次(大木実)の取り合わせと最初は反目するが(多九蔵が一方的に)、紋次の人物(好きな女を侍に殺され仇討ちし背中にその女の顔を彫った、渡世の義理に背いて多九蔵に刃を向けなかったなど)を知り多九蔵が「喧嘩、やめよっか」と仲良くなる展開が、ベタながらなんともいい味わい。全体的に気持ちのよい股旅物だが、紋次が自分の世話になった彫り師の老人のところで落ち合おうといったん多九蔵と別れたのち、仇討ちの恨みから殺されてしまい、しかし多九蔵はそれを知らずにまた旅に出るという結末がなんとも切ない→チキンカレー、枝豆、キャベツとピーマンとトマトのサラダ(ポテトサラダ入り)、舞茸と油揚のおつけ(揚げ玉)、しらすぼし入り炊き込みご飯(クミンシード、ニンニク、葱、玉葱、うずらの卵×2)、ビール中瓶×2→風呂→『長谷川伸シリーズ 旅の馬鹿安』(原作:長谷川伸、監督:工藤栄一。北島三郎、岡八朗、佐藤蛾次郎、日色ともゑ、高田美和、松山英太郎。ナレーター:小沢栄太郎。1972、東映/NET)。袖擦り合っただけなのに自分を想ってくれる女から堅気になってと懇願されつつ、その女の姉を助けるために殺人を犯してしまう馬鹿安(安兵ヱ)の人となりを、北島三郎が見事に現実化≠オていると思った。北島三郎がうまい役者なのかどうかはわからないが(映画の主演などではああ歌手の芝居だなと魅力を感じなかったこともある)、本作については見事と思う。冒頭と終幕、旅の空で江戸の噂を聞きその後の顛末を知って己がいかに馬鹿だったのかを悟るわけだが、その噂話を聞かせる岡八朗の芝居も安兵ヱの馬鹿≠際立たせているようでよかった→『長谷川伸シリーズ 江戸の花和尚』(原作:長谷川伸、監督:井沢雅彦。植木等、安部徹、桜井センリ、安田伸、中山麻里、太田博之、左とん平、多々良純。ナレーター:小沢栄太郎。1973、東映/NET)。植木等の芝居がまるっきりクレージー映画なのが可笑しいが、東宝クレージー映画としては最終作とも言われる『日本一のショック男』が1971年。その後も1974年まで細々と出演映画が撮られていたが、1973年5月公開の『喜劇 ここから始まる物語』では平等%Iな芝居から脱却しつつあったから、俳優植木等としては過渡期に当たる仕事と言っていいのかもしれない(そういう意味では貴重とも言えよう)。酔っ払いの老人多々良純とにわか(偽?)和尚植木等の絡み(土地の不良侍たちと植木等のケンカに刀を貸そうとする多々良純が刀を放って寄越すとそれを投げ返す刀のキャッチボール≠ネど)は可笑しいし印象に残るが、やはり植木等の芝居の影響で長谷川伸ものというよりはクレージー映画を観ているような気分になる。しかしそれはそれで悪くはなかった。とはいえ、ここまでのシリーズ作品に比べて、物語の組み立て方がやや雑かなという印象はあった→金宮酎ハイ×4→午前5時就寝。
7月2日(火) 朝10時起床。白湯→しらすぼし入り炊き込みご飯(卵)→洗濯→昼過ぎ下高井戸へ。〈あづまや〉で油揚買ってから〈Jazz Keirin〉にてイカ天ぶっかけ、ビール小瓶×1。それから〈三友〉で買い物して(鰯、鰹たたき、わかめ、煮干し)歩いて帰る途中、O2夫妻にばったりでびっくり→帰宅後即シャワー→水茄子糠漬け、鰯わた焼き、トマト、鰹たたき(おろしニンニク、おろし生姜)、わかめと油揚のおつけ、金宮酎ハイ×2、ビール中瓶×1→食後横臥→『浪曲子守唄』再見→『続浪曲子守唄』(監督:鷹森立一。千葉真一、下沢広之、田中邦衛、沢彰謙、鳳啓助、京唄子、黒川俊哉、小山明子、玉川良一、中村是好、岡部正純、石井富子、嵐寛寿郎、岡崎二朗、河津清三郎、沼田曜一、花澤徳衛、一節太郎、大原麗子。1967、東映)。まさかの続編は、ついに「土方渡世」も「飯場がらす」も、それどころか浪曲も「逃げた女房」もない、人情味たっぷりの任侠映画で、主人公遠藤文吾(千葉真一)の子健一(下沢広之)への愛情、そして旅先で出会ったテキ屋の跡取り娘(小山明子)の健一への愛情を軸にしながら、その土地の古いヤクザと新興ヤクザの抗争を描いた立派な任侠映画だった。そして終盤の立ち回りでは、千葉真一が主役を張るものの、最終的には嵐寛寿郎と田中邦衛がさらっていくのだが、その展開もまたいい塩梅であった。下沢広之(のちの真田広之)は、前作からわずか半年でかなりうまくなっていて、のちのアクションスターの片鱗も感じられた。それにしても、前作の大原麗子(本作にも出ている)、本作の小山明子とマドンナ的な存在もあるところから、『男はつらいよ』的なシリーズものになってもよかったのではなかろうかと、ちょいと妄想した。ま、とにかく、傑作とはいかなくても確かな佳作ではあると思う→御酒×2→『ディープ・ブルー』(原題『Deep Blue Sea』、監督:レニー・ハーリン。イール・ポデル、ダン・シール、エリン・バートレット、サブリナ・ヘーリンクス、トーマス・ジェーン、サフロン・バロウズ、サミュエル・L・ジャクソン、ジャクリーン・マッケンジー、アイダ・タトゥーロ、ステラン・スカルスガルド、マイケル・ラパポート、LL・クール・J。1999、米Warner Bros.)。2020年5月以来二回目。「2」を観るために改めて観てみた次第だが、要は(こちらが期待しているような)サメ映画ではなく脱出劇だからガッカリしたのだな、と再認識。2020年5月の感想は下記の通りだが、まあだいたい同じような感想を今回も得た。「有能な科学者や職人が自信たっぷりに登場するが結局みんなバカなところがあってそこから破綻していくという、よくあるタイプの恐怖映画。加えて恐怖の根源が鮫なのか海水の水圧なのか台風なのか、ポイントもボケボケ(言ってしまえば人間の驕りとバカさ加減なのだが、それの描き方もまったく鮮やかではない)。冒頭で自信たっぷりに登場するサフロン・バロウズがきれいだったので最後まで観てみたが、観ているうちにきれいさの裏付けが役者本人にないのがわかってくるし、最後にあっけなく鮫の犠牲になるのもほとんど効果がない。ひさしぶりにダメな映画を観たな」→『ディープ・ブルー2』(原題『Deep Blue Sea 2』、監督:ダリン・スコット。タメル・ブルジャック、マーク・ハイランド、ダニエル・サヴレ、ダロン・メイヤー、ロブ・メイヤーズ、ネイサン・リン、ジェレミー・ボアド、キム・シスター、エイドリアン・コリンズ、マイケル・ビーチ、キャメロン・ロバートソン。2018、米Warner Bros. Entertainment)。サメの医学利用、研究所からの脱走、閉じ込められた研究員たちの脱出と、「1」とほとんど同じような設定。「1」よりもサメを医学利用する科学者のマッド・サイエンティストぶりが鮮やかだったり、改造?されたサメが産んだ子ザメがわらわら襲ってくる辺りが新記軸で、その辺はまあまあ印象に残ったし、終幕も平和な海辺にサメと子ザメが襲ってくるのはちょっと驚きはするが、なにか特別な面白さがあるサメ映画ではなかったと思った。「1」よりもサメ映画ではあったのだが→午前5時半就寝。
7月3日(水) 朝10時起床。白湯→わかめと油揚のおつけ(揚げ玉)、とうもろこしご飯→ギター練習→キャベツとしらす干しのペペロンチーノ、金宮酎ハイ×4→『若さま侍捕物帖 魔の死美人屋敷』(原作:城昌幸『若さま侍捕物手帖 おえん殿始末』、監督:深田金之助。小畑実、花澤徳衛、星美智子、大川橋蔵、星十郎、美山れい子、明石潮、時田一男、鳳衣子、丘さとみ、山茶花究、千原しのぶ、江原真二郎、若井緑郎、岡譲司、清川荘司、沢田清、堀正夫、立松晃。1956、東映)。大川橋蔵版としては二作め(『地獄の皿屋敷/べらんめえ活人剣』を一本と考えた場合)。午後のひとときの退屈を紛らわせてくれる娯楽時代劇であった。それ以上の感想は、若さま≠フ印象に残る台詞も特になく、書いておきたいことはないかな。ちょっと途中だれてしまったので(それはこちらの責任)、その所為かもしれない→金宮酎ハイ×4→風呂→午睡→晩の支度→揚げ野菜(じゃがいも、ニンジン、玉葱)、鰹たたきソテー(ニンニク、生姜)、キャベツ(おろし玉葱和え)、鰯と鯵骨煎餅、わかめと油揚のおつけ、ビール中瓶×1、御酒×2→日付変わる前に就寝。
7月4日(木) 朝10時起床。白湯→朝は抜いて都知事選期日前投票へ。その足で希望ヶ丘団地したの蕎麦屋〈満留賀〉で昼にしようかと思ったがそんなときに限って定休日。出かける前にビール冷やし忘れたので、コンビニエンスストアで缶ビール買って帰る→冷やしきつねの準備とシャワー→煎餅類、冷やしきつねそば、ビールロング缶×1、金宮酎ハイ×3→宮藤官九郎脚本の新ドラマ『新宿野戦病院』、主演のひとり仲野太賀は本領発揮の結果やはり主演には向かないな(変なクセが邪魔なのにそれを自分の魅力や技術と勘違いしていると思えてしまう)と思ったが、もうひとりの主演小池栄子のクセ=|−こちらは計算の上でのものと受け取ったが−−の出来栄えが仲野太賀の芝居を上回っていて、全体的には楽しめるものだった(やはり自分の芝居はうまいと勘違いしているように見えてしまう濱田岳が抑え気味なのもよかった)。『アパッチ野球軍』のような、人間としてはダメだがそれぞれそれなりの取り柄があって、そういう人たちが力を合わせて−−という設定が個人的に好みであるということもあるが、脇を固める役者陣も、ちょっとずつ謎を残す設定や脚本も併せて、楽しめそうだなとは思った。しかしジェンダー(というか元々の生物的性別)が不明という設定−−女のように振る舞っているが、男か女かわからない(人物を男性が演じている)=|−の塚地武雅の作品内での役割はよくわからなかった。女のように振る舞っているが、男か女かわからない≠ニいうのが単に謎めいた人≠ニいう役割なのであれば、性別が不明∴ネ外にも選択肢はあったはずで、舞台が歌舞伎町だからという以外に性別が不明≠ニいう設定の意味があるのかどうか、第一回めではよくわからなかった→午睡→晩の支度→じゃがいもとニンジンの煮物(ニンニク)、キャベツとトマトとスライスチーズのサラダ、鰯スパイスハーブ焼き(フェンネルシード、ローレル、ニンニク)、玉葱と油揚のおつけ、ビール中瓶×1、金宮酎ハイ×2→日付変わる前に就寝。しかし朝方近くまで眠れず。
7月5日(金) 朝8時起床。白湯→玉葱と油揚のおつけ、とうもろこし少量ご飯(うずらの卵×2)→O形サイト更新(絵日記)、と思いきや、いくつか事実と異なるところを見つけ、修正を依頼→待っている間にジョン・ルーリー『THE HISTORY OF BONES』の読書再開(四ヶ月もサボってしまった)→絵日記直ってきたのでサイト更新→菊水堂ポテトチップス、じゃがいもとニンジンの煮物(ニンニク)、たぬきそば(わかめ)、ビール中瓶×1、金宮酎ハイ×4→午睡→シャワー→『伝七捕物帳』『必殺仕事人』見ながら、キャベツ塩揉み、煮干し出汁殻甘露煮、鮭中骨缶詰、ビール中瓶×1、金宮酎ハイ×4→夜11時就寝。
7月6日(土) 朝9時半起床。白湯→玉葱と油揚のおつけ(揚げ玉)、卵かけご飯、海苔→昨夜寝る前に醤油みりん酒(各100ml)に昆布1/2片を漬けておいたのを思い出し、めんつゆを製作(15分ほど弱火で煮て昆布を取り出してから煮切り、次いで水600mlでかつ節の出汁を取りキッチンペーパーで濾したものと合わせて、砂糖小さじ1/2を加えひと煮立ち)→『まむしと青大将』(監督:中島貞夫。菅原文太、三島ゆり子、川谷拓三、金子信雄、荒木一郎、石井富子、緑魔子、川地民夫、坊屋三郎、悠木千帆、野口貴史、渡辺文雄、室田日出男、志賀勝、安部徹、唐沢民賢、佐藤蛾次郎、名和広。1975、東映)。バカ正直(というか馬鹿)なヤクザ者であるゴロ政(菅原文太)と不死身の勝(川地民夫)が、いかさま雀士であるベビーフェイスの健(荒木一郎)とトルコ嬢の沙織(緑魔子)に翻弄されながら、「バカ正直(というか馬鹿)」を貫き通すのが清々しい。おそらくシリーズ他作品もそうなのだと思うが、けっこう観ているつもりが、記録を確認すると二作(もう一本は1974年の『極道VSまむし』)しか観ていないようだ(しかし記録していなかった可能性があるような気もしている)。荒木一郎と緑魔子によるイカサマの実践が丁寧に描かれているのが、本作の白眉かな。あと緑魔子は登場してすぐの麻雀の場面で和了る際の「ローン」をはじめ、徹頭徹尾いい感じであった。そして子供たちの「おかあやんって何? それ食べるもんか?」とか、ニセ外人女に引っかかった坊屋三郎が女の金髪のカツラをむしり取った際の美人局の川地民夫の「ワイのかあちゃんの頭ひんむいて、ワレはインディアンか?」とか、税金を払っているのかと問われた菅原文太の「アホ、税金の代わりに懲役払うてるわい」とか、バカな台詞の面白さも本作の魅力と思う。あと七作も、意識的に観てみなきゃな→昆布とかつ節出汁殻、冷やしたぬきそば(うずらの卵×2)ビール中瓶×1、金宮酎ハイ×4。自作めんつゆは醤油が足りなかったかな(なので小さじ2足した)。醤油だけ200mlくらいがよいかもしらん→午睡→晩の支度→シャワー→『最高の花婿 ファイナル』(原題『Qu'est-ce qu'on a tous fait au Bon Dieu ?』、監督:フィリップ・ドゥ・ショーヴロン。クリスチャン・クラヴィエ、ヌーム・ディアワラ、フレデリック・チョウ、メディ・サドゥアン、アリ・アビタン、シャンタル・ロビー、フレデリック・ベル、エロディー・フォンタン、アリス・ダヴィ、ヨッヘン・ヘーゲレ、エミリー・カーン、ティエン・シュー、ヤン・ジーイン、パスカル・ンゾンジ、サリマタ・カマテ、ヴィンセント・デボスト、イン・ビング、ヘリング・リー、ダニエル・ルッソ、ナヌー・ガルシア、ファリダ・オウチャニ、アッベス・ザーマニ、アメリー・プレヴォ、ロイク・ルジャンドル、ナタリー・ベキュ、ジャン=リュック・ポラーズ、タチアナ・ロホ。2021、仏Les films du 24、Les Films du Premierほか製作/UGC Distribution配給)。前二作をほとんど忘れているのでいい加減な感想しか書けないが、人種間や夫婦間や世代間などのいがみ合いや無理解や齟齬を割ときちんと描きながら、それをすべて笑いに変えていく視線と手腕は、前二作同様大したものだと思う。本作ではそこに色恋に迷ったドイツ人・ヘルムートが闖入≠キることで、さらに深い笑いを提供してくれていた。個々の役者の中で誰かが突出した印象を残さないのも本シリーズの特徴であるような気もするが(記憶と印象だけでそう思っている次第だが)、本作では前述のヘルムート(ヨッヘン・ヘーゲレ)のほか、肉屋に「あの奥さん老けたね」と陰口を叩かれてしまうのを聞いてしまったマリー(シャンタル・ロビー)と中国人という設定のシャオ(フレデリック・チョウ)の母親シュー(ヘリング・リー)が可愛らしい酒好きなのが印象に残った。「酒好き」といえば、本作のクライマックスであるとある催しが終わったあと父組と母組に見事に別れて、母組が静かな店で飲んでいるうちにクラブに繰り出すというくだりはなんだかいい感じであった→ひよこ豆のカレー、キャベツと鮭缶のカレー、じゃがいもと油揚のおつけ、ご飯、ビール中瓶×1、金宮酎ハイ×6→午前1時就寝。
7月7日(日) 朝9時起床→ひよこ豆のカレー、キャベツと鮭缶のカレー、じゃがいもと油揚のおつけ、ご飯、ポーチドエッグ→『必殺ワイド・新春 久しぶり! 主水、夢の初仕事 悪人チェック!!』(監督:山根成之。藤田まこと、鮎川いずみ、村上弘明、南原宏治、今井健二、戸浦六宏、島田順司、鈴木淳、菅井きん、白木万理、長山藍子、山内としお、キャティー、亜仁丸レスリー。1988、松竹/朝日放送(ABC))。「必殺」シリーズのスペシャルとしては十作め。スペシャルはたいてふざけていて、ちょうどこの頃はプロ野球ネタを取り入れるのが多かったようだ(三作前に『必殺&タイガース』、一作前に『下田港の殺し技珍プレー好プレー』がある)。本作ではシンシナティ・レッズからミルウォーキー・ブルワーズを経て阪急ブレーブスに助っ人≠ニして入団したアニマル・レスリー(タレントとしての藝名は亜仁丸レスリー)がカメオ?出演し、自分の野球プレイをネタにした仕事人を演じている。おぶざけの多い「必殺」スペシャルの中では(全部見ているわけではないが)よくできた作品なのではないかと思う。「必殺」撮影中の藤田まことが屋根から落ちて気を失い、目が覚めるとそこは本物の江戸だった…… という、山田風太郎「江戸にいる私」によく似た設定で、クレジットに山田風太郎の名前はないが、藤田まこと演じる藤田まことが江戸の町の臭いに眉を顰めるところなど、ヒントにしているのではないかとは思われる。その「藤田まこと演じる藤田まこと」が、最初は江戸の人たちを一緒に仕事をしている役者たちと勘違いしつつ、いつの間にか「中村主水」に変わっている、その間合いが面白い。当時の話題だったろう「地上げ」の用い方は少し弱い気がしたが、亜仁丸レスリーの用い方も含めて楽しめた。せっかくの長山藍子が割とあっさり殺されてしまうのは、役の位置付けと「必殺」シリーズのセオリーからすると疑問はないのだが、「せっかくの長山藍子」だけに、セオリーを曲げてもよかったかな(やはりせっかく、主水とデキてしまったりするのだから)。あと戸浦六宏がほんのちょい役(役の位置付けではなく映り方として)の扱いだったのに驚いた。これもなにか、意味があるのだろうか?→冷やしたぬきそば(うずらの卵×2)。自作のめんつゆは、つゆ200ml+水100mlでちょうどいい塩梅だった(冷かけ一杯の分量としても)。これで解決。当面つゆは自作としよう→1910年の『忠臣蔵』観ながら菊水堂ポテトチップス、ビール中瓶×1→途中で眠くなり午睡→一時間ほどで起床し最後まで。『忠臣蔵』(監督:牧野省三。片岡市之正、尾上松之助、嵐橘楽、片岡市太郎。1910、横田商会製作/富士館配給)。現存する最古の『忠臣蔵』映画。現存するフィルムは三本−−鳥羽幸信という人が国立映画アーカイブに寄贈したもの、マツダ映画社所蔵のもの、活動弁士片岡一郎が発掘した可燃性フィルムを2017年に無声映画保存会を通じて国際映画アーカイブに寄贈したもの−−で、そのうち片岡版以外は1.画像の劣化に加えフレーム外周部分の映像情報が失われている、2.片岡版以外は音声が追加された活弁トーキー版だが片岡版はサイレント版のままで最もオリジナルに近いと考えられる、ということで片岡版を素材として再構成・修復が行われたものだそうだ。現存するフィルムそのものからはクレジット表示が落ちているので詳しいことはわからないが、おそらく『仮名手本忠臣蔵』を参考にしていると思われるものの、登場人物の名前は史実に従っている。物語の構成は発端〜松の廊下〜浅野自刃に始まり、祇園の茶屋(大石内蔵助の遊興)、九州浪人竹井金右エ門大石を諌む、山科閑居妻子訣別、神奈川本陣内蔵助と立花左近、南部坂雪の別れ、戸田局大石の胸中察しかね去る、そばや勢揃い、そして討ち入りと、まあ「忠臣蔵」の物語をひと通りなぞったという感じで、片岡一郎の活弁もそれに沿ったものであった(討ち入りのところで「こりゃカマらねえ」というギャグは入れ込んであったが)。映楽四重奏による音楽は、これから討ち入りというところの盛り上げ方などなかなかだったが、映画自体は貴重という点を除けば、研究者でもなければその面白さや価値を十二分に理解できるようなものではないのではないかな、と思ったが、果たして。なお大道具も、もちろんこの時代だから舞台のような設え。また配役も詳細はわからないけれども、尾上松之助が浅野内匠頭、清水一角、大石内蔵之助の三役を担当しているなど、日本の映画製作黎明期ならではの作り方も偲ばれる→『最高の花婿』(原題『Qu'est-ce qu'on a fait au Bon Dieu ?』、監督:フィリップ・ドゥ・ショーヴロン。クリスチャン・クラヴィエ、シャンタル・ロビー、ジュリア・ピアトン、エミリー・カン、エロディ・フォンタン、メディ・サドゥン、フレデリック・ベル、アリ・アビタン、フレデリック・チョー、ニコラス・ボーケア、ロイク・ルジャンドル、ヌーム・ディアワラ、ラサッド・サラーニ、Xiaoxing Cheng、パスカル・ンゾンジ、サリマタ・カマテ、タチアナ・ロホ、ニコラ・ブショー、エリ・セムーン、ニコラ・ムアン、フレデリック・ソレル、アクセル・ブーテ。2014、仏Les films du 24製作/UGC Distribution配給)。2018年1月、2022年2月に続き三度め。誰の心にもあるような人種・国籍への差別意識を、オブラートに包まず(言い換えれば角が立たないように逃げはせず)、しかしそういう意識を持ったり意識的・無意識的に表明してしまう人間の可笑しさを少し強調した形で、いい塩梅で描いている点には、やはり感心する。基本的には2018年、2022年の感想と変わらないので、それぞれ引いておく。「ひとつの家族にいろんな民族・人種が混在し始めるのをどう折り合いをつけ受け入れていくかという実に現代的なテーマを、必要以上に重くとらえずにでもしっかり考えて撮ったと思われる佳作。笑いの効かせ方もよい」(2018/1/16)。「「ひとつの家族の中に多人種・多民族・多文化の人間がいるという状況を屈託なくしかし的確に描いている」「(主に父親の)他人種・他民族・他文化に対する屈託のない偏見の可笑しさも、現実をよく捉えている」と思わせられる点は、続編『〜アンコール』よりもより先鋭的と思う。むろんそう思うのは監督がこのテーマを採り上げた最初の作品だからで(といっても本作より前の作品は日本で紹介されていないので知らないわけだが)、続編でこのテーマの力や重さ、またこのテーマを取り扱う手腕が保たれているのは注目すべきと思うが、このテーマで続編の製作を可能にするまで人々を楽しませたというのはとてもすごいことだなと、改めて本作を観て思った。日本では本作と続編しか公開されていない模様だが、他の作品も観てみたいものだ(2022/2/23)」→『最高の花婿 アンコール』((原題『Qu'est-ce qu'on a encore fait au Bon Dieu ?』、監督:フィリップ・ドゥ・ショーヴロン。シャンタル・ロビー、クリスチャン・クラヴィエ、フレデリック・チョー、ヌーム・ディアワラ、メディ・サドゥン、アリ・アビタン、エロディ・フォンタン、フレデリック・ベル、ジュリア・ピアトン、エミリー・カン、タチアナ・ロホ、クローディア・タグボ、パスカル・ンゾンジ、サリマタ・カマテ、リカルド、フィリップ・ベグリア、ロイク・ルジャンドル、ヘディ・ブシェナファ、マリー・エレーヌ・レンティーニ、パトソン、ジャック・グエンニ、イナン・シチェク。2019、仏Les films du 24製作/UGC Distribution配給)。2022年2月以来二度め。今回は途中で酔っ払ったので都合二度観たが、さすがにそれだけ観ると、娘・婿たちをフランスに引き留めようとする工作は、いささかやり過ぎ・うまく行き過ぎに思える(とりわけシャオをチベットの活動家に仕立て上げるくだりなど)。その辺をコメディ≠ニして消化しながら観れば、以下に引く前回の感想どおり「傑作」であるとは、今回も思った。「ひとつの家族の中に多人種・多民族・多文化の人間がいるという状況を屈託なくしかし的確に描いているように思わせるところは前作『最高の花婿』と同じ。そして(主に父親の)他人種・他民族・他文化に対する屈託のない偏見の可笑しさも、現実をよく捉えているように思う。その上で他人種・他民族・他文化の人たちがフランス、パリに感じる息苦しさを描き、さらに同性愛に関するある種の年代や立場の人間が持つ偏見も真っ直ぐに描きつつ、全体として嫌な感じを観客に与えないのは、よほど考えての製作と思う(もちろん観る人によっては不快感を感じるかもしれないが)。そういう背景の上で、父親が多人種・多民族・多文化の婿たちの移住への決意を金の力でねじ伏せるのはある意味痛快だし、婿たちもそうと知りながらそれを父親の熱意として受け入れるという展開も面白い。前作に引き続き傑作(2022/2/22)」→フライドポテト、ニンジンかき揚げ、鰯骨煎餅、ひよこ豆のカレー、キャベツと鮭缶のカレー、海苔煎餅、海苔チーズ、冷やしたぬきそうめん(うずらの卵×2)、ビール中瓶×1、金宮酎ハイ×4、御酒×1→午前2時就寝。
7月8日(月) 朝10時起床→冷やし月見そば(揚げ玉)→昨夜『最高の花婿 アンコール』を観ている途中で酔っ払い後半記憶がなかったので復習→シャワー→富士自動車より、シート取り外しについての問い合わせの返答あり。乗車定員と矛盾が生じるので工場で取り外すことはできないが、工具についての確認は取れたので、自分でやってみることにする→ということで〈モノタロウ〉にソケットレンチのセットと11mmのメガネレンチを注文→『MOONRIDERS THE MOVIE「PASSION MANIACS マニアの受難」』(監督:白井康彦。岡田徹、鈴木博文、武川雅寛、かしぶち哲郎、白井良明、鈴木慶一、野宮真貴、原田知世、ポカスカジャン、みうらじゅん、青山陽一、サエキけんぞう、細野晴臣、直枝政広、太田譲、PANTA、高橋幸宏、あがた森魚、和田博己、朝妻一郎、遠藤賢司、近藤雅信、國吉静治、曽我部恵一、椎名和夫、松武秀樹。2006、メディアクラフト/ホワイトノイズ・プロダクション)。ムーンライダーズのデビュー30周年記念ライブ(2006年4月。於〈日比谷野外音楽堂〉)の演奏の模様と、メンバーや関係者たちのインタビューで綴る、ムーンライダーズ30年の総決算的なドキュメンタリー。左記に加え(おそらく)新宿〈ロフト〉や渋谷〈BYG〉でのライブの模様、白井良明の「ギタギドラ」の演奏や、かしぶち哲郎、岡田徹のソロ演奏も差し挟まれる。(多分)鈴木博文が工場の稼働音を録音する様子が映されたりフォークロックからプログレやフュージョンを経てテクノ/ニューウェイブへと変貌してくムーンライダーズに関する証言も多く、観ているこちらも語りたくなることはいくらでもあるが、この映画からひとつだけムーンライダーズを象徴する台詞を抜き出すとすれば、鈴木博文の「目指して失敗したときが一番カッコ悪い」かな。なお音楽家以外でインタビューに登場するのは、朝妻一郎(パシフック音楽出版エグゼクティブ・プロデューサー)、近藤雅信(A&Rプロデューサー)、國吉静治(クラウンレコードA&Rディレクター)、中根康旨(クラウンレコードA&Rディレクター)だが、このうち國吉静治は「30周年記念ライブ」にてフルートで参加している。映画内では約30曲が流れるが、いずれもほんの一部分のみなのが残念ではあるが、バンドが主役でその来し方を綴るドキュメンタリーということでは仕方あるまい。あるいは別メディアで全曲ちゃんと聴けるのかもしれないが、一応エンド・クレジットから使用楽曲を引いておく(クレジット記載順なので順不同。またムーンライダーズのみの演奏は無印、ムーンライダーズがその他の人と共演している場合は「M+人名」とする)。「Frou Frou」、「空から降ってきた卵色のバカンス」(M+原田知世)、「大人の悩みに子供の涙」(みうらじゅん+ポカスカジャン)、「大人の悩みに子供の涙」(みうらんじゅん)、「B to F(森へ帰ろう~絶頂のコツ)」(M+青山陽一)、「DON'T TRUST ANYONE OVER 30」(ムーンライダーズオールスターズ)、「青空のマリー」(M+サエキけんぞう)、「ボクハナク」(M+直枝政広、太田譲)、「ギタ“夢”ギドラ 06'」(白井良明)、「BEEP BEEP BE オーライ」(かしぶち哲郎)、「砂丘」(かしぶち哲郎)、*「煙草路地」(鈴木慶一、かしぶち哲郎、武川雅寛、和田博己)、「大寒町」(M+あがた森魚)、「赤色エレジー」(M+あがた森魚)、「塀の上で」(M+遠藤賢司)、「ウェディングソング」(岡田徹)、「GRAPEFRUIT MOON」(岡田徹)、「スカンピン」、「スカンピン」(曽我部恵一)、「夢ギドラ 85'」、「地下水道」、**「彼女について知っている二、三の事柄」、**「Elephant」、「いとこ同士」(岡田徹、松武秀樹)、「工場と微笑」(M+直枝政広、太田譲)、「超C調」(白井良明)、「ふにゃふにゃサイボーグ」(鈴木慶一、武川雅寛、矢口康博)、「ちょっとツラインダ」(THE BEATNIKS)、「9月の海はクラゲの海」(M+高橋幸宏)、「ダイナマイトとクールガイ」、「くれない埠頭」(M+PANTA)、「くれない埠頭」、「A Song For All Good Lovers」(*は渋谷〈BYG〉、**は新宿〈ロフト〉、その他は日比谷野外音楽堂または不明)→『最高の花婿 ファイナル』再見。笑いと人間を描く深さの塩梅から言えば、三作中最高ではないかな、と思ったが、酔っ払ってるので確信はない。もう一度観てみよう。とはいえ、シャオのお母さんはやはり最高であった→菊水堂ポテトチップス、炒り昆布、バターコーン入り炒り卵(トマトケチャップ)、鮭缶とトマトのサラダ、玉葱とパパドのスープ(とうもろこし出汁、チキンコンソメ、ニンニク、生姜)、ペペロンチーノ(青唐辛子)、ビール中瓶×2、御酒×3→めんつゆ仕込んでから就寝。午前1時頃。
7月9日(火) 朝8時起床。白湯→昨夜のスープと卵を和えた昨夜のペペロンチーノ→食後眠くなって一時間ほど仮眠→昼過ぎ老父買い物代行、PCメンテナンス(Webブラウザのキャッシュ/Cookieなど削除等)、〈所澤医院〉受診付き添い。PCのWeb閲覧が鈍重なのはぱっと解消→昨日ら時代劇専門チャンネルで始まった『剣客商売'73』、すでに原作の世界(というか登場人物)を見事に表現しているじゃないか。これはしばらく毎日の楽しみ→昆布/かつ節出汁殻、冷やしたぬき花巻そば(うずらの卵×2)、ビール中瓶×1、御酒×1→遅い午睡→枝豆、トマトとキャベツのサラダ、ソーセージ(ニンニク)、茹でオクラ(かつ節、醤油、酢)、舞茸と油揚のおつけ、ビール350ml缶×1、金宮酎ハイ×2→眠いような眠くないようなという状態だったので、眠くなるまで何か作業をしようと思い、「髪がゆれている」のバックトラックの着想を形にしておこうとGrageBandを起動し手を動かしていたら、まあなんとなくまとまった。歌の部分と間奏とでリズムを分けた(楽器も)のはそんなに苦労なく進んだが、ピアノパートはまだまだ(あまり打ち込むと本来ギターと歌だけでやろうとしてたものがぶれてしまう)→午前3時半就寝。
7月10日(水) 朝7時半起床。白湯→舞茸と油揚のおつけ、ご飯、たたき梅、うずらの卵×2、海苔→〈所澤医院〉にて昨日注文したクスリを受け取り父に届け、その足で深大寺。〈神代植物公園〉の駐車場にクルマを停め、〈松葉茶屋〉へ。十割せいろ。むしろ揚げ玉が目当てだったが、レジ前に山と積まれていた。ここのは品もよいし、いつ行っても入手できそうだから、〈深水庵〉からこちらに浮気するか(駐車場はないが植物公園の駐車場なら300円で済む)→帰宅後シャワー→録画整理。『必殺仕事人』『長谷川伸シリーズ』など→菊水堂ポテトチップス、揚げ玉、煮干し、海苔巻き煎餅たたき梅乗せ、月見たぬきそば、ビール中瓶×2、金宮酎ハイ×4→午睡→起きてまた一杯。ポテトサラダ、トマトとキャベツのサラダ、枝豆、鰯刺身(おろし生姜)、ビール中瓶×1、金宮酎ハイ×4→夜11時頃就寝。
posted by aokiosamublog at 23:00| 小ネタ/思考/日記